野上こうじ『天神橋』のヒットは苦境の演歌界にみる「ひと筋の光」 | FRIDAYデジタル

野上こうじ『天神橋』のヒットは苦境の演歌界にみる「ひと筋の光」

芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”

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野上こうじ(左)と司洋人(右)が出演する『あぶない刑事』のパロディのようなMVも話題だ(YouTubeオフィシャルチャンネルより)
野上こうじ(左)と司洋人(右)が出演する『あぶない刑事』のパロディのようなMVも話題だ(YouTubeオフィシャルチャンネルより)

《芸能リポーター・石川敏男の芸能界”あの出来事のウラ側は……”》

コロナ禍で新曲を発売してもキャンペーンができず、まして営業もできず苦しんでいる歌謡曲・演歌の歌手の人たち。若い人を対象に歌っているポップスの人たちは、ライブのネット配信などで生計を立てているが、年配のファンしか持たない演歌歌手の人たちは大変だ。

4人組グループ『純烈』の皆さんのファンは幅が広く、歌謡曲・演歌の歌手としては異例。コンサート配信なども行って、演歌界の中でも特別なグループだ。

そんな中、頑張っている歌手がいた。

野上こうじと司洋人の2人。5月19日に発売された『天神橋』がひそかにブームになっているのだ。

大阪、福岡・博多、石川県にある“天神橋”をモチーフに作られたこの曲。カラオケ店などで歌えない状況でも、レコード売上ランキングを発表している「サウンドスキャン」で、発売翌週に堂々2位。有線チャートでも、並み居る人気歌手を抑えて4位になる健闘ぶりだ。

この曲はもともと、野上さんが‘18年にリリースしたシングル「白いストレチア」のカップリングとして発売された。彼によれば、

「発売から1年半ぐらいたって、じわじわと歌ってくれる人が出るようになってきました。“天神橋”って全国にあるようで、メーカーと話し合って天神橋の街頭キャンペーンをしようと言う話になり、大阪の“天神橋商店街で”と日にちまで、ほぼ決まりかけた時にコロナが流行りだししまって…」

“コロナが落ち着いたら”とスタッフと話していたようだが収まる気配はない。だが、ファンからの「ぜひとも『天神橋』のシングル化を」という声に押されて、この厳しい状況にも関わらず、発売されたという。

野上さんとデュエットする司さんは、歌手業の傍らに「歌を通してのリハビリ」介護ケアセンターを経営している。

「男同士の重たくないデュエットが、男性に受けたんでしょうか。それと歌いやすい曲ですから」

と、こちらも突然の反響に驚いている。

野上さんは‘83年に「ふり向かないで」のデビューだから、歌手生活もすでに約40年を超える。

『野上こうじと司洋人の歌謡最前線』(BS11・千葉テレビ)、『野上こうじと藍ようこの歌謡音楽観』(テレビ埼玉・群馬テレビ)のレギュラーを続けながら、細々と続けてきた歌手生活。番組は長いもので10年になる。

「ほんとにファンの方々に支えられて続けてここまでこれました。コロナじゃない頃は、月の半分は地方興行に行っていましたが、ここ1年以上は営業が出来ていません。

自分の誕生日と新年会は、ファンの方たちの熱い応援で人数を制限させていただいてショーを開かせていただいていますが、数年前のようにもっと多くのお客さんを呼びたいですよ。私たちにとっては、ホントにお客さんあっての歌手生活ですから」(野上さん)

歌手になって、初めてつかみかけたヒットの兆し。野上さんも含めて、歌謡曲・演歌を歌う歌手の皆さんが、これからも日本に残る歌を歌い続けていけることを、オレは本気で願っているよ。

  • 石川敏男(芸能レポーター)

    ‘46年生まれ、東京都出身。松竹宣伝部→女性誌記者→芸能レポーターという異色の経歴の持ち主。『ザ・ワイド』『情報ライブ ミヤネ屋』(ともに日本テレビ系)などで活躍後、現在は『めんたいワイド』(福岡放送)、『す・またん』(読売テレビ)、ラジオは福井放送、ラジオ関西、レインボータウンFMにレギュラー出演中

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