たけし、鶴瓶…芸能界も賛否の五輪開会式「気になるお金の使い方」
新型コロナの影響で1年間延期されていた東京五輪の開会式が、7月23日に行われた。
組織委員会のお友達人選の影響か“身体検査”が甘く、不適切な言動などで何人もが直前で辞任することになった。
いじめ自慢で辞任した小山田圭吾が担当していた約5分間のオープニング部分は使用できなくなり、急きょ音楽プロデューサーでDJの田中知之氏がわずか4日間で作り上げたという。
その努力には同情するとして、しかし開会式の演出には芸能界からも辛らつな声が寄せられている。
デーブ・スペクターはツイッターで、
《7年間準備して、これ?》
と投稿。“ひろゆき”こと西村博之氏は出演したネット番組の中で、
「なんかフツーにダンスして終わりみたいなのが、“お金かかってない感”が伝わってきちゃって」
とコメント。
さらに行進の曲に使われたゲーム音楽についても、
「ドラゴンクエストって日本以外であんまり売れてないですよね」
と指摘した。また、有観客での開催を推していたデヴィ夫人は、
《史上初の最低最悪な東京オリンピック開会式。なんと悲しい、淋しい、地味、簡素 想像、飛躍力ZERO オリンピック組織委員会は一体過去8年間に何をしていたのか…開会式が目玉なのに》
とツイッターで批判した。
極めつけはビートたけしだ。24日に放送された『新・情報7days ニュースキャスター』(TBS系)の中で、
「金返してほしいですよね。税金からいくらか出ているだろうから、金返せよ。外国に恥ずかしくて行けないよ」
とバッサリ。さらには、
「いかにバカだったのかわかるでしょうね、日本は」
とかなり辛辣な意見を述べていた。
だが、芸能界では批判ばかりではなかった。
笑福亭鶴瓶は25日放送のラジオ『日曜のそれ』(ニッポン放送)で、開会式直前での辞任劇が続いたことを踏まえ、
「よう頑張りましたね。もうちょっとちゃんとできひんのかってなるかと思ったら、一生懸命頑張ってたし、感動しました」
と高い評価を与えていた。
また、脳科学者の茂木健一郎氏はツイッターで絶賛のコメントを連発。特に歌舞伎十八番のひとつである『暫』(しばらく)で“にらみ”を見せた市川海老蔵について、
《これで疫病退散! 超人的な救世主の話。いかにもこのオリンピックにふさわしい!》
と満足気だ。
「芸能界でもこれだけの賛否両論があるくらいですから、当然、国民の意見も割れていますね。ただ、開会式を表面的に見ただけだと、地味に感じた人は多いようです。そこはやはり直前の辞任が続いたドタバタの影響や、予算の面もあったように思います。しかしコロナ禍で延期され無観客で試合をする選手の思い、さらに医療従事者などへ感謝などバックグラウンドを考えると感慨深いものはありますね」(スポーツライター)
ちなみに、“渡辺直美のブタ演出”を提案していたことが報じられ辞任したクリエーティブディレクターの佐々木宏氏は、当時の謝罪文の中で、
《五輪とパラリンピックの4式典を当初の5分の1の“10億円”でやるよう言われた》
と明かしている。それに対し組織委の武藤敏郎事務総長は
「執行する受託会社の予算の範囲内で運用されている」
と述べるにとどめている。要するに165億円の予算があったのに“10億円でやれ”という命令があったとすれば、“差額はいったいどうなったのか?”という疑問がわいてくるのは当然のことだろう。
とにかく異例だらけの東京五輪は幕を開けた。果たして、歴史はこのオリンピックをどう評価するのだろうか……。
- 撮影:山田宏次郎