連ドラ初主演の関水渚が見せた「美しさに頼らない」存在感 | FRIDAYデジタル

連ドラ初主演の関水渚が見せた「美しさに頼らない」存在感

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「前向き」の原点

毎回、取材部屋に入ると、都度、空気が違うものだ。多分、その日の取材対象者のキャラクターからくる空気感で、今回はかなり落ち着いた雰囲気だった。メイクが終了し、衣装に着替えた彼女が登場すると、一瞬でその場の空気が華やいだ。19歳でデビューし、現在23歳。作品では女子高校生役を演じているけれど、そりゃ立派な大人だよね、落ち着いているはずだと妙に納得してしまった。

“渚”という名前も海に由来してつけられたせいなのか、とにかく海が好きだという。正統派美女ではあるので、今回のようなスタジオ撮影ももちろんいいが、波打ち際の太陽の下で生き生きと輝く彼女も見てみたいと思った。

そんな関水渚が主演中のドラマは、わけあって夏休みにバッティングセンターでアルバイトをすることになった17歳の女子高生が主人公。「バットのスイングだけで、その人がどんな悩みを抱えているかわかる」と豪語する47歳の謎の元プロ野球選手と、毎回バッティングセンターに現れる悩める女性たちを、「ライフ・イズ・ベースボール」を合言葉に「野球論」で例えた独自の「人生論」で解決へと導いていく『八月は夜のバッティングセンターで。』(テレビ東京系、毎水深夜1時10分)。これからドラマも後半戦に突入だ。

「私が演じる舞も、実は不器用で人に相談出来ない悩みを抱えています。バッティングセンターで伊藤さん(仲村トオル)やいろんな人と関わることで自分自身が変わっていき、最後は彼女の人生が良い方向に向かうことができるのか、みなさんに見守っていていただきたいです。もちろん毎回悩めるヒロインを救ってくれる、豪華な野球界のレジェンドも登場するので、そこも最後までお楽しみに!」

デビュー作である映画『町田くんの世界』での数々の映画新人賞受賞から、立て続けに話題作へ出演。そして今回、連続ドラマ初主演となった。順調に、いやむしろ早いスピードでのステップアップだ。

「正直、自分に主演が務まるのか、全く不安がなかったわけではありませんが、最近はいただいた役は自分にしかできないもので、表現する立場としてもっと自信を持って役に向き合っていこうと思えるようになってきたところでした。今回、チャンスをいただけて素直に嬉しかったです。さらに、仲村(トオル)さんが一緒だと伺ってから、安心したというか、楽しみという気持ちのほうが勝るようになっていきましたね」

すごく前向き! そんな風に思えるようになったのは何がきっかけだったんだろう。

「そうですね、いろんな人との出会いや言葉もあるし、理由はひとつではないです。でも、『コンフィデンスマンJP プリンセス編』で共演させていただいた長澤まさみさんに“渚ちゃんは渚ちゃんのままでいいんだよ。そのままの渚ちゃんを好きになってくれる人はいるから”と言っていただいたことは大きいです」

年代的にいうと、10代からキャリアを積んだ人も多くいたり、層が厚いところでライバルも多いはず。そのなかでどう自分を位置づけ、活かしていくのか考えたことはあるのだろうか。

「もちろん同世代の方が出演している作品を観て、“この役は演じてみたいな”と思うことはあります。でも、自分は自分なので。以前ドラマでご一緒した田中圭さんが、作品は関わっているみんなのものであって、成功するのは主役だけの力ではないんだよね、とおっしゃっていたんです。もちろん、主役としての役割はあるとは思いますが、みんなライバルでありチームメイトである、そんな感覚でいます。

最近では、私も先輩たちに教えていただいたように、もっと大人にならないといけないと思う機会も増えてきました。事務所の先輩である妻夫木聡さんが、若手を集めて演技のワークショップをやってくださったり、撮影現場で長澤さんや田中さんが声をかけてくださったりしたことが、すごく自分にとって学びになっているので、私自身もそういう存在になっていきたいです」

今までは今回のような学生役や、年下キャラが多かった関水。そろそろ実年齢以上の大人の役を演じるのも見てみたい。

「海外作品のラブストーリーが好きでよく観るので、私も王道のラブストーリーに挑戦してみたいです。それから時間があった時に、『男はつらいよ』の全シリーズを改めて観たんですね。観終わった後、心があたたかくなって、寅さんが大好きになりました。ま、寅さんみたいな人を実際に好きになるかというと、ちょっと違うんですけれど(笑)。『男はつらいよ』のように、私が出演した作品が、永くみなさんに愛されるものになればいいなと思っています」

チャンスは与えられるものかもしれないが、成功は自分だけにしか出来ない何かを見つけ、つかみ取っていくもの。そんな芯の強さを感じた。彼女の女優人生はまだまだ始まったばかり。今後の女優・関水渚の成長ストーリーが楽しみである。

 

関水渚に5つの質問

Q1人に自慢できることは?
A1一人で行動できるところ

数日前も一人でラーメン屋さんに入りました。よく一人でラーメン屋さんには入れないという女性がいますが、一人で来ているお客さんも多いし、誰も周りは気にしていないので全然大丈夫ですよ。しかも回転が早いので、すぐ入店、食べ終わったら速攻退店できるので是非おすすめしたいです。

Q2今、プレイリストに入っているお気に入りの音楽は?
Q2『I AM YOUR SINGER』サザンオールスターズ

最近ちょうど夏のプレイリストに変えたばかりで、季節ごとにプレイリストをつくります。夏といえばサザンです。父が好きで、いつも小さい頃から聴いていたので、その影響もありますね。今年のプレイリストには、例年になくサザンがたくさん入っています。

Q3影響を受けた作品
A3『リッチマン、プアウーマン』

私が女優を目指すきっかけになった作品です。石原さとみさんの笑顔を見て、なんて可愛いだろう! と、ハマりました。

Q4毎日していることは?
A4ラジオ体操

そう思いたくないけれど、どんどん体力の衰えを感じるので、大人になってラジオ体操のすばらしさを知りました。朝起きて顔を洗って歯を磨いたら、まず体操です。目が覚めるし、体力がつくので、いいことづくしなんですよ。

Q5好きなタイプは?
A5レオナルド・ディカプリオ

『タイタニック』や『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』などの若い頃も素敵なのですが、『ウオール・ストリート』の年をとった姿もすごく素敵です。役柄の魅力が私のなかに沁み込んでいて、もう存在そのものが好きですね。

関水 渚(せきみず・なぎさ)

1998年6月5日、神奈川県生まれ。2017年「アクエリアス」のCMでデビュー。
女優デビューは、オーデションで主演の座を射止めた2019年公開の映画「町田くんの世界」。第43回山路ふみ子映画賞山路ふみ子新人女優賞、第74回毎日映画コンクール・スポニチグランプリ新人賞、第62回ブルーリボン賞新人賞、第93回キネマ旬報ベスト・テン新人女優賞を受賞する。

『4分間のマリーゴールド』『キワドい2人-K2-池袋署刑事課 神崎・黒木』『アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜』、映画『カイジ ファイナルゲーム』『コンフィデンスマンJP プリンセス編』などに出演

撮影:宮本賢一
スタイリング:大川好一
ヘアメイク:原田綾音
取材・文:かわいゆうこ
構成:SUPER MIX
衣装協力:AnMILLE ラフォーレ原宿店

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