東京都議選「自民躍進・都民ファ苦戦」調査データの深層 | FRIDAYデジタル

東京都議選「自民躍進・都民ファ苦戦」調査データの深層

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「小池頼み」になっている都民ファ。休養を発表した「ボス」は十分な援護射撃を行うのか…(写真・AFLO)

突然出回った「調査結果」

6月25日告示、7月4日投開票。「国政選挙の写し鏡」とも評される東京都議会議員選挙が行われる。今回は42選挙区127議席を巡り、250人が立候補する見通しだ。秋までに衆議院選挙、来年は参議院選挙も控え、まさに「前哨戦」といえる選挙で、各政党から国政選挙と同等に重要視されている。

注目は、小池百合子知事が特別顧問を務める地域政党「都民ファーストの会」(以下、都ファ)だ。5年前の都知事選直前、小池氏は「ガケから飛び降りる」という覚悟を示して“小池旋風”を起こした。翌2017年の都議選でも都民の支持を集め、公認した50人中49人が当選。追加公認も含めて55議席となり、第一党であった都議会自民党を57議席から23議席へと歴史的な惨敗に追い込んだ。

それから4年。捲土重来を図る自民党が勝つのか、都ファがそれを防ぐのか。都議会第一党を巡る争いはすでに始まっている。

そんななか、6月の第三週に「自民党調査」と記された都議選の世論調査結果と言われるものが、永田町、都議選、マスコミ界隈で出回った。そこには以下のような衝撃の数値が記されていた(数字は当選予想数)。

「都ファ13 最大値19 最小値6」
「自民51  最大値55 最小値48」
「公明16 最大値23 最小値14」
「立憲・生活者ネット22 最大値26 最小値20」
「共産22 最大値23 最小値17」

元来、自民党の世論調査は「身内に優しく他党に厳しい」と言われるもので、これをそのまま受け止めることはできない。今回自民党は23人の新人候補も擁立しているため、「51」は現実的な数字とは言い難い。

それを前提として、都連関係者が予測についてこう解説する。

「GW前後に取っているため少し古く、正確なデータを表しているとは言い難い。狙いは、自公で過半数64を超えることで、公明は豊島、中野、目黒の3つの3人区が危ない、と言われている。すべて落としても20。64から20を引くと、自民の目標が44となってしまう。獲得目標44では、士気が下がるために公明の議席も下げ、調整をしたのだろう」

冒頭で「国政選挙の写し鏡」と評したように、菅政権のコロナや五輪に対する失政、国会議員のスキャンダルは地方選挙にも影響を及ぼす。実際に北九州市議選、小平市長選、宝塚市長選など、最近の地方選挙で自民党の候補者は結果を残せていない。これは明らかに国政への評価が影響している。前述の都連関係者が語る。

「東京は流動人口の多い都市で、選挙区によっては4年の間に半数が移動する地区もある。都議が地元の課題を語っても響かず、ニュースで取り沙汰される話題に引っ張られる傾向が強い。最近では『政治とカネ』で、18日、公選法違反で河合克行元法相に実刑判決が下った。菅原一秀前経産相も8日に公選法違反で略式起訴となり議員辞職。収賄罪で在宅起訴された吉川貴盛元農相など自民党の国会議員は半年で4人も議員辞職に追い込まれた。コロナや五輪に目を奪われるが、政治とカネも当落を左右しかねない」

なかでも菅原一秀前経産相は東京9区(練馬)で、練馬選挙区は定数7のところに候補者を3名も出している。一人の女性候補は菅原事務所の元秘書で、丸川珠代五輪相、三原じゅん子厚労働副大臣との三連ポスターに差し替えていた。区政・都政で失敗がなくとも国政での失態が余波となるからだろうか。

今回から一議席増え、7人区となった練馬区では4年前、都ファの候補者がワンツーフィニッシュを決め、執行部は「あと一人立てればよかった」と余裕の笑みを浮かべていた。それが4年の歳月で、最後の一議席にどちらかが入れるか、両候補落選か、と苦戦している状況だ。

ここまで都民ファに厳しい風が吹くのは、公明党の影響もある。4年前、公明党は小池旋風に乗り、全員当選を果たした。都議会では都ファと連立を組んでいたが、今年3月には都民ファに連立離脱を突きつけ、自民党と政策協定を結んだ。秋の衆院選挙を見越しての動きでもあるが、「固い」と言われる公明票が自民党を支えることになる。

「4年前の都ファの快進撃は公明票に支えられていた面もある。都ファの新人候補の多くは組織票に頼れず、公明票が補完した。ただ、いまだに小池さんは学会の女性部から支持を集めているので、各選挙区で公明票がすべて自民に流れることもないだろうが、自民優位は動かない」(自民党の都議会議員)

都ファ内で、旧民主党の候補者を除けば支持基盤はないも同然だ。彼らにとって頼みの綱は小池知事の応援だ。小池知事がコロナ対策に追われ、都ファへの態度を一向に表明していないことで焦りを募らせている、と都ファの都議が指摘し、こう語る。

「小池さんは内々に、応援は必ず行くから、と明言している。約束すれば違えない人ですが、小池さんをよく知らない一期生は、本当に来てくれるのか、と不安になっている。一軒一軒の個別訪問を行う、どぶ板選挙を4年やっていれば小池さんの応援はオマケと思えるが、『古い政治の象徴』としてどぶ板をやってこなかった議員ほど、小池人気にすがるしかない」

上記に記した世論調査は4年前、苦杯を舐めさせられた恨みから都ファの獲得議席は低めに見積もられている可能性もある。小池都知事が体調不良からの療養に入ったなか、都ファの候補者たちは、これら調査の数字を覆すことができるか。

  • 執筆岩崎大輔写真AFLO

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