山縣亮太の恩師が金を目指す「日本最速の男」に贈る本気のエール | FRIDAYデジタル

山縣亮太の恩師が金を目指す「日本最速の男」に贈る本気のエール

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10秒15という好タイムを記録するも、決勝進出を逃した
10秒15という好タイムを記録するも、決勝進出を逃した

日本史上最高との呼び声が高かった3人のスプリンターが挑んだ陸上男子100mは、全員予選落ちというまさかの結果に終わった。9秒95の日本記録を持ち、日本人89年振りの決勝進出の期待を一身に背負った山縣亮太(29)は予選3組に出場。10秒15の4着に沈んだ。これまで出場した2度の五輪でいずれも自己記録を更新した〝五輪男〟のあっけない幕切れに、テレビの前で目を疑った国民は少なくなかっただろう。修道中学校・修道高等学校(広島市)時代に山縣を指導した松澤慶久氏(54)の分析を聞こう。

「スタートは悪くないなと思いましたが、中盤から終盤にかけて身体が動いていなくて、スピードに乗り切れていないなと思いました。それにしても今回のレースはレベルが高かった。山縣の予選タイムは10秒15でしたが、これまでだったら4着以下のタイム上位3人に入って準決勝に進める可能性もあったと思います。もちろん山縣が普段の力を発揮できていたら予選は突破できていたと思います。しかしそう簡単にはいかないのが五輪という舞台の難しさなのでしょう」

山縣は6月に行われた「布勢スプリント」で日本記録を樹立し、翌7月には日本選手団の主将に就任。“日本最速の男”にのしかかるプレッシャーは想像を絶するものだった。

いまでこそ日本記録保持者になりましたが、山縣が9秒台を出したのは日本人で4人目。〝日本最速の男〟という〝重責〟は長らく桐生祥秀(25)選手が引き受けてくれていた。その重責を山縣が引き継いだのはわずか2ヵ月前。自国開催というこれまでにない五輪の舞台で、その強さを示さないといけないというのは本当に大変なことだと思います。結果は残念でしたが、私はこの重責を背負ってよく走ってくれたと言いたい」(松澤氏)

日本陸上の“お家芸”たるリレー決勝は6日夜に行われる。松澤氏は山縣にこうエールを送る。

「重責や緊張だけで五輪を終えてしまうのはもったいないし、悔いも残ると思います。リレーだって100mに劣らない花形種目。気持ちを切り替えて、リレーを楽しんで走ってもらえたらなと思います。山縣は高3のときに日本ジュニア陸上選手権で当時のジュニア世界王者・飯塚翔太(30)を破って優勝しています。実はその2ヵ月前のインターハイは3位に終わり、悔しい思いを味わっていたんです。

悔しい敗戦から切り替えて勝ったからこそ、喜びもひとしおでした。高校と五輪ではまるでレベルが違いますが、山縣にはあのときのように、敗戦を糧に最後に笑って締めくくってくれたらなと私は願っています」

優秀の美を飾り、リオの銀を越えることができるか。

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