永野芽郁「カワイすぎショートヘア」からあふれる抜群の存在感
なんだか新鮮!
現在公開中の映画『地獄の花園』の他、『キネマの神様』『そして、バトンは渡された』が公開待ち。永野芽郁(めい)(21)はいま最も売れている女優の一人と言っても過言ではない。だが、実は女優歴12年と意外にも下積みが長く、ブレイクしたのは’18年のNHK朝の連続テレビ小説『半分、青い。』がキッカケだった。
それ以降、『3年A組—今から皆さんは、人質です—』(日本テレビ系)など数々の作品でヒロインを演じ、新垣結衣(33)が結婚を発表した際には「ポスト・ガッキー」として名前が挙がるまでになった。新垣のように透明感のある女優だというのがその理由だが、芸能プロ幹部はむしろ「綾瀬はるか(36)に近い」と言う。
「宿泊先のホテルに化粧水などのアメニティがなくて、備え付けの石鹸で顔を洗ってカピカピになってしまい、メイクさんに怒られたり、清純というよりは天然。人懐っこい性格も綾瀬を彷彿とさせます。それでいて、いざカメラが回ると、そんな素顔を一切感じさせないくらいキッチリと演技をする。実にプロ意識の高い女優なんですよ」
天然なようで演技はキッチリ。本誌もつい先日、そんな現場に遭遇した。
6月のある休日、神奈川県内の駅前広場のベンチに一人で腰かけている女性がいた。ほどなくして金髪男が現れ、声をかける。しばらく言葉を交わすと女性は立ち上がり、男と歩き出した。
そしてもう一組――待ち合わせしていたと思(おぼ)しきこのカップルを、階段の陰からジッと見つめる男女がいた。「オカッパ頭」がなんだか新鮮な永野と、モジャモジャヘアが似合う三浦翔平(33)である。
三浦は耳にワイヤレスイヤホンをはめ、誰かと連絡をとりながらカップルに鋭い視線を送っている。そして三浦のすぐ後ろで永野はターゲットを目で追う。やがてカップルが広場を後にすると、永野たちも階段のウラから飛び出し、急いで後を追うのだった――。
7月ドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』(日本テレビ系)のロケである。ハコヅメこと交番勤務の警察官を演じる永野と戸田恵梨香(32)のW主演の〝交番エンターテインメント〟と銘打たれた作品だ。ちなみにこの日、戸田もロケに参加しており、広場付近の通路はヤジ馬でごった返していた。
だが、永野はそんな殺伐とした雰囲気にも動じず、両手を胸の高さにあげて腰をクイッ、クイッ! 上半身をほぐして本番に備える気合を見せた。撮影が一段落すると永野はスタッフから日傘を差しかけられ、椅子が用意された休憩所へ移動。フェイスシールドを着けてからようやく表情を緩め、スタッフたちと和やかに語らった。
キー局ディレクターが言う。
「バラエティ番組に番宣で出せばキッチリ笑いをとりますし、『地獄の花園』のようなコメディでヤンキーみたいにブチキレたり、ケンカアクションを見せることもできる。作品選びさえ間違えなければ、まだまだ伸びる女優ですよ」
ガッキー超え、期待できそうだ。
『FRIDAY』2021年7月16日号より
- 撮影:近藤裕介