林真須美死刑囚の長女が4歳の娘と無理心中の「背景」 | FRIDAYデジタル

林真須美死刑囚の長女が4歳の娘と無理心中の「背景」

現地ルポ 大阪・関西国際空港連絡橋から飛び降り もう一人の娘は自宅で遺体となって発見 「和歌山毒物混入カレー事件」

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再婚したA子さんが家族と暮らしていた和歌山市内のアパート。この一室で心桜さんは亡くなっていた
再婚したA子さんが家族と暮らしていた和歌山市内のアパート。この一室で心桜さんは亡くなっていた

「(長女とは)この十何年間も会っていなかった。孫がいたのは写真を見たから知っていたよ。可愛い子やったね……」

悲痛な声でそう語るのは、和歌山毒物混入カレー事件で死刑判決が確定した林真須美死刑囚(59)の夫、林健治氏(76)だ。

真須美死刑囚が申し立てた再審請求が和歌山地裁に受理されていたことが、6月9日に明らかになった。

同日午後4時頃、大阪・関西国際空港の連絡橋から和歌山市在住の37歳女性A子さんが、次女(4)と一緒に飛び降り、遺体で浮いているのが発見された。

この2時間前には、A子さんの自宅で長女・鶴崎心桜(こころ)さん(16)が心肺停止状態で見つかり、父親が救急車に同乗して搬送されたが、病院で死亡が確認されていた。

ショッキングな事件だが、A子さんが、健治氏と真須美死刑囚の長女であることが報じられ、大きな波紋が広がっている。

前出の健治氏は、’98年に保険金の詐欺罪で逮捕・起訴され、’05年出所。その2ヵ月後にA子さんと会ったという。

「A子から結婚相手を紹介されて、一緒にカラオケにしょっちゅう行ってたんよ。そのとき、まだ小さい心桜の写真を見せてもらった。A子の夫は運送業で、親がマンションを経営していたそう。それが、2年後くらいに離婚して、A子は心桜を引き取って、シングルマザーになった。A子は勝ち気な性格なんよ。母親が逮捕された後は、二人の妹たちや弟の母親代わりやった」

しっかり者だったというA子さんは、離婚以降、健治氏と会うことはなかった。

「俺が引っ越したんよ。それから来なくなった。電話もなかった。A子は仕事をしていたし、育児もあったから、忙しかったんちゃうかな。電力会社の関連で働いていたらしい。今の旦那さんと知り合って、暮らしとったんやろうしな」(健治氏)

A子さんは再婚し、次女が生まれた。健治氏だけでなく、妹や弟など親族とは連絡をほとんどとっていなかったようだ。

「カレー事件に関わりたくなかったんちゃうかな。(無理心中については)何があったんか、さっぱりわからん。(心桜さんが亡くなった後)今の旦那もカフェインを服用して自殺未遂を図って入院していると聞いている。心桜が死んだんで、それを苦にしてA子も飛び降りた可能性もあるやろな。けど、いったい何を信用していいのか……」(健治氏)

心桜さんの死因は、全身打撲による外傷性ショック。遺体には多数のあざがあり、虐待を受けていた可能性がある。心桜さんは地元の小中学校を卒業後、高校に進学したが、すぐに中退したようだ。

A子さんの家庭が複雑な事情を抱えていたことは間違いないだろう。どうしてこのような悲劇を招いたのか。

在阪全国紙社会部記者はこう語る。

「誰が長女を暴行したのか、まだ特定にまで至っておらず、捜査は難航しています。入院中の父親の証言がポイントですが、現状では早急な解決は無理でしょう」

A子さんとかつて親交があった真須美死刑囚側の親族は本誌にこう明かした。

「(A子さんと)私が最後に会ったのは上の子(心桜さん)が生まれて、まだ歩けないぐらいの時です。そのうち年賀状も返って来なくなって、避けられているんだと。それも無理もないかなと。(事件後にA子を)引き取ることができなかったですし……。(涙ながらに)でも、幸せに暮らしているのかと……」

この親族に対して、今でも心無いイタズラ電話が続いているという。

あれから23年、再び和歌山で凄惨な事件が起きた。一刻も早い解明が望まれる。

1998年7月25日、和歌山カレー事件発生直後に本誌が撮影した真須美死刑囚。彼女は4人の子どもの母親である
1998年7月25日、和歌山カレー事件発生直後に本誌が撮影した真須美死刑囚。彼女は4人の子どもの母親である
小学校卒業アルバムに掲載されていた心桜さんの写真。同級生の保護者によれば、当時は小柄で大人しい子だった
小学校卒業アルバムに掲載されていた心桜さんの写真。同級生の保護者によれば、当時は小柄で大人しい子だった
本誌の取材に応じる健治氏。現在は車椅子生活を送っている。「(A子に)会いたいなぁ」とポツリと呟いた
本誌の取材に応じる健治氏。現在は車椅子生活を送っている。「(A子に)会いたいなぁ」とポツリと呟いた
和歌山カレー事件発生当時、真須美死刑囚と健治氏ら家族が住んでいた和歌山市の自宅は、現在は更地になっている
和歌山カレー事件発生当時、真須美死刑囚と健治氏ら家族が住んでいた和歌山市の自宅は、現在は更地になっている
A子さんと4歳次女は関空の連絡橋から無理心中を図った。通行中の男性が通報し、病院で死亡が確認された
A子さんと4歳次女は関空の連絡橋から無理心中を図った。通行中の男性が通報し、病院で死亡が確認された

『FRIDAY』2021年7月2日号より

  • 撮影加藤慶(事件現場、林 健治氏)、朝井豊(6枚目)

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