中身は中年男性…!こんなに変わる「カコジョ(加工女子)」の実態
綺麗な目鼻立ち、シミひとつない美しい肌、つやつやと光り輝く髪――。ツイッターやインスタグラムで「カコジョ」と検索すると、美女が大量に出てくる。
彼女らの正体は、実はフツーの中年男性だ。自分の顔をアプリで加工し女性化した男性を「加工女子」、略して「カコジョ」と呼ぶ。彼らはSNSのプロフィールで、自分が男性で画像の女子は実在しないと明かしている。外国人男性から誘いのメッセージが来ることもあると言うが、カコジョの目的は、なりすまし詐欺ではなく、自分の面影がある女子の画像を作り、純粋に楽しむこと。
ツイッターでフォロワーが1万人を超えるカコジョもいる。彼らは「お仕事終わったよ」「今日はドライブ!」「新しいTシャツ買いました」と、中年男性の日常を女子の姿に加工して写真をアップしているだけだが、なぜか若者にも絶大な人気を誇っている。カコジョを見て楽しむ人が増えているということなのだろう。
ブームの始まりは’17年、『FaceApp』というアプリが登場し、自分の写真を老化や子供化、異性化させるのが流行ったことだ。しかし、なぜ、中年男性が写真加工を趣味にするのか。SNSで人気のカコジョに話を聞いた。
ひなたさん(ツイッター名、以下同・30代)「加工前の自分がイケメンかというとそうでもない。でも、工夫次第で誰でもめちゃくちゃかわいい女の子になれる。アプリは無料(一部課金)。作成時間も5~10分なので本当に手軽です」
ぷりっつさん(30代)「カコジョ用のツイッターアカウントを作ったのは、ネット上でのカコジョ同士の交流が楽しそうだったから。『どんなアプリ使ってますか?』『綺麗で憧れます!』とかメッセージを送り合って。趣味の話もします。カコジョをしている人は30~60代の男性が多いイメージです。
僕も実際の生活では社会的地位だったり、立場に縛られて友達を作るチャンスが減っていくように感じていました。しかし、カコジョになると誰でも20代のかわいい女の子の見た目になれるので、本来の年齢を気にせずに交流できます。パーツを選んで組み合わせる今までのアバターと違って、自分にしか作れないオリジナルの女の子を作れるのも魅力です」
IT少女さん(40代)「ニュースサイトでカコジョの存在を知って、自分でやってみたら予想以上に綺麗な女の子になったのでハマりました。自分の顔からできた画像を見て、すごく親近感が湧いた。満足のいく作品を作ったような感覚です。
SNSを通じて、男性同士で『かわいいですね』って褒(ほ)め合うことは普段ないので、そこも新鮮な感覚でした」
悠木朝陽さん(40代)「普段、自分の子供のような歳の人と何を話せばいいのかわからない。でも、カコジョ同士で話すときは、見た目はかわいい女子ですが、みんな中身はおっさんなので話をしやすい。
少し髪型を変えるだけで加工後の印象が大きく変わったり、試行錯誤の幅があるのもハマるポイントかもしれません」
「誰でもかわいくなれる」「手軽」、その言葉を真に受け、本誌芸能デスク(45)もかわいいカコジョになれるのか検証してみた。今回使用したのは人気の写真加工アプリ『FaceApp』と『SODA』。どちらも無料でダウンロードできる上、ポンと画面に触れるだけ。作成時間は3分ほどで、部下も思わず二度見するかわいい女子へと変身した。
ジワジワと増えているカコジョ。ネット世界の片隅で、今日もひっそりと美女が生まれている――。




『FRIDAY』2021年8月13日号より