小山田圭吾、出版社、五輪組織委…いじめ辞任の「責任の行方」 | FRIDAYデジタル

小山田圭吾、出版社、五輪組織委…いじめ辞任の「責任の行方」

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東京五輪・パラリンピックで開会式の楽曲制作を担当するミュージシャンの「コーネリアス」小山田圭吾が、27年前の“いじめ自慢”で大炎上した。収集がつかなくなるほど炎は広がり、結果、7月19日に本人が辞意を伝えた。

炎上の発端は、「ロッキング・オン・ジャパン ‘94年1月号」と「クイック・ジャパンvol.3」で、小山田が小学校時代に障がい者の同級生を跳び箱の中に閉じ込めたり、マットレスでぐるぐる巻きにして窒息寸前にしたことを得意げに告白したことが取り沙汰され、批判が殺到。小山田は7月17日に

《とても愚かな自己保身であったと思います。学生当時、私が傷付けてしまったご本人に対しましては、直接謝罪をしたいと思っております》

などと声明を発表したが、時すでに遅かった。

18日に障害をもつ人の権利擁護と政策提言を行う「全国手をつなぐ育成会連合会」が公式サイトで小山田の件についての見解を発表。

《あれだけ露悪的なインタビューが公表されているにも関わらず、なぜ小山田氏が自身を『いかなる差別も禁じる』としている五輪憲章を掲げるオリンピック、そして障害者アスリートの祭典であるパラリンピックの楽曲提供を担当するに相応しいと考えたのか、理解に苦しみます。同様に、そのような小山田氏を起用し、今般の事案を踏まえても留任させる決断をしたにも関わらずまったく公式な説明を行っていない東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会には、重い説明責任があります》

と言及した。

最後までゴタゴタ続きの東京五輪だが、今回の問題の責任はどこにあるのか? 当事者・小山田、掲載した出版社、キャスティングした組織委…時代的な背景といった抽象的なものを除くならこの3者になるわけだが、知人や家族でこの話題となると、答えが異なるのではないだろうか。

まずは大多数が“主犯”と声を揃えるであろう小山田。音楽関係者は

「今回の内容は初見ではなく、10年以上前から物議を醸していました。その時に謝罪するなり対応していれば、また違ったと思います。東京五輪に関わることになったから一気に拡散され、その内容もいじめを越え、傷害レベルだったことで世間の反発を買いました。本人が過去を清算してこなかった部分が大きいように思います」

と指摘する。他方で

「この年代は掲載前にインタビュー内容を本人に見せるゲラチェックがなかった時代。本人としても『ニュアンスが違う』という部分はあったかもしれません」(スポーツ紙記者)

という声もある。

次は版元の出版社だ。18日には「ロッキング・オン・ジャパン」のインタビュアーで編集長だった山崎洋一郎氏が公式サイトで謝罪文を発表したが…。出版関係者はこう話す。

「山崎氏は当時カリスマ的人気を誇った小山田を“一本釣り”したことで名物編集者になりました。当時社内でイケイケだった山崎氏に鈴をつけられる人間がいなかったツケが回ってきたということでしょう」

最後は五輪組織委員会。小山田のいじめ問題は前記の通り、起用の検討がされていたときには知られた話だった。キャスティングの際に調べればすぐに気づくはずなのに、組織委はそれを怠った。スポーツ紙五輪担当記者が“実情”を明かす。

「森喜朗前会長が辞任したり、スタッフが自死したり、次から次へと問題が降りかかったことで指揮系統はパンクし、組織として機能不全に陥っています。全員が五輪成功のために同じ方向を向いているわけではなく、いかに失点しないか、責任を回避するかに執着している。小山田さんのキャスティングも組織委は『知らなかった』の一点張りで、代理店に責任をなすりつけています」

小山田の大炎上は起こるべくして起こった…というのが正しいのかもしれない。

  • 写真ゲッティ/共同通信イメージズ

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