「魔女宅」から7年…小芝風花が韓国ドラマのリメイクにかける想い | FRIDAYデジタル

「魔女宅」から7年…小芝風花が韓国ドラマのリメイクにかける想い

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撮影:加藤岳
撮影:加藤岳

小芝風花といえば、2014年公開の映画『魔女の宅急便』で主人公・キキを演じ、一躍時の人となった女優だ。スクリーンデビューながらもその堂々とした演技を見て、ご多分に漏れず筆者も心を掴まれた。

屈託なく笑う16歳らしいその表情、顔をクシャクシャにして泣くその姿……、今でも“キキ”としてスクリーンの中で動き回っていた彼女の姿を鮮明に思い出すことができる。

あれから、7年。当時16歳だった彼女も今や24歳。多くのドラマ、映画、舞台、CM、ナレーション、さらにはバラエティにと各方面から引っ張りだこである。それも単に彼女のひたむきな姿勢、努力を惜しまない人間性、そしてその愛くるしさに、出会った人たちがメロメロになってしまうからだろう。

「ポジティブって思われがちですが、結構ネガティブな面もあるんですよ。誰にも求められてないんじゃないか、とか思う時もあって(笑)。共演者の先輩に慰めてもらったり、相談に乗っていただいたりすることも多いです。でも、このお仕事が好きなので、どうせやるなら楽しんでできたらいいなって。それに、今回みたいなインタビューの時は、インタビュアーさんにも楽しかったって思ってもらえたら嬉しいので(笑)」

……はい、やられました。めちゃくちゃ楽しかったです。

筆者も人間である。この仕事を続け20年近くになるが、初めて言われたそんな言葉に舞い上がってインタビューをしていたことは言うまでもない。彼女が愛される理由が分かった気がする。

と、これ以上私語りが長くなると各方面から怒られる気がするので、話は今彼女が主演を務めているドラマ『彼女はキレイだった』へ。原作は韓国でMBC演技大賞10冠に輝き、中国でもリメイクされた大ヒット作品。“初恋のすれ違い”を描いたラブストーリーだ。その中で小芝風花は、幼少期は美少女だったが成長とともに残念女子に変化し、無職で親友の家に居候させてもらっている佐藤愛を演じている。

「愛を演じられることがすごく楽しいです。この作品への出演が決まり、原作のドラマを拝見したのですが、自分が演じるということを忘れるくらい夢中になってしまって。一気見しちゃいました(笑)。一話で、佐久間由衣ちゃん演じる桐山梨沙にリップを塗ってもらうシーンがあったのですが、演じていてニヤニヤが止まりませんでした。原作でも特に好きな場面だったから、実際に自分が演じられていることが嬉しくて」

撮影:加藤岳
撮影:加藤岳

原作のファンになったと公言する一方で、役作りについてはかなり悩んだ部分もあったのだとか。

「原作を好きになってしまったので、そちらに引っ張られないようにということをとても意識しながら演じています。もちろんリスペクトしていますし、台本もすごく忠実に作られているので大事にはしたいのですが、日本人のこのキャストだからできる世界観を大切にしたいなって。紙谷楓監督や長谷部宗介を演じている中島健人さんともそうお話しさせていただいて。なので、原作は一度見ただけですが、その時の感覚を大切にしながら佐藤愛を演じています」

紙谷監督とはどんな話を?

「ドラマの撮影は、物語の順を追って撮影しているわけではないので、そのシーン毎の心の機微についてお話しさせていただくことが多いです。このドラマは、愛が幼馴染みの宗介と再会するところから始まるのですが、それがやがて親友、同僚の先輩を巻き込んだ四角関係へと発展していきます。

なので、誰とどこまで感情が近づいているのか、そういった部分に関しては撮影前に毎回確認をするようにしていて。監督も、ちょっとした表情でもそこに違和感を感じたらテイクを重ねてくださるので、安心してお任せすることができています」

自分の容姿に自信を持てない愛と合理的で超成果主義の宗介、赤楚衛二演じる何かと愛を助けてくれるムードメーカーの樋口拓也、そして美人でファッションセンス抜群の梨沙。この四角関係の中、小芝風花自身が恋に落ちるとしたら?

「え、梨沙がいいです(笑)。もし彼女が男だったら、サッパリしているし愛情深いし、何よりビジュアルが好きです。すごくスタイルが良くて、どんな衣装でも着こなす彼女は、女性から見てもカッコいいなって。でも天然な部分もあって、そこが可愛らしくて」

これは完全に筆者の聞き方が悪かった。確かに“この中で”と言ってしまった以上、梨沙をカウントされても文句は言えない。そして男性陣、玉砕(笑)。

「宗介さんが書類を叩きつけるシーンとか、めちゃくちゃ腹が立ちませんか!? 愛のことを“総務部”って呼ぶんですけど、そういう人は絶対に嫌です。優しい人がいい(笑)。でも、4話に向けて、宗介さんと愛の距離が恋愛的というより、人としてちょっと解れていくんです。彼の人間味溢れる部分も出てきて、新しい展開になっているので、そこの辺りからでしたら考えなくもないかもしれません(笑)」

撮影:加藤岳
撮影:加藤岳
撮影:加藤岳
撮影:加藤岳

今は女優としての道を邁進する小芝風花だが、幼少期はフィギュアスケーターとして活動していたことでも知られている。

「フィギュアスケートを滑っている選手のCMを見て、オーディションに応募したのがこの世界に入るキッカケでした。当初は、上京してもスケートを続けられると思っていました。シングルを5年間やっていて、最後の1年はアイスダンスも始めていて。せめて、アイスダンスだけでも続けたいと思っていたのですが、事務所のレッスンの時間もあり、両方片手間ではできない厳しい世界だなってことに気付いて。大勢の中から私を選んでくださったのだから、こちらを頑張りたいなと思い、今に至っています」

芸能生活10年目の節目となる今。フィギュアスケーターの道を選ばなかった当時の自分から見て、今の“女優・小芝風花”はなりたかった大人になれているのだろうか。

「20歳を過ぎたら勝手に大人だと思っていたのですが、当時と今、精神面や考え方はあまり変わっていなくて(笑)。ただ、このお仕事が大好きで、年々やりがいを感じています。任せていただける役柄も変わり、お仕事をご一緒させていただいた方から、もう一度今度は違う役で演技を見たいと言われることも多くなり。この10年間頑張ってきてよかったなって素直に思えます。もし今の自分に点数をつけるとしたら、伸び代も含めて70点くらいかな(笑)」

正直、伸び代換算しても70点は良い意味で納得がいかない。だが、その謙虚さも彼女の魅力のひとつなのかもしれない。仕事が大好きだと語る小芝風花だが、人生、楽しいこともあれば辛いこともあったはず。ふと気になり、彼女が人生で一番落ち込んだ出来事を聞いてみた。

「本当に演じたかった役が演じられなくなってしまった時は、大泣きしました。母に話しながら泣いていたら、ティッシュが子供用のサッカーボールくらいの大きさになっちゃって(笑)。やっと掴めたと思ったものがダメになってしまった時の経験は忘れられません。

でも、変なところで負けん気の強いところもあって、オーディションに落ちてしまった時も、“あの時、小芝を選んでおけばよかった!”って思ってもらえるくらいの女優になってやるって(笑)。本当に辛くてギャン泣きしましたけど、もっとお芝居を頑張るって思える原動力にもなっています」

10年という月日は決して短くはないが、彼女はまだ24歳。これから先、長く続く女優人生に幸あらんことを願いつつ、最後に彼女のプライベートの話も聞いてみた。撮影が続く中、忙しい毎日を送る小芝風花がいまハマっているものとは?

「ここ2年くらい、ギターにハマっています。趣味で始めたんですけど、すごく楽しくて。熱中し過ぎて、指にタコができちゃいました(笑)。弾き語りをすると、ストレス発散になるし、息抜きにもなるし、良いことづくしです。

いま使っているギターは、甲斐よしひろさんからいただいたもので、甲斐さんの曲をはじめ、あいみょんさんやbuck numberさんを弾いています。ギターを始めた頃、最初に練習したのは長渕剛さんの『巡恋歌』でした。母の影響で大好きになったのですが、今でも家で母とお酒を飲んで酔っ払ったりすると、リビングにギターを持って行って、一緒に歌っています(笑)」

長渕剛、甲斐よしひろが好きな24歳の美少女は、ある意味稀有な存在だ。小芝風花を見ていると、元気になれるというよりも“自分も頑張ろう”と思える。どんな相手でもその懐にするりと入り込む、そんな彼女の心地良い魅力がこの記事を通して少しでも伝えられることを願って。

撮影:加藤岳
撮影:加藤岳

小芝風花に5つの質問

Q1あなたが人に自慢できることは?
A1周りの人に恵まれていること
思い返すと、現場に行くのが楽しいって思えるスタッフさん、共演者の皆さんに囲まれているなって。そういう環境に自分が置かれることが多いので、もしかしたら人を引き寄せる運の良さはあるかもしれません(笑)。

Q2今、プレイリストに入っているお気に入りの音楽は?
A2君の恋人になったら
ギターで弾ける曲を探していた中で見つけたのが、buck numberさんの『君の恋人になったら』でした。最初に聴いた時、この曲の可愛さに一瞬で好きになってしまって。あと、『高嶺の花子さん』もギターで弾きやすい曲だなと思ってよく聴いています。他にはAdoさんも聴きます。『ギラギラ』とか『レディメイド』とか、大きい声を出すとストレス発散にもなるので、よく口ずさんでいます(笑)。

Q3影響を受けた作品は?
A3『ロマンスドール』
高橋一生さんと蒼井優さんが出られている作品なのですが、蒼井さんのきめ細やかなお芝居に憧れていて、最近ではこの作品が一番のお気に入りです。その役としてちゃんと画面の中に存在している姿はカッコいいなって。この映画を観て、こういうお芝居ができたらいいな、観てくださる方に色々な感情を届けられたらいいなと思いました。

Q4毎日していることはありますか?
A4ネットショッピング
最近、ネットショッピングが捗っています(笑)。洋服の趣味が変わってきたこともあって、衣装で黒いお洋服を着る機会が多かったせいか、モノトーンにハマっています。お洋服を見ては買い物カゴにとりあえず入れてみたり、「いいね」を押したり。先日もセットアップをポチったのですが、今から届くのが楽しみなんです(笑)。

Q5好きなタイプは?
A5穏やかな人
面白くなくてごめんなさい(笑)。思いやりがあって、気遣いができる人。あと、ちゃんと自分のことを好きでいてくれる人がいいです、自分に自信がないので(苦笑)。周りに素敵な人がいすぎるから、「なんでそんなに私のことが好きなんだろう?」って思えるくらい、たくさん好きでいて欲しいな(笑)。

撮影:加藤岳
撮影:加藤岳

小芝風花(こしば・ふうか)
1997年4月16日生まれ、大阪府出身。
2011年『ガールズオーディション2011』にてグランプリに選ばれる。
2014年、初主演映画『魔女の宅急便』でスクリーンデビューを果たし、第57回ブルーリボン賞他、新人賞を受賞。ドラマ、映画、舞台、CM等活躍は多岐に渡る。主な出演作に、朝ドラ『あさが来た』、ドラマ『トクサツガガガ』や『美食探偵 明智五郎』、『妖怪シェアハウス』、映画『天使のいる図書館』などがある。
現在は、『彼女はキレイだった』で主演を務めている。

撮影:加藤岳
取材・文:小室麻衣
構成:SUPER MIX

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