上沼恵美子が明かした田村正和さん伝説 「美人女優をホテルに…」
4月に心不全で亡くなり、翌月に訃報が発表された俳優の田村正和さん。プライベートを人に見せなかったというエピソードが数多く関係者によって語られた。
タレントの上沼恵美子も田村さんの知られざる一面を5月24日放送の『上沼恵美子のこころ晴天』(ABCラジオ)で明かしていた。
上沼は40年前、大阪の劇場公演があった田村さん座長の「眠狂四郎」で1か月間共演したという。中日(なかび)に一度だけスナックを貸し切って打ち上げがあり、酒席を共にしたという。
「一緒に飲みに行かせてもらったけど食べない! “水割りだけじゃ田村さんお体に悪いです”って言ったんです。鶏のから揚げやサンドイッチやスパゲティとかあったんですよ。
私ナポリタンくるくるって巻いて口まで持っていったもん。でも“結構…”って。ナポリタンは失礼か…。でもホテルに帰って爆食いしてるんかな?」
上沼はモノマネや冗談を交えながら田村さんの素顔を明かした。さらに舞台の共演者に起きた驚きの出来事があったという。
「舞台で女優さんたくさん出ているんですよ。その中で本気で田村さんを好きになった人がいてね。私の楽屋にきて“上沼さん、田村さん好き~!”って泣き崩れるのよ」
美人だったというその女優に対し、上沼は冷静になるように言い聞かせたが、それでも“ダメー!”と言って取り乱していたそうだ。
「そこまで言うなら“田村さんあそこのホテルに泊まってはるからロビーで待っておいたら?”ってそそのかしたのよ(笑) そしたらその女優さん“今晩行く”って。“えー!”って思って…」
冗談半分で言ってみたもののその女優は本当に実行したというのだ。
翌日その女優は再び泣きながら上沼の楽屋に。話を聞くと本当にホテルのロビーで待ち伏せをして、田村さんに会えたという。
「お疲れ様でした」
と田村さんに話しかけ、さらに
「お部屋に行っていいですか?」
と聞いたそうだ。
「そしたら田村さんが“何を言っているんだ…。帰りなさい…”っていってタクシー乗り場まで送ってくれたらしいのよ。もう紳士!きゃー!それ聞いて私が好きになった」
それだけモテても女性を寄せ付けないステキな人だったと上沼はいう。夫婦仲も非常によく理想的な人だと偲んだ。
さらに上沼は続ける。
「その子、その日から焼け食い。ケンタッキーフライドチキンをバケツで買ってきて、両手に持ってガーって食べていて3キロぐらい太ったわ。口のまわりバーっと油だらけでバケモンみたい。ほんまにブッサイクになりました」
とオチの付け方はさすが上沼だ。天国の田村さんも、まさか裏で上沼が女優をホテルに送り込んでいたとは思いもよらなかっただろう。
私生活に関し田村さんが鉄壁のガードだったことは、報道関係者も痛感していた。
「当初、どこよりも早く田村さんの訃報をつかんでいたのは『女性セブン』でした。しかし取材をかけても奥さまはもちろん、親族も誰一人として語ろうとしなかったそうです。田村さんの生前の意志の貫き方は半端じゃなかったようです」(ワイドショー関係者)
最後まで理想の俳優像を守り続けた田村さん。唯一無二の大スターがまた一人旅立ってしまった――。
- PHOTO:足立 百合