支持率3割でも「100代総理大臣になりたい」菅のしがみつき政権 | FRIDAYデジタル

支持率3割でも「100代総理大臣になりたい」菅のしがみつき政権

東京五輪で感染者2824ショック。それでも「選挙に勝てる」自信の謎

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東京都の1日の感染者数が「2848人」になった。「感染拡大 東京4日連続で1000人超え」こんな報道があったのは7月18日のこと。それからたった10日で、予想を大きく超えた。21日、開会式に先立ち福島県でソフトボールの試合が行われた。この日「8月中旬に第3波超え。東京で2600人」という「予測」が発表になった。が、それよりもずっと早く、史上最多の感染者数が確認されたのだ。

新型コロナの感染拡大が止まらないなかでの五輪開催となってしまった 写真:ロイター/アフロ
新型コロナの感染拡大が止まらないなかでの五輪開催となってしまった 写真:ロイター/アフロ

金メダルが取れたら国民はコロナを忘れる

「東京オリンピックが開会し、日本が金メダルで湧くようになれば国内の空気は大分変わるのではないか」(首相周辺)

開会式直前に「発覚」した大会関係者の過去が炎上、辞任、解任があって、世間の目が結果的に「はぐらかされてしまった」数日間があった。国民にとっては痛恨の、政権にとっては神風のような「空白」だったかもしれない。

一瞬、批判の風が止んだと感じたのだろうか。菅首相は、開会直後に柔道60キロ級で金メダルを獲得した高藤直寿選手に「直電」というパフォーマンスを敢行。が、原稿棒読みがバレて支持には繋がらなかった。

19日から5日連続で記者の取材に応じるというパフォーマンスもあった。このときの発言も今は虚しい。

「新型コロナウイルス感染症については東京都と連携しながらしっかり対応していきたい。特にワクチン接種に力を入れていきたいと思っております。(国民の命は)守れると思っています。今日も(新規感染者は)1000人を超えていますけども、65歳を超える重症化が一番多いと言われる高齢者の皆さんの感染は4%を切っていますから。そこについては数字にしっかりと現われていると思います」

この首相の「分析」に対し、都内拠点病院の医師はこう言う。

「高齢の重症者は少なくなりましたが、40代、50代の入院患者が日増しに増えています。そもそも、感染が拡大すれば入院患者は増えてベッドが埋まっていきますから、医療は逼迫します。新型コロナ以外の患者さんは押し出されてしまう。これも、たいへんなリスクです。

ワクチンは重症化を避けますが、一定数感染はしますし、感染させてしまうことはある。首相らは、見て見ぬふりをしているのではないでしょうか」

この医師は、ワクチン効果が「社会的に」現われるのは今年の11月~12月と予測し、それまでは「東京で5000人規模の感染拡大の可能性もある」と指摘している。新型コロナウイルスの猛威はまるで楽観できる状況ではないという。

支持率が、どんどん下がっていく

菅首相の「楽観」を見抜くように、五輪開会式の週末、日経・テレビ東京の菅政権支持率は34%。前回調査に比べ9ポイントもの下落で、同社調査の過去最低を更新した。

閣僚を経験した有力代議士が言う。

「7月9日~10日の時事通信調査ではついに支持率3割を切り『29.3%ショック』といわれた。毎日や東京新聞といった政権に厳しいメディアではないから、ショックは大きかった。ワクチンを打ちまくれば政権支持は上がると思っているのはどうも間違いで、国民は科学的防疫、具体的な生活様式のあり方を求めていると、はっきりしてしまった」

要は「国民に見切られた」ということなのだ。思うように支持率が上がらない菅は、21日、会見でついにキレてしまった。

(記者)オリンピック、パラリンピック関係者は国民と動線が異なるから安心だと総理は言ったが、そうなっていないという報道がある。バブルが機能していないのではないか?

「あの、それはIOCにもしっかり対応してほしいと思いますし、組織委員会と連携して、そこはしっかり守っていきたい」

(記者)五輪バブルが機能していなかったことは認めるのか?

「ちょっとルール、守ってください!」

ここで内閣広報官が割って入り、怒気をはらんで質問者の社名氏名を促す。菅首相は、内閣広報官の小野日子に向かい、「はっきり言ってください」と不快感をあらわにした。しかし、なおも食い下がる記者。

(記者)動線が一緒になっていたことを認めるか?

「徹底するように言ってますんでIOCのルールの中にもありますからしっかり徹底できるようにしたいと思います」

中身がない。結局しどろもどろの答えに終始し「菅は会見で、記者に切れた」という印象だけが残った。そして、秘書官を大声で怒鳴りつける荒れようだったのである。

妙な自信を見せつける理由は

開会式当日、菅首相はファイザー社のアルバート・ブーラ最高経営責任者(CEO)と東京・元赤坂の迎賓館で朝食を摂りながら会談した。ワクチン確保は、進んでいるのだろうか。

26日発売の月刊誌インタビューでは、

「コロナ禍の五輪開催には自信があった」

また、総選挙の勝敗ラインについて

「私は欲張りだから

と、意味不明の自信を見せていた菅。菅政権のコロナ対策、経済対策をもってすれば選挙に勝てると確信しているのである。

感染拡大は止まらない

五輪を強行し、開催にこぎつけた現政権。メダルは喜ばしい。けれども、例えばスタッフ用の食事の大量廃棄に国民は心を痛めている。東京には、今日食べるものがない人もいる。五輪のために、寝場所を追われた人もいる。そして、感染の拡大が不安だ。もし自分や家族が感染したとき、医療を受けることができるのか。

「菅さんは、なんとしても第100代総理大臣になりたいのです」(自民党幹部)

第1代の伊藤博文から数えて、次の総理大臣が「第100代」なのだという。知らんけど、としか言いようがない。

新型コロナの感染拡大が止まらない。東京「2848人ショック」。感染者のなかには、五輪関係者、選手、警備担当者、大会運転手も含まれている。ワクチンも、病床も足りていない。

五輪でアスリートたちがどれほど健闘しようと、どれだけ多くのメダルが取れたとしても、それとこれとは別だ。菅首相は、「空気が変わり支持率が上がって選挙に勝てる」と本当に思っているのだろうか。

  • 取材・文岩城周太郎写真ロイター/アフロ

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