不倫ドラマでジャニーズ、乃木坂卒業生が活躍する理由とは | FRIDAYデジタル

不倫ドラマでジャニーズ、乃木坂卒業生が活躍する理由とは

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『ただ離婚してないだけ』で不倫する主人公を演じるKis-My-Ft2の北山宏光。アイドルとはかけ離れたクズ男を演じ、話題になっている

今年に入って不倫ドラマが深夜に移動

7月も終わりが近づき、夏ドラマが出そろいつつある。今夏の作品は東京オリンピック開催の影響で、「医療・刑事の安定路線」と「ラブコメで若年層狙い」の2極化。「似たようなものばかり」という声もあがる中、第1話から早くもネット上にツイートが飛び交う作品がある。

その2作とは、『ただ離婚してないだけ』(テレビ東京系)と『サレタガワのブルー』(MBS・TBS系)。どちらも深夜帯に放送されている不倫をモチーフにした物語であり、しかも前者はKis-My-Ft2・北山宏光、後者は乃木坂46を卒業したばかりの堀未央奈が不倫に溺れる主人公を演じている。

ネット配信での視聴数では『ただ離婚してないだけ』が「テレビ東京の歴代2位」を記録。原作漫画の人気が高い『サレタガワのブルー』も、堀とダブル主演を務める犬飼貴丈のファンを中心に視聴数を伸ばし、見逃し配信再生回数が「MBSの歴代1位」を記録した。

不倫ドラマは、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』(フジテレビ系)、『同窓生~人は、三度、恋をする~』(TBS系)、『紙の月』(NHK)らが話題を集めた2014年以降、2015年の『美しき罠〜残花繚乱〜』(TBS系)、2016年の『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)、2017年の『あなたのことはそれほど』(TBS系)、2018年の『あなたには帰る家がある』(TBS系)、『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした〜』(フジテレビ系)、2019年の『偽装不倫』(日本テレビ系)、2020年の『知らなくていいコト』(日本テレビ系)、『恋する母たち』(TBS系)と、毎年ゴールデン・プライム帯で放送されてきた。

しかし、今年はここまでゴールデン・プライム帯の不倫ドラマが放送されていない。一方、上記2作以外でも比嘉愛未が主演を務める『にぶんのいち夫婦』(テレビ東京系)が放送されるなど、不倫ドラマの主戦場が深夜ドラマに移っていることがわかるだろう。

なぜ不倫ドラマは深夜帯に映り、男女人気アイドルが主演を演じているのか。

原作漫画の過激化で深夜にフィット

昨年はコロナ禍の影響で、シリアスな世界観の作品が軒並み不評だった。ゴールデン・プライム帯は、あの『半沢直樹』(TBS系)ですら笑いを誘う演出を多用。また、『恋はつづくよどこまでも』『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)のような癒しを感じさせるラブコメが人気を集めた。

実はドラマ業界では以前からその兆候があると言われていたが、コロナ禍で「ドラマからストレスを受けたくない」「ドラマくらい笑えたり癒されたりするものであってほしい」という気持ちが顕著になり、それが今夏まで続いている。

一方で前述した2作の不倫ドラマは、ともに漫画原作の実写化だが、ネットアプリで読む人が増えたこともあって過激さがヒートアップ。不倫に至る経緯も、当事者たちの関係性も、性的な描写も生々しく、それが繰り返されるため、ゴールデン・プライム帯より深夜帯にフィットする漫画が増えているようだ。

実際、『ただ離婚してないだけ』の主人公・柿野正隆(北山宏光)は、妻の雪映(中村ゆり)に見向きもしない一方で、夏川萌(萩原みのり)と自宅や旅先での不倫を重ねていく。さらに正隆は自分の子を妊娠した萌に堕胎させたあげく連絡を無視するなどのクズ男ぶりを見せている。しかも漫画の萌は17歳の設定であり、いかに過激な不倫の設定かがわかるだろう。

『サレタガワのブルー』も田川藍子(堀未央奈)が夫・田川暢(犬飼貴丈)の前では、かわいくて優しい理想の妻を演じながら、裏では上司・森和正(岩岡徹)と職場不倫を繰り返している。第1話では、夫に「終電も無くなっちゃうけど、ここが踏ん張り時!藍子お仕事頑張る!」とメールしつつ不倫相手とベッドの上にいるというシーンがあった。その他にも職場で濃厚なキスを交わすシーンなどもあり、やはり深夜帯にフィットする過激な設定が目立つ。

アラフォー、卒業というタイミング

では、なぜジャニーズと坂道グループという人気アイドルが不倫ドラマに出演しているのか。その理由は、起用する側と起用される側の両方にメリットがあるからだろう。

まず起用する制作サイドのメリットは、普通のイケメン俳優や美人女優よりアイドルのほうがインパクトは大きく、話題性という意味で期待できるから。そもそもアイドルには熱狂的なファンが多く、ネット上の動きも活発なため、一定の数字を稼ぐだけでなく宣伝効果も計算できる。とりわけ深夜ドラマは配信数を稼ぐことが求められるようになったことが、“不倫×アイドル”という組み合わせが選ばれる最大の理由につながったようだ。

一方、起用される側のアイドルにとっては、演じる役の幅を広げ、イメージチェンジを図ることが可能。純粋で一生懸命、明るくさわやか……などのアイドル像から最も離れられるのが不倫ドラマであり、そのことは北山と堀が不倫される側ではなく、不倫する側を演じていることからもわかるだろう。

北山は今年9月で36歳を迎えるなど40代が見えてきた年齢であり、俳優としては役柄の幅を広げなければいけないタイミング。堀は今年3月28日に乃木坂46を卒業し、女優業の本格化を進めている最中であり、アイドルからの脱皮が急務となっている。深夜ドラマだからこそベッドシーンや強烈なセリフが多いだけに、今回の役は2人にとってターニングポイントになるのではないか。

  • 木村隆志

    コラムニスト、テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。ウェブを中心に月30本前後のコラムを提供し、年間約1億PVを記録するほか、『週刊フジテレビ批評』などの番組にも出演。各番組に情報提供を行うほか、取材歴2000人超の著名人専門インタビュアーでもある。1日のテレビ視聴は20時間(同時視聴含む)を超え、地上波全国ネットのドラマは全作品を視聴。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』など。

  • 撮影高塚一郎

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