「負けたら菅がヤバイ…」大混戦の横浜市長選挙に官邸が怯えるワケ | FRIDAYデジタル

「負けたら菅がヤバイ…」大混戦の横浜市長選挙に官邸が怯えるワケ

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結果いかんでは…(写真・AFLO)

突然の出馬に戸惑い

過去最多の8人が出馬を表明する横浜市長選挙(8月8日告示、22日投開票)。菅義偉総理(72)の地元・神奈川2区を含む争いとあり、「菅首相のお膝元での選挙なので、政権の望む結果にならなければ、菅降ろしが始まる」と永田町でも話題を集めている。

IR推進を掲げ、4選を目指す現職・林文子氏(75)に対し、立憲民主党推薦の元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)がIR誘致反対を訴える。元神奈川県知事で前参議員議員・松沢成文氏(63)、元長野県知事で作家の田中康夫氏(65)と知名度のある候補者も名乗りを上げている。

本命視されているのは、前国家公安委員長・小此木八郎氏(56)だ。

小此木氏と菅総理とは強い絆で結ばれていたことで知られる。26歳の若き菅氏は小此木氏の父・彦三郎に秘書として仕えた。菅氏が総裁選に出た際、小此木氏が選対本部長を務めた。周囲に人がいなければ首相は小此木氏を「八郎」「八ちゃん」と呼ぶほどの仲だという。

しかし、その「八ちゃん」の突然の出馬によって、横浜市政は混乱に陥っている。自民党神奈川県連の会長で、現職閣僚でありながら、政府が推進するIR事業の誘致が「市民の信を得られていない」と言い出したのだ。

現職の大臣が任期途中で辞任し、地方の首長選に打って出るのは異例のことでもある。

「総理は官房長官時代からIR推進の旗振り役で、八郎さんも横浜市議団もIR推進でまとまるように動いていた。推進派の林市長には、多選を支持できない、と市議団として通達もした。八郎さんがIR推進を掲げて出馬すれば万事収まったが、誘致とりやめを宣言している。八郎さんが総理に弓を引いたのか、二人の間で何らかの合意があるのか…と大混乱となっている」(横浜市議)

「もし市長に当選したら推進派に転じるのではないか」――小此木氏は記者会見で何度もそう尋ねられたが、その都度、「全国のIRが駄目だという話ではなく、いま、横浜にはその環境が整っていない」と否定している。

横浜の政財界に絶大な影響力をもつと言われる藤木幸夫・ハーバーリゾート協会会長の動向にも注目が集まった。藤木氏は「ハマの首領(ドン)」と呼ばれ、中央政界やウラの社会にも幅広い影響力を持ち、横浜の港湾業界を率いてきた人物だ。その藤木氏は現在はIR誘致反対を強く主張し、今回の選挙では山中氏支持を表明している。

横浜高校OBがこう語る。

「横浜の顔役であるがゆえに、あちらを立てればこちらが立たず…となり、政治色の薄い山中支持を表明したのではないか。ただ、藤木さんサイドも完全にまとまっているわけではなく、親族の一部は小此木支持に回っているなど、本当に複雑怪奇だ」

自民党、公明党ともに今回の選挙は「自主投票」としているが、自民党横浜市議団は36名中30名が小此木支持で動いているという。「親分」である菅氏が「衆議院議員」として小此木氏の支援を表明してもいる。

7月29日発行のタウン誌「タウンニュース」の意見広告として、菅総理と小此木氏が肘タッチをした写真を添え、「全面的かつ全力で応援します」「横浜の顔になれるこれ以上の人はほかにいないと思いました」などと支持を鮮明に示した。

「近づく衆院選の影響を考慮し、われわれには『八郎を全力で応援しろ』と檄を飛ばしている。IR誘致の問題は、小此木さんが当選した後でもなんとかなると思っているのだろう。総理からすれば『IR絶対反対』を訴える人物が市長にならなければいい。つまり山中竹春、田中康夫両氏以外であればいいと考えているのでは」(前述の市議)

他には、前横浜市議の太田正孝(75)、元内閣府副大臣の福田峰之(57)、水産仲卸会社社長の坪倉良和(70)が立候補している。公職選挙法は、最多得票者が有効投票総数の4分の1以上の票を得られない場合の再選挙を規定している。ここまで有力な候補者が乱立すると、再選挙となる可能性もある。

いずれにせよ、その結果が政権の命運にも影響を与える選挙だけに、永田町は固唾をのんで行方を見守っているのだ。

  • 取材・文岩崎大輔写真AFLO

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