中野区・劇団員殺害事件 被害者・加賀谷理沙さんの恋人が激白 | FRIDAYデジタル

中野区・劇団員殺害事件 被害者・加賀谷理沙さんの恋人が激白

「いまも彼女と一緒に生きている、それだけです」

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まもなく七回忌

「犯人が逮捕された5ヵ月後、’16年8月から事件現場近くのアパートで暮らしています。本当は彼女の部屋に引っ越したかったのですが、女性しか入居できなかった。事件解決後も、彼女と一緒に生きることを日常にしたかったんです。月命日には現場へ献花に行き、翌朝には長距離バスで東北にあるお墓に向かう。これが、’19年に裁判が終わるまでのルーティーンでした。いまは彼女の誕生日、お盆と命日に献花とお墓参りをしています」

加賀谷さんが好きだったひまわりを手に泰蔵さんは現場となったマンション(左奥)を訪れた。当時オートロックはなく、2階が彼女の部屋だった(PHOTO/濱崎慎治)

そう静かに語る泰蔵さん(37)。彼は、’15年8月25日、東京・中野区の自宅マンションで、通り魔的犯行により絞殺された加賀谷理沙さん(当時25)の恋人だった。

まもなく加賀谷さんの七回忌を迎える。泰蔵さんは苗字を伏せることを条件に、あらためて現在の胸中を本誌に語った。

「理沙さんとの出会いは、私の所属していた劇団に、彼女が入ってきた’15年6月のこと。稽古終わりに二人でお酒を呑むようになり、交際に発展しました。一緒にランチをして、稽古に行って夜は呑んで帰る。公演前だったので、そんな毎日でした。『一緒に食える役者になろう』と語り明かしたこともありました」

だが、濃密だった交際期間はわずか2ヵ月弱で終わってしまう。事件発生後、泰蔵さんは劇団を離れ、生活は一変する。

「アルバイトは続けて、後は犯人を捜すことに集中しました。四十九日まで仕事終わりに毎晩、現場に行き、周辺を歩き回った。犯人逮捕までの200日間は長かった。迷宮入りだと周囲が諦めていく姿を見るのが、とくに辛かったですね」

’16年3月に戸倉高広受刑者(当時37)が逮捕された後は、アポなしで拘置所に赴いて面会もした。「面会を中止してください」、質問に対して戸倉受刑者から聞けた言葉はそれだけだった。また、すべての公判を傍聴し、2度、法廷で証言もした。

「とにかく死刑を望みました。だから、証言台で私は、刑が軽くならないようにヘマをしないことを心がけたんです。宣誓を読み上げた時は、初めて涙が込み上げてきました。彼女の死を実感した瞬間でした。’19年5月に無期懲役が確定した時は、有期刑じゃなくてよかったという安堵感が強かったです。理沙さんのご両親からは『ありがとう』と言われました」

七回忌となる今年の命日はどう過ごし、何を想うのだろうか。

「お墓参りには行きます。いつも彼女が好きだったビールを飲みながら、向こうでゆっくり過ごすんです。お墓の前で、何を語りかけるのか、それは行ってみないと……。これまで事件のことで頭がいっぱいでしたが、いまはようやく自分が役者に復帰するために動き始めています」

加賀谷さんの無念を胸に、泰蔵さんは再び役者の道に戻る――。

加賀谷さんは地元の大学を卒業後、事件の3年前に上京。女優を目指し、劇団員となった(泰蔵さん提供写真)
泰蔵さんと加賀谷さんが、千葉・九十九里浜で日帰りデートを楽しんだ際に自撮りした写真(泰蔵さん提供)
泰蔵さんと加賀谷さんは充実した時間を過ごしていた(泰蔵さん提供)
事件現場前に花を供える泰蔵さん(PHOTO/濱崎慎治)
加賀谷さん(右端)は亡くなる直前まで舞台の稽古に熱心に取り組んでいた(泰蔵さん提供)
  • 取材・文高木瑞穂

    ノンフィクションライター。著書に『売春島〜最後の桃源郷 渡鹿野島ルポ』など。YouTubeチャンネル『高木瑞穂ちゃんねる』(https://www.youtube.com/channel/UCYmV32Kl9g5rN4Ob_s_XDDQ)

  • 企画協力YouTubeチャンネル『日影のこえ』(https://www.youtube.com/channel/UCkw_ybvh0ECxp4Vn1ewK2mg)

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