プロと実飲!500円以下のコンビニ「白ワイン」安旨ランキング
人気ソムリエがお勧め! 大手スーパー&コンビニでサクッと買える宅飲みワンコイン《白》ワイン
暑い夏の盛り、キンキンに冷えた白ワインを片手に仲間うちで盛り上がりたくても何かと難しいご時世の中、全国の愛すべきのんべえの皆さんにお届けしたいのが、おウチ飲みに最適な高コスパの1本と出会えるこちらの企画。
今回は筆者であるお酒好きアラフォーライター栗山(大人女子)が、自宅周辺の大手スーパー&コンビニをめぐり、税抜き500円以下で買える白ワインを無作為に25本購入。
船橋市に2店舗を構えるワインバルのオーナー兼ソムリエの小久保尊さんと、実際にすべて試飲をした中から、自信を持っておすすめできる10本を厳選! それぞれの、特徴やマッチする料理、安旨ワインならではの飲み方などを、わかりやすく解説して頂きました。

1位_懐の深さはピカイチ! 優しく穏やかな味わい
- 《オーケー》デリ ブティック 377円(税抜き)
- 【産地】日本
- 【飲み口】中口
- 【マッチする料理】にくじゃが、カボチャの煮物
ライター栗山(以下 栗山) :「高品質・Everyday Low Price」をテーマに、どこよりも安いのに品質もいいことで、個人的に絶対的な信頼をおいているオーケーのオリジナルワイン。オーケーが「都内一流ホテルのハウスワインに負けないものを作ってください」とメルシャンさんにお願いして作ってもらった…、という店内放送がワインコーナーでずーっと流れていて、毎回気になっていました。
ソムリエ小久保さん(以下 小久保):それは、品質に自信があってみんなに飲んでほしいという気持ちのあらわれなんです! 安いワインにありがちな強めのすっぱさや、変な重たさがないから、すーっと飲めて、ノーストレス。主張しないおいしさがあります。べっこう飴のような懐かしい香りで、飲み疲れない良さがありますよね。
栗山:オーケーの会長さんもこのワインが大のお気に入りで、コロナ前の社内の納会や忘年会は毎回このワインで乾杯していたんだそう。良い意味でとがったところがなくゆるゆる飲める。リピーターが多いのも納得!
2位_華やかでエレガントな雰囲気をまとった1本
- 《ダイエー》マルケス デ テナ ブランコ 348円(税抜き)※1本で購入した場合
- 【産地】スペイン
- 【飲み口】辛口
- 【マッチする料理】シーフード、きのこのアヒージョ
小久保:わ、開けた瞬間ちゃんと花の香りが広がりますね!
栗山:辛口なのに適度なフルーティさがあるから女子ウケしそう。しかも、これ、3本まとめ買いすると1000円(税抜き)という驚きの価格なんですよ! 直接大量に輸入することで、低価格が実現。お酒好きとしては大手資本ダイエーならではの恩恵にはしっかりあやかりたい!(笑)
小久保:安いのにきちんと華やかさがあって、ワインを飲んでいるというテンションをしっかり味わえる。香りの強い料理に合わせても負けません。
3位_爽快な夏気分を味わえる軽やかなシュワっと感
- 《セイコーマート》ジーセブン ソーヴィニヨン・ブラン 478円(税抜き)
- 【産地】チリ
- 【飲み口】やや辛口
- 【マッチする料理】塩ねぎま、手羽先
栗山:小久保さん、セコマって(セイコーマート)知ってますか? 私も今回、北海道出身の編集さんに聞いて初めて知ったんですけど、もともとお酒の卸売りから始まった札幌発の日本最古のコンビニチェーンらしく、ワインセレクトにも定評があるんですって。
小久保:いや、今回初めて知ってそのクオリティの高さに衝撃を受けました。開けたてだと、ピリッと微発砲していて夏に飲む白にぴったり! 香りだけで言うと今回の10本の中でベスト。グラスを口に近づけた瞬間、鼻にソーヴィニヨン・ブランならではのいきいきしたフレッシュな香りが抜けてしっかり余韻も楽しめますね。キンキンに冷やして塩系のやきとりに合わせたい。
栗山:このG7シリーズはセイコーマートの低価格帯のワインの中でもイチオシ。オンラインでも購入できるので、ワイン好きの人にこそ是非試して欲しいですよね
4位_ほのかな苦みと酸味の絶妙バランスに拍手!
- 《セブン-イレブン》セブンプレミアム アンデスキーパー ソーヴィニヨン・ブラン 388円(税抜き)
- 【産地】チリ
- 【飲み口】辛口
- 【マッチする料理】白菜の浅漬け
栗山:セブンプレミアムのあのマーク入りのワインって、どれを飲んでも外れがないですよね。ホント、商品力の高さには感心しきり。
小久保: これは、まずソーヴィニヨン・ブランらしいハーブの香りがして、そのあとグレープフルーツのさわやかな苦みをほのかに感じます。300円台でブドウの品種の個性がしっかり出ているのがスゴい!
栗山:酸味が控えめだから、家庭料理と合わせやすいですよね。
小久保:セブンのワインは回転が早いから、品質が劣化する前に状態のいいものが手に入るのもポイントです!
5位_安定のブランドならではの万人受けする美味しさ
- 《SEIYU》サンタ・ヘレナ アルパカ シャルドネ・セミヨン 498円(税抜き)
- 【産地】チリ
- 【飲み口】辛口
- 【マッチする料理】ポテトサラダ、クリーム系パスタ
栗山:アルパカは、安旨ワインの王道ブランドというイメージ。
小久保:アルパカしかり、カンガルーやシカ、ワシ、黒ネコ…。動物の絵が描いてあるラベルのものって実はおいしいものが多いんですよね。
栗山:確かに! 可愛いラベルだとついつい手に取ってしまうかも。(笑) 辛口とありましたが、ビターには転ばずまろやかでバランスが良く親近感のある味わい。
小久保:シャルドネの酸味に、セミヨンのまろやかさがいい感じでブレンドされていてマヨネーズ系の料理や、こってりしたクリーム系のパスタにも相性がいいと思います。

6位_さっぱりなのに味わい深い柔らかな微発砲タイプ
- 《セイコーマート》ジーセブン シャルドネ 478円(税抜き)
- 【産地】チリ
- 【飲み口】辛口
- 【マッチする料理】サーモンムニエル、ホタテバター
栗山:こちらは例のセイコーマートのG7シリーズのシャルドネ。
小久保:太陽をたっぷり浴びて育ったチリのシャルドネらしい、ふくよかさがある果実味を感じます。嫌味のない適度なコクがあって、ヘタなシャブリ買うより全然いいですね。(笑)
栗山:私、これ好きです! 軽くシュワっとしているから、夏の昼下がりに飲むのにもってこい! クセがなく飽きずに楽にゆるーく飲めるから、普段ワインをあまり飲まない人にもおすすめ。
7位_暑い日にぴったり! すっきりイケる万能選手
- 《ローソン》エルモソヴァレー ソーヴィニヨンブラン 453円(税抜き)
- 【産地】チリ
- 【飲み口】中口
- 【マッチする料理】白身魚のカルパッチョ、カプレーゼ
栗山:うん、さっぱりしていてグイグイいけますね。
小久保:ドライで美味しいですね。ビールで言うとスーパードライ的なのどごしすっきり系。実はこれ、ルイス・フェリペという作り手のワインで、高級ワインも手掛けているチリの大手ブランドの低価格ライン。そういう意味での安心感もありますね。
栗山:少し時間がたつと、ほのかな塩味やミネラル感が出てきて、だんだんと余韻が出てくる感じ。確かにカルパッチョとか、カプレーゼとか素材を活かしたシンプルなお料理にも寄り添ってくれそうですね。
8位_エコなマインドも満たされるさらっと軽快な飲み口
- 《セブン-イレブン》セブンプレミアム ビノセント 白 アイレン 468円(税抜き)
- 【産地】スペイン
- 【飲み口】辛口
- 【マッチする料理】和食全般
栗山:ふむふむ、手摘みされた100%有機ぶどうの一番搾り果汁を使っているらしいです。女子的にはオーガニックワインだと、なんとなく体に良いものを飲んでいる感じがして、罪悪感が薄まっていいんですけど…(笑)
小久保:気持ちはわかりますが、オーガニックワインも、カロリーやアルコール度数が低いわけではないですので、あしからず。(笑) お、グラスを口元に近づけると、アイレン種らしい清涼感のある青りんごの香りがふわり。スペイン産のワインですが、穏やかで日本人好みの味わいですね。
栗山:いわゆる水のように飲めるするする系だから、昼飲みにもいいかも!
9位_ほんのりスイートだから辛口派にも甘口派にもOK!
- 《マックスバリュ エクスプレス》ディゼノ 白 398円(税抜き)
- 【産地】ドイツ
- 【飲み口】やや甘口
- 【マッチする料理】照り焼きチキン、つくね
小久保:甘口がお得意なドイツワインならではのソフトな口当たりですね。香りは弱めですが、変な引っかかりがなくスムーズに入ってくる感じ。
栗山:私、実は甘いワインは苦手なんですけど、これはイケますね。素直においしい。ほのかに酸味を感じるさわやかな甘さだから辛口派でもOK。甘めが好きな女子なら、ひんやりデザート感覚でキリッと冷やして飲むのもいいかも。
小久保:それなら、氷をたっぷり入れたり、レモンを絞って飲むのもおすすめ。アルコール度数が低くなるからお酒が弱い人でも楽しめるし、ワンコインワインだからこそ、レモンサワーやハイボール感覚の飲み方で気負わずにいろいろ試してほしい。
栗山:いいですね! お風呂上りに試してみます♪
10位_ホッと安心感のあるクセのないマイルド系
- 《SEIYU》チュカロ シャルドネ 398円(税抜き)
- 【産地】チリ
- 【飲み口】中口
- 【マッチする料理】クリーム系グラタン、パスタ
小久保:こちらは、以前お店でも取り扱ったことがあり元々知っていました。西友はアメリカの大手ウォルマートの傘下だったこともあり、コスパの良い輸入ワインが見つかるんですよ。
栗山:あ、これも馬の絵が描いてありますね。(笑)
小久保:はじめはさっぱした軽い飲み口ですが、時間がたつにつれて南国系の果実を思わせる香りとふくらみ感が増して、だんだんエンジンがかかってくる感じ。
栗山:ホントだ、安いのにそれなりに味に広がりがあって飲み飽きない。毎日の晩酌にぴったりの1本ですね。
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栗山:実は今回の取材、ワンコインワインということもあって、あまり期待してなかったんですが(ごめんなさい!)、それは良い意味で裏切られました。以前に比べてスーパーやコンビニでおいている500円以下のワインの絶対数も多くなったし、レベルもこんなにも上がっているんだと実感しました。
小久保:実は2019年2月に、EUから輸入されるワインの関税が撤廃されたので、よりコスパ度の高い輸入ワインが入ってくるようになったのも大きいと思います。ワインというと敷居の高さを感じる人もいるとは思うのですが、テーブルワイン感覚で楽しめる価格だからこそ、ビールや焼酎のように気負わずいろいろと楽しんでほしいなと。先ほども少し触れましたが、夏ならザクザク氷を入れたり生のレモンを絞ったりして、白ワインベースのレモンサワー風にアレンジしても。
栗山:私は、白ワインを炭酸水で割って、なんちゃってスパークリングにして楽しんでいます。悪酔いしないし、飲む量が自然に抑えられていいんですよね。
小久保:お手頃なワインだからこそ、オリジナルの楽しみ方にもどんどんトライして欲しいですね!
- (注1:ワインの価格は全て、購入時の価格になります)
- (注2:ワインの飲み口は試飲を元に個人の感想から記載しています)
小久保尊(こくぼ たける) 日本ソムリエ協会認定ソムリエ。レストラン「ワインと肉COQ DINER」、「立呑み 燻製 COQ DINER 離-HANARE-」のオーナーソムリエでありながらワイン案内のハードルの低さに定評のある庶民派。ワインの品種を擬人化してわかりやすく解説した著書『図解ワイン一年生』(サンクチュアリ出版)は12万部発行。現在は、船橋市内にワイナリーをオープン準備中。
取材・文:ライター栗山
ライター歴20越えのアラフォー大人女子ライター。得意分野はファッション。好きなものはお酒、白いごはん、温泉、韓流、エスニック料理。口グセは、「ま、いっか」。小学生男子2児の母。