女帝・小池百合子に「1人で」不信任を突きつけた都議の真意 | FRIDAYデジタル

女帝・小池百合子に「1人で」不信任を突きつけた都議の真意

「自由を守る会」上田令子が指摘する小池都政「これだけの問題点」

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「私は小池都政は、いわば『ファシズム』だと思っています。パフォーマンスで切り回し、都民のことはちっとも考えていない。自身の政治生命のために巨額の予算を使って広告して。コロナ対策はへぼへぼ。コロナ対策予算は知事の専決処分としてばんばん使う。コロナかるたとか、アートにエール事業とか。で、支援団体にばらまく。そんな都政なのに、都議会は私以外全員小池都政に『YES』なんですね」

6月7日、都議会最終日に大勢を引き連れて「挨拶回り」をする小池都知事。フロアは、一時通行止めになる。その姿は「院長回診」をほうふつさせる。右の白スーツが上田令子議員(写真:上田議員のTwitterより)
6月7日、都議会最終日に大勢を引き連れて「挨拶回り」をする小池都知事。フロアは、一時通行止めになる。その姿は「院長回診」をほうふつさせる。右の白スーツが上田令子議員(写真:上田議員のTwitterより)

たったひとりで知事に「不信任」を突きつけた理由

6月7日、東京都議会は最終日だった。この日の議会で小池百合子都知事に対し「不信任決議」が上程されたことを報じたメディアは多くない。一人会派「自由を守る会」の上田令子議員が提出。3分の2の賛成を得られず、否決された。

「不信任決議に賛成、起立したのは私1人です。都議会は小池知事の信任機関に成り下がったんです。知事の独断にチェック機能が働かない。だから、あんな予算の使い方がまかり通ってしまう」

ひとり反旗を翻した上田議員に、小池知事は「ガン無視」「素通り」でわかりやすく敵意を示した。その決定的瞬間の動画が上田議員のTwitterに上がっている。

「このときは『これから知事が挨拶に回るので廊下に出て待機して』と、職員から声がかかったんです。なので、私も知事が通るという廊下で立って待っていました。大勢を引き連れた知事は私の前を軽い会釈で素通り。隣にいた別の議員にことさらに『挨拶』をするというパフォーマンスを見せました」

この動画、たしかにちょっと怖い。

「こうやって、高いハイヒールで人を踏みつけてきたんですよ」

「都民ファーストの会が選挙に勝ったとき、落選したのは自民党のベテラン議員たちでした。彼らはややもすると『老害』のように言われます。正直、私もそんな印象をもってました。でもね、あのベテラン老練の議員たちが、知事に対してものを言える、ストッパーにもなっていたんです。都の職員さんたちと仲良くして情報を交換したり調整したり。そして知事に対して意見できる、『喧嘩ができる議員』たちが軒並み選挙で負けて、小池の部隊·都民ファ議員が最大会派になった。野党も、都議会には『なんちゃって改革派』しかいません」

街中に「東京都知事の小池百合子です」が溢れた

都の職員が現場から意見をすることはないのだろうか。

「都職員はもともと、都民のために働いています。けど、自分の上司がぱんぱん異動しているのを見たら言いたいことも言えないですよね。意に沿わない者は飛ばす…ブレーンだった野田数さんも、体よく追い出されましたよね。身内にも容赦ないんです」

そんな小池知事を、都民はふたたび当選させた。

「都知事選の前、広告に都の予算を12億円を投入していました。新宿のアルタ前に行けば大画面で『小池百合子です』、渋谷のスクランブル交差点でも『小池百合子です』、都バスに乗っても都営地下鉄に乗っても、都知事の宣伝。ステイホームで家にいる人を狙って、テレビCMもばんばん流す。あれだけの広告を都の予算で流したんです。ものすごい宣伝効果ですよね。

で、気づいたんです。これは『お金を払うこと』にも意味があるんだって。コロナ禍で広告出稿が減ったテレビにとって、この時期、東京都は大スポンサーでした。東京都、小池批判がしづらくなったんです」

ちょうど1年前の昨年7月。コロナ禍の東京で小池都知事は再選を果たした。1期目の退職手当は3500万円。これを満額受け取って、再び都知事の座についた。

「小池知事は、手当のカットを強調していましたから、あれ?と思って調べたんです。8月21日付で、条例上の満額を受け取っていましたね。大阪府知事や大阪市長は『改選のたびの退職手当の受け取り』を拒否しています。大阪は、改革首長として『筋』を通しているんです」

上田議員が指摘した「12億円広告費」が問題になり、今年度に入ってこういった「広告」は少なくなった。一方、連日のように作業服姿で会見を開き「コロナ対策」を訴えている。その派手なパフォーマンスに振り回された近県の知事たちは今、小池知事と距離を取るようになったという。

都議会は、国会の2軍じゃない

「じつは私自身、反省があるんです。かつて、都民ファの議員として小池を支えていたこと。今思えば『騙された』ですが。最初は『いい』と思ってしまったんです。あのとき、小池百合子を推してしまった自分の責任を感じています。間違った、と思っています。だから、一人でも戦っていく。

勉強して、資料を読み込んで、小池都政の誤りを指摘していきます。地方議会は、国政の『2軍』じゃないんです。地方政治のオーソリティになって、都民のための政治をしたい。変えられると思っています」

上田議員は一人会派だから、都議会で最前列に座る。少人数会派の発言、登降壇に、小池知事は全く目を向けず「ガン無視」だ。意見が違っても、意見が違うからこそ、示すべき敬意があるんじゃないか、と違和感をもった。

上田令子。国政の2軍にはならない。都議会の最前列を目指して、今日も問題提起を続ける。

6月7日。都議会で、ひとり「不信任決議」に賛成、起立する上田令子議員。他の議員は全員、小池都政にYESということなのかと問う
6月7日。都議会で、ひとり「不信任決議」に賛成、起立する上田令子議員。他の議員は全員、小池都政にYESということなのかと問う

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