「小山田圭吾」騒動で、飛び火した人、炎上した人、株を上げた人… | FRIDAYデジタル

「小山田圭吾」騒動で、飛び火した人、炎上した人、株を上げた人…

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専門家が考察する「炎上」と「謝罪」

7月14日、東京オリンピックまであと10日もないというのに、組織委には激震が走ったことだろう。満を持して発表した開会式の作曲担当である小山田圭吾氏が、あろうことか25年以上も前の記事が原因で炎上したのだ。 

問題となったのは『ROCKIN’ON JAPAN(1994年1月号)』と、翌年『Quick Japan(95年vol.3)』に掲載された“いじめ告白”インタビュー記事だ。 

本誌をふくめて多くのメディアが“いじめ告白”と柔らかい表現で報じているが、中身は障害者である同級生を全裸にしたり、排泄物を食べさせたり、人前で自慰をさせたりと犯罪そのもの。それを自慢気に語っていた口調だったことから、“障害者いじめ自慢”として多くの国民から「ノー」を突きつけられた格好だ。 

これに対し、組織委は当初「現在は高い倫理観を持っている」などと小山田氏を擁護し、小山田氏自身も反省文をTwitterにアップするなどして消火に務めたが、炎上は収まらず、結局は炎上から5日後の19日に辞任することとなった。 

小山田氏は過去にこの問題で何度も批判が繰り返されており、同氏がEテレで音楽を担当しているNHKでは、『デザインあ』放送開始後の2011年と17年に視聴者からも問い合わせがあったほどだという。 

しかし、所属事務所が「本人が反省している」と釈明したため、問題にはしなかったという。このようにして小山田氏は内々には反省の意を示しつつも、それを公の場で発表することはなかったようだ。 

さて、そうやって過去の炎上を謝罪しなかった結果、何が起きたのかを振り返ってみたい。 

小山田圭吾さんがいじめを告白した記事を掲載した、1994年1月発行の音楽誌『ロッキング・オン・ジャパン』(写真:共同通信)

各出版元が謝罪を発表

まずは問題のインタビューを掲載した各出版元が謝罪することとなった。

『ROCKIN’ON JAPAN』出版元のロッキング・オン・ジャパンは、当時のインタビュアーを務め現在は編集長である山崎洋一郎氏が謝罪文を公式サイトで発表した。

続いて『Quick Japan』出版元の太田出版も謝罪文を岡聡社長の名義で発表した。

問題の記事を掲載していた出版社が謝罪するのは当然のことと言えるが、今回の炎上では別の会社も謝罪している。それがシンコーミュージック・エンタテイメントだ。

同社は月刊音楽誌『GiGS(ギグス)』の1996年2月号に掲載されていた小山田氏のインタビュー記事に「倫理観に欠ける不適切な表現があった」として謝罪した。

炎上の原因となった障害者いじめ自慢のような内容ではなかったものの、火が燃えうつってくる前に手を打った形だと言えるだろう。

もしかしたら、もう2、3社、不適切な記事が掲載されていたとして謝罪する出版元が出てくるかもしれない。

小山田氏の音楽はテレビで放送できない状態に

続いてはテレビへの影響だ。前述のNHKのEテレ『デザインあ』にくわえて、同『JAPANGLE』も小山田氏が楽曲を担当していたため20日の放送が見合わせとなった(別の番組へ差し替え)。

また、テレビ東京系連続ドラマ『サ道 2021』も小山田氏が主題歌を担当していたため、こちらは主題歌の差し替えが行われることとなった。

もはやしばらくは小山田氏の楽曲はテレビで流せない状況だ。

小山田氏を擁護した知人も炎上 

そして小山田氏炎上の影響は本人だけにとどまらない。2人の知人も炎上している。

ひとりは小山田氏が所属するバンド『METAFIVE』のメンバーで、NHKのEテレ『ムジカピッコリーノ』音楽監督のゴンドウトモヒコ氏だ。

ゴンドウトモヒコ氏は小山田氏の1回目の謝罪文に対して、「偉いよ小山田くん。受け止める。いい音出してこう!!!!!寧ろ炎上なんか〇〇喰らえ。」と擁護する引用リツイートをして、炎上した。

とくに「〇〇喰らえ」の部分は、炎上の原因となった障害者いじめのなかに「排泄物を食べさせる」という内容があったため、「あれをかばうのか」とゴンドウ氏自身も批判されることとなった。

その後、ゴンドウトモヒコ氏は「余計な一言のために油に火を注ぐようなことをして大変申し訳ありませんでした(原文まま)」と謝罪した。

もうひとりは小山田氏のいとこである田辺晋太郎氏だ。田辺氏は小山田氏の辞任を発表するニュースを取り上げ、「はーい、正義を振りかざす皆さんの願いが叶いました、良かったですねー!」とTwitterでコメントした。もちろん炎上した。

この件では本人が炎上するだけではなく、過去に田辺氏を広告に起用していたヤマサ醤油が、同社サイトに田辺氏を掲載したコンテンツが残っていたことを理由に「ご不快な思いやご懸念を抱かせてしまったことにお詫び申し上げます」と謝罪。

さらには田辺氏と業務委託契約を締結しているサンミュージック出版も批判を受け、謝罪することとなった。

両者ともに「油に火を注ぐ」かたちで自ら燃えにいき、関係者にも迷惑をかけた格好だ。

延焼に次ぐ延焼

小山田氏の炎上はこれで決着かと思いきや、五輪の参加メンバーにも延焼している。

同氏の辞任が決まったあと、東京五輪の公式文化プログラム「東京2020 NIPPONフェスティバル」に絵本作家ののぶみ氏が参加しているとネットで騒ぎとなったのだ。

のぶみ氏は不良グループ池袋連合の総長を務めたことがあり、逮捕歴も過去33回あると豪語している人物だ。

そんなのぶみ氏の東京五輪への参加がわかりネットユーザーは騒然としたが、炎上レベルにまで批判が広まる前に同氏は自ら辞任して幕を引いた。組織委よりかなりリスクマネジメント能力が高いと言えそうだ。

謝罪は早い方が得をする

今回の小山田氏の炎上の事例は、これまでに何度も謝罪する機会があったにもかかわらず、それを放置した結果、東京五輪という晴れ舞台が台無しになったというものだ。

自分が批判されるだけならまだしも、関係各社にも迷惑がかかっていることを考えると、炎上は小さいうちに急いで消火した方がお得と言えるだろう。

今回の事例でも、契約が過去のものであっても騒がれる前に謝罪したヤマサ醤油には、評価の声が挙がっている。

とくに謝罪文のなかで「弊社は『公正・公平であること』を企業行動規範に掲げており、あらゆる差別やいじめ、虐待などの人権侵害について、これを容認するものではありません。」と、小山田氏のいじめを否定したことは世間からの評判が良い。

炎上はそもそもしないようにすることが何よりも重要だが、してしまった場合の対応速度の違いで被害の大きさが変わることを著名人や企業は肝に銘じておいた方が良いだろう。

  • 篠原修司

    1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりインターネットを中心とした炎上事件やデマの検証を専門にフリーランスのライターとして活動中。

  • 写真共同通信

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