巨大土石流の襲来に備えよ! 日本全国5大警戒エリア | FRIDAYデジタル

巨大土石流の襲来に備えよ! 日本全国5大警戒エリア

ハザードマップで徹底解説

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「地球温暖化によって日本近海の海面温度が上昇し、大気中の水蒸気量が増加したことで、巨大台風や記録的な長雨などの異常気象が起きやすくなっています。台風が勢力を保ったまま、北海道まで襲来する時代なんです。雨を原因とする災害のリスクが全国的に高まっていて、熱海のような土砂災害はどこで起きてもおかしくありません」(『リバーフロント研究所』技術審議役の土屋信行氏)

本誌は急傾斜地や渓流地が密集し、危険な土石流が起こりやすい「5大警戒エリア」をマップ化した。以下、土屋氏の解説のもとひとつずつ見ていこう。

●岩手県盛岡市北部
現在も東日本大震災の余震の影響で地盤に亀裂が入り、そこに雨水が溜まっている。冬に雨水が凍結し、亀裂を広げることで、地盤の風化が早まっている。

●和歌山県下津港周辺
紀伊半島には台風が頻繁に襲来し、雨が集中して降りやすい。急傾斜地が市街地にも点在し、危険度が高い。

●島根県松江市周辺
南に位置する中国山地の土質は火山性でとても崩れやすく、危険エリアの数は全国トップ3に入る。

●高知県高知市周辺
県内は毎年のように1000ミリ超えの豪雨が降り注ぐ。高知市の市街地には警戒区域が密集している。

●鹿児島県桜島周辺
火山噴出物が堆積したシラス台地の上にあり、急傾斜地が多い。火山灰でできた地盤は雨水で非常に崩れやすい。

「国土交通省が制作した土砂災害のハザードマップは、実は未完成なんです。危険箇所に指定されると土地の資産価値が下がるため、地元住民が猛反発する。抗議をおそれて、マップを作成していない自治体が多いのです。今回の熱海のケースで、短期間の集中豪雨だけではなく、長雨でも土石流が起こることがわかりました。今後は水害や地震と同様に土砂災害のマップ作成を義務付けるべきです」(土屋氏)

もはや自然災害にこれまでの〝常識〟は通用しないのだ。

『FRIDAY』2021年7月23日号より

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