丸川珠代五輪相 ダブスタ批判に「上昇志向の塊」「自民党の番犬」
丸川珠代五輪相の“失言”に国民の反発が強まっている。
東京五輪が閉幕した矢先に、IOCのトーマス・バッハ会長が銀座散策、通称「銀ブラ」していたことがSNSの目撃情報で明らかになった。“ぼったくり男爵”と揶揄されたこの男のKYぶりは今に始まったことではないが、問題視されたのは、バッハ会長を容認した丸川氏の発言だった。
丸川氏は8月10日の会見でバッハ会長の銀ブラについて聞かれ,
「不要不急であるかは本人が判断すべきものだ」
とコメント。東京五輪で感染対策をまとめた「プレーブック」には、選手は観光目的の外出を禁止されており、競技終了後は48時間以内に帰国しなければならない。さらに東京都には緊急事態宣言が出され、国民には不要不急の外出を控えるよう要望している。
そんななかで飛び出した“丸川発言”だけに「ダブルスタンダードだ!」と批判が上がるのも無理はない。元宮崎県知事の東国原英夫氏は自身のツイッターで
《丸川大臣、正直に言えばいいのに。『私はたかだか大臣ですよ。ステークスホルダー様に向かって不要不急な外出はお止め下さいなんて言える訳がありません。国民には普通に言えますけど。増してや五輪貴族様に向かって口が裂けても言えません。国民には普通に言えますけど』と本音を言えばいいのに》
と皮肉交じりにツイートしたが、実際のところ、言葉は荒いが、これが本音なのかもしれない。
「丸川氏は“上昇志向の塊”。次の選挙のあとには、重要閣僚での登用が確約されていると聞いている。物言いが“上から”なのは、本人の気質の問題だ」
とは丸川氏を知る政界関係者だ。
丸川氏は‘93年にテレビ朝日に入社し、アナウンサーとして『ニュースステーション』『ビートたけしのTVタックル』『スーパーJチャンネル』『朝まで生テレビ』などに出演。政治家をめざすきっかけを「自民党総裁だった安倍晋三氏と出会い、その人柄に触れ」と公式サイトに綴っている。
「局アナ時代も我が強かった。政治家に転身することをまだ内緒にしていた時期に、あるメディアが丸川さんに関するネガティブな記事を載せたところ、本人が激怒。上層部に『抗議して下さい』『記事を取り消させて下さい!』と直談判し、担当部署が渋々動いたと聞きます。その後、本人の政界転身がわかり、局内はシラケムードになった」(テレビ朝日関係者)
丸川氏は‘08年6月に、自民党の衆議院議員の大塚拓氏と結婚。‘12年6月には第1子を出産し、野党時代には党の女性局長に就任するなど、着々とキャリアアップしてきた。現役自民党議員の秘書によると、
「いまや夫の大塚氏とは立場が逆転し、永田町では“仮面夫婦説”も囁かれるほど。彼女は『時の権力者』に取り入るのが抜群にうまく、安倍前首相のおぼえもめでたかった。ある意味、ボスの指令に忠実なタイプで、敵対する相手に対しては一番乗りで噛みつく。だから重宝されている」
という。
自民党が下野していた‘10年3月には参院厚生労働委員会で子ども手当法案が強行採決された際
「この愚か者めが!」
「このくだらん選択をしたバカ者どもを絶対忘れん!」
と言い放ち話題に。鳩山由紀夫元首相に
「ルーピー(頭がおかしい)」
とヤジを飛ばしたこともあった
直近では小池百合子都知事と暗闘を繰り広げた。五輪に向けた都の医療体制が煮詰まっていないことを知るや、公の場で
「そろそろ大会を開催する当事者としてお示しいただきたい」
と苦言。説明を求めたが、約2週間返答が滞っていることを暴露し
「国はどのように支援すればいいのか非常に戸惑っている」
と言い放った。この件を記者団から伝え聞いた小池知事は「すでに実務的には詰めている」と気色ばんで反論した。
「小池都知事が暴走しないよう鈴をつけにいくのが丸川氏の五輪相としての使命だった。2人の性格からして水と油。小池氏のような“博打打ち”タイプではなく、彼女はいかに失点しないかですからね。カメラの回っていないとこでもお互い英語でやり合っていましたよ」(前出・自民党秘書)
政局次第では小池都知事の国政復帰もウワサされている。再び丸川氏が“番犬”として立ちはだかる日がやって来るかもしれない。
- 写真:森田直樹/アフロスポーツ