<figure id="attachment_190594" aria-describedby="caption-attachment-190594" style="width: 2769px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="918e3de5"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/07/3a92b97f9ea8602be0ab603c5e035022.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-190594" class="wp-caption-text">山田さんが経営する『お食事処かにや』の生け簀。キャパオーバーだが、今も毎週70匹ほどが追加されているという</figcaption></figure>
世界最大のカニの運命やいカニ—。
全長４ｍ、重さ25㎏にも達するという世界一大きな甲殻類・タカアシガニをご存じだろうか。１匹２万円という高級品で、身に水分が多く冷凍保存に向かないため、唯一の卸元がある静岡県沼津市戸田(へだ)でしか味わえない〝幻の珍味〟だ。
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今、このカニがピンチに陥っている。コロナ禍で戸田を訪れる観光客が半減。その影響で大量に売れ残っているという。
卸元『株式会社光徳(こうとく)』の代表で、直営飲食店も経営する山田隆継氏は嘆く。
「一日にお客さんに出すのが１匹、２匹なんて日もあるよ。平均して10匹ぐらいかな。コロナ前だと一日60匹は出てた。店の生け簀(す)には300匹近くがすし詰め状態。それでも仕入れルートを途切れさせないために毎週100匹は絶対に仕入れる約束だから在庫は増える一方だよ。
一度食べてもらえれば美味しさがわかると思うけど、今はその機会すらないのが寂しい。伊勢海老のような肉厚な身と、甘いミソが最高だよ。今年は続ける予定だけど、今後も客足が戻らないなら、来年にはこの店もないかもしれないな……」
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生け簀に入った大量のタカアシガニは、この先いったいどうなるのだろうか。
「食べるためにとった以上、値引きしてでもすべてお客様に届けるつもりだよ。加工品にすれば全国配送もできる。そのために押し寿司やグラタン、シュウマイなどに加工する技術を開発したんだ」（同前）
この機会にぜひ〝幻のカニ〟を味わってみてはいかがだろうか。
<figure id="attachment_190597" aria-describedby="caption-attachment-190597" style="width: 2295px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="23144a25"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/07/c7b7d65e6ce93eb4e740e09ee54538be.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-190597" class="wp-caption-text">１匹で１〜1.5㎏ほどの身がとれるという。甲羅は本誌記者の顔より二回りは大きかった</figcaption></figure>
『FRIDAY』2021年７月９日号より

濱﨑慎治

静岡県駿河湾近郊でしか味わえない高級ガニ「タカアシガニ」が危機に瀕している。コロナ禍による観光客減少の影響で大量に売れ残り世界最大4mの巨体が生け簀にすし詰めになっているのだ。現地からルポする。

「幻の珍味」タカアシガニが大量売れ残りで危機の背景

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