驚愕!「Anyca」で車を貸したらジモティに出品されていた!
知らないうちに600万円で売られていた GT-Rオーナーやベンツオーナーが被害
人気の個人間カーシェアサービス「Anyca(エニカ)」を舞台に信じ難い盗難事件が発生した。被害者である高級スポーツカー「GT-R」のオーナーAさんが語る。
「私はGT-Rを一日3万5000円で貸し出していました。借りる人は富裕層が多く、過去約15人に利用してもらい、トラブルは一回もありませんでした」
ところが、今年2月、男女のカップルに貸し出したところ、期限になっても返却されず、連絡も取れなくなった。Aさんはすぐに警察に通報したという。
「後日、全貌がわかり驚きました。カップルは一日7万円で雇われた『受け子』だったんです。ネット上で見つけたバイトで、実在の中古車業者の名で調査という名目で募集していたそうで、疑いもしなかったとか。少し離れた場所で、業者を名乗る男性に引き渡した。知らぬ間に犯罪に加担してしまったんです」
この時点で、すでにAさんのGT-Rは、地域情報サービス「ジモティー」を通じて、中古車業者に売られる取引が成立していたという。
「犯行グループは、『Anyca』に掲載された写真や情報に加え、借りる前に私に走行距離を問い合わせて、事前に『ジモティー』に出品。売買する日時のタイミングで、クルマを借りていたことがわかりました」(Aさん)
中古車業者には偽造されたAさんの免許証と委任状が提示され、相場の800万円より安い600万で売却。ネットでの取引には、「捨てアカウント」が使われており、誰が出品したのかはわかっていない。
「私の他にも、ベンツやテスラを所有する人たちが、未遂に終わっていますが、同様の手口で狙われました。しかし、これまで『Anyca』は『盗難などはない』と否定してきました。このような企業体質に疑問を感じますし、オーナーが安心して貸し出すことはできません」(Aさん)
「Anyca」を運営するDeNA SOMPO Mobilityの馬場光社長は本誌の取材にこう回答する。
「ドライバーさん(借り主)の登録情報のチェックには重きを置いてやってきました。ただし、その方が別の人に渡して売ってしまうということには対応できていませんでした。今後は新しい保険で、詐欺横領に関しても最低限のところはカバーしていけると考えております」
最新のサービスであっても、落とし穴は必ず存在するようだ。
『FRIDAY』2021年6月18日号よりhttps://friday.kodansha.co.jp/article/49363/photo/f313c574
企画協力:加藤久美子写真:加藤博人