大炎上の河村たかし市長 根底に「女性蔑視」と「ミーハー体質」
名古屋市の河村たかし市長が“火だるま”状態だ――。
発端は8月4日、名古屋市出身でソフトボール日本代表・後藤希友投手(トヨタ自動車)が市役所を表敬訪問したこと。同市長は後藤から首にかけられた金メダルを手にとると、おもむろにマスクを外して「がぶり」。無神経ぶりに加え、新型コロナウイルスの感染対策上、大いに問題がある。
その場にいた報道関係者によると
「金メダルをかじろうとする“フリ”は過去にもあったが、本当にかじったのは河村市長が初めてではないか。現場では『カキン!』という金属音が聞こえたそうです」
という。
これに猛反発したのが、五輪メダリストたち。柔道男子60キロ級で金メダルを獲得した高藤直寿がSNSで《俺だったら泣く》と言えば、平昌五輪スピードスケート女子500メートル金メダリストの小平奈緒も
《私だったらその場で号泣して暫く立ち直れないかも…》
とツイート。名古屋市役所には県民を中心に4000件以上の苦情が殺到する事態となった。
それでもまだ余裕だった河村市長の顔色を一変させたのは、後藤の所属先であるトヨタ自動車が5日に「不適切かつあるまじき行為」と異例のコメントを発表したことだ。地元愛知の世界的大企業で、県政にも大きな影響を及ぼすとあって、河村市長は慌ててトヨタ本社に謝罪文書を持って行った。
日本オリンピック委員会(JOC)の山下泰裕会長にも詫びの電話を入れたという。
報道陣を通じて公に謝罪したのはそのあと。同日午後、スーツ姿の同市長は
「長年の努力の結晶である金メダルを汚す行為。心からおわびします」
と“棒読み謝罪”。この態度について元宮崎県知事の東国原英夫氏はツイッターで
《あの謝り方は一体何なんだ?全く反省の色が見えない。道徳的・同義的・資質的に如何なものか。辞任レベルである》
とブッタ斬った。
「腹の中では『なんで俺がこんなことで…』といった感じでしょう。あの人は昔からそうですからね」
とは河村市長を知る人物。問題の根底にあるのは、五輪組織委員会の森喜朗前会長と同じ「女性蔑視」だという。
一部スポーツ紙は、河村市長と面会中、男性職員がお茶を出したところ
「なんで男がお茶を出しているんだ。恥ずかしくないのか」
といった主旨の発言をしていたと報じた。
「それだけではありません。ほかにも市のセレモニーで歌唱した女性アーティストに対し『脚がきれい』とか『もっとスカート短くした方がいいよ』と言っていた。そのくせミーハーで、地元のスターである浅田真央さんとツーショット写真を撮ったり、芸能人を市のイベントに呼びたがる。
表敬訪問の本来の目的は活躍した人をねぎらうことなのに、あの人は自分が敬われるものだと勘違いしている。とにかく目立ちたがり屋でデリカシーがない人」(地元紙記者)
今回の騒動でも、河村市長はメダルかじり行為について一旦は「最大の愛情表現だった」と釈明。本気でそう思っていたのなら、ピントがズレている。
作家の乙武洋匡はツイッターで
《『主役は自分だ』という自己愛。そんな自分への『最大の愛情表現』》
と苦言を呈した。
組織委の森前会長は「女性がたくさん入ってる会議は時間がかかる」などと発言し、役職辞任に追い込まれた。河村市長に対しては、名古屋市議会の自民党、公明党、日本共産党の議員団と名古屋民主市会議員団の4会派が連名で責任追及の申し入れ書を提出している。
だが、市長本人は「辞める気はサラサラない」(関係者)というが、女性を中心にその評価を大きく下げたことは間違いない。
写真:アフロ