2万人調査で見えた「ワクチン効果と副反応」のホントのところ | FRIDAYデジタル

2万人調査で見えた「ワクチン効果と副反応」のホントのところ

新型コロナワクチン「副反応」について、データをもとに専門家が解説する

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

ワクチン接種が進まない。「早く打ちたい」という声が上がる一方で「副反応が不安」という人も少なからずいる。明らかに根拠に乏しい「デマ拡散」が収まらないなか、先行接種した医療従事者役2万人のデータが発表された。このデータとともに、専門家にきいた「ワクチン副反応の真実」はー。

医療従事者、高齢者に続き、徐々に接種が進むワクチン。「発熱」「腕が痛い」など副反応の報道も多い。デマに踊らされないためには? 大規模調査のデータをもとに専門家が解説する

「発熱や痛みといった副反応は若い人のほうが出やすいというデータがあります。それでもワクチンを受けるメリットのほうが、断然大きいんですよ」

新型コロナに関する医療情報を発信している医師グループ「こびナビ」の副代表、木下喬弘医師は、こう断言する。

「新型コロナに感染すると、若い人でも重症化することはあります。高齢の方だけではありません。後遺症が残ったり足を切断した例もあるんです。新型コロナは感染しないに越したことはないんです」

コロナウイルスは、トゲトゲ(スパイク)のついた球状をしている。このトゲトゲが人間の細胞にくっついて細胞の中に入り、増殖していく。

「今、日本国内で使われている、ファイザー社、モデルナ社のワクチンはどちらも『mRNAワクチン』。これは、ウイルスのトゲトゲを作る設計図(mRNA)を油の膜で包んで作っているんです。これを接種すると、細胞の中でトゲトゲが作られていきます。トゲトゲを異物だと認識した免疫が反応して、抗体ができる。これがワクチンの仕組みです。

一方で新型コロナの『ウイルスそのもの』に感染すると、ウイルスの全体、約3万塩基からなる設計図が全部入ってくるんです。そして細胞の中で増殖して1個のウイルスが100万個くらいになる。どう考えても、起こることの気持ち悪さは感染のほうが大きくて、ワクチンは、ずっとましなんです」

ワクチンの副反応を心配する意見はこの「異物を入れる」ことへの抵抗も多い。が、たしかにワクチンより本物のウイルスのほうがずっと「気持ち悪い」。

「高齢者は、新型コロナに罹患して重症化する確率が高く、ワクチンの副反応は比較的軽い傾向がある。一方で若年層は、感染→重症化することがやや少なく、副反応が出る確率が高い。そのため『若者はワクチン接種するメリットがない』という誤解があるんです。

でも、これは単に比較の問題。高齢者におけるワクチン接種のメリットが『大きすぎる』のであって、若者にとっても『大きな』メリットがあるんですよ」

厚生省の調査によると、新型コロナに感染した人のうち、感染から半年たっても21%の人が倦怠感、11%が思考力・集中力の低下、9%が味覚障害などの後遺症を訴えている。

「罹患から半年以上経ちましたが、味覚障害が残っているので、漢方薬を飲んでいます」(30代女性)

というように、軽症から重いものまで、さまざまな後遺症に悩まされることになる。

「副反応で死亡」は、ほんとうか

「先日、総合科学ジャーナル「ネイチャー」から、mRNAワクチンの有効性が生涯続く可能性があるという論文が出ました(https://www.nature.com/articles/s41586-021-03738-2)。

一方、副反応で死亡したり、アナフィラキシーが起きて死亡するといった事例はこれまでひとつもありません」

日本の事例では、厚生労働行政推進調査事業費補助金を受けて順天堂大学が行った調査がある。ワクチン接種者の「最終接種4週後」までの安全性を確認した調査「新型コロナワクチンの投与開始初期 の重点的調査(コホート調査)第10版 」(2021/7/7現在)だ。(https://www.juntendo.ac.jp/jcrtc/about/results-of-activity/COVID19/covidresearch.html)。2万人調査すると0.015%(6700人に1人)発現する副反応疑いが、95%の可能性で捕捉できる(1万人なら0.03%、3350人に1人) という。

接種後、調子が優れないことは「想定内」

「ワクチン1回目を打ったら、その後2日間、熱が出て体調が悪くなりました。接種自体にたいした痛みはなく、なんの体調不良もなく20分を会場で過ごして帰宅、その日の晩も、打った場所がちょっと痛いなくらいでした。が、翌日から腕が痛くなって。打った箇所が固くなり、ちょっと動かすと激痛が走る。触るだけで痛い。身体ごと動かさないと左手が使えなくなりました。昼頃から37.6度の発熱。倦怠感。熱は翌日夕方まで続き、接種後4日後の朝まで、腕が動かせませんでした」(40代女性)

なかには、こういうケースもある。が、1回目の接種でこの副反応は珍しいようだ。先の調査によると、1回目の接種により37.5℃以上の熱が出た人は、2日目が2%と最も多く、1日目と3日目で1%未満。しかし2回目になると2日目が36%、38℃以上も20%と増加している。

その他、接種した部位には発赤、膨張、硬結、疼痛、熱感、かゆみといった副反応が起きており、それぞれ1回目で10%、疼痛は90%、かゆみは4%ほど出現している。頭痛、全身倦怠感といった全身反応も1回目で15%前後、2回目になると頭痛は48%、全身倦怠感は65%だ。鼻水も1回目に6%、2回目に11%出ている。

どの副反応も「接種から2日目」に最も出やすく、1回目より2回目接種時のほうが、割合が高く症状も重いというデータがでている。調査では、接種当日から8日目までの日毎のデータや年代別など、詳細なデータがあり、興味深い。

「これらの副反応は少し辛い場合もありますが、大きく心配する必要はありません。身体の免疫が反応している証拠ですから、むしろ『効いている』と喜んでいただいてもいいぐらいです。もちろん、副反応がなかったからといって免疫がついていないというわけではありません。

またアナフィラキシーを心配されるかたがいますが、接種会場には必ずアドレナリンが用意されています。症状が出たらすぐに接種して対応できるようにマニュアル化されていますから、それで死亡するようなことはまずないと考えてよいでしょう」(木下医師)

新型コロナウイルスの蔓延は続く。少なくとも、ワクチン接種の「デマ」に踊らされるようなことがあってはいけない。

自治体の接種で使用されている「ファイザー社」のワクチン。「COVID-19 mRNA」の文字が見える。この小さなアンプルに6回分のワクチンが入っていて、生理食塩水で薄めて使う。シンプルなデザインがかわいい…
注射器はもちろん、1回ごとに使い捨てる。接種会場には看護師、医師のほかにも大勢の係員がいて接種がスムーズに進むよう工夫がされている。すべて公費だ
  • 取材・文和久井香菜子

Photo Gallary3

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事