欧州でも若手イケメン旋風!世界が注目する「夏の美少年映画」5選 | FRIDAYデジタル

欧州でも若手イケメン旋風!世界が注目する「夏の美少年映画」5選

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フェリックス・ルフェーヴル(右)とバンジャマン・ヴォワザン © 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

ヨーロッパでは夏になると長期休暇があり、都会から離れて海沿いの街でヴァカンスを楽しむ。ヴァカンスは日常から離れて解放される期間でもある。そこでは思わぬ出会いがあり、恋が生まれることもある。もちろん、期間限定のヴァカンスには別れもつきものだ。まばゆい夏の太陽のもと、一夏の経験は若い魂を突然大人に変える――今年もフランスからアツいヴァカンス映画が届いた。

『Summer of 85』はタイトル通り、1985年の夏、フランス・ノルマンディーの海辺が舞台だ。原作は英国の作家エイダン・チェンバーズによる青春小説『Dance on my Grave』(『おれの墓で踊れ』徳間書店)。まだ映画監督になる前のフランソワ・オゾンが17歳のときに読んで一目惚れ。「いつか映画化しよう」と夢見てきた小説だ。

小説が発行された1982年は同性愛をテーマにすることは現代のように自由ではなかった。罪悪感が漂う陰鬱な物語として描かれることが多く、つまりは影のものとして扱われてきた。オゾンがこの小説と恋に落ちてから、35年という長い月日を経てようやく映画が完成した。これまでの彼の作品にも影響を与えているというこの小説は、いわばオゾンの原点そのものとも言える。

© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

あらすじはこうだ。セーリングを楽しもうとヨットで一人沖に出た16歳のアレックス。突然の嵐に見舞われ転覆した彼を救助したのは、18歳のダヴィドだった。二人は急速に惹かれ合い、友情を超えてやがて恋愛感情で結ばれる。アレックスにとってはこれが初めての恋だった。互いに深く想い合う中、ダヴィドの提案で「どちらかが先に死んだら、残された方はその墓の上で踊る」という誓いを立てる。しかし、ダヴィドの不慮の事故によって恋焦がれた日々は突如終わりを迎える。悲しみと絶望に暮れ、生きる希望を失ったアレックスを突き動かしたのは、ダヴィドとあの夜に交わした誓いだったーー。

映画はキャスティングが命と言っても過言ではない。そして、フランソワ・オゾンといえば、魅力的な若手俳優を発掘するその天才的な才能の持ち主であることも忘れてはならない。これまでも『危険なプロット』(2012)の主演エルンスト・ウンハウアー、『17歳』(2013)、『2重螺旋の恋人』(2017)に主演したモデル出身のマリーヌ・ヴァクトといった素晴らしい若手俳優を発掘してきた。初の長編作品『ホームドラマ』(1998)で起用したマリナ・ドゥ・ヴァンも舞台での演技を見て娘役に抜擢したのち、日本でもヒットした『8人の女たち』(2002)では共同脚本でタッグを組んでいる。

一度才能を認めた俳優とはとことん組むのがオゾン流。本作ではイメージに合うメインキャストに出会えなければ映画化はするつもりはなかった、という。そんな主演ふたりの美貌と、演技力にも注目したい。

© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

物語は出会いから永遠に別れるまでの6週間を、作家志望のアレックスが回想するかたちで進んでいく。アレックスを演じたフェリックス・ルフェーヴルは1999年生まれ。本作のオーディションでオゾンに「彼こそアレックスだ」と言わしめ、主役に大抜擢された。ダヴィドに魅了され、翻弄されていくさまが実に自然に伝わってくる。思いがけず女性ものの服を着るシーンでは、初々しさと切なさを見事に表現。自身のなかに目覚めた恋に生きる喜びを繊細に演じている。

恋に傷つき苦しむ姿は、まるでかつて小説の中に自分自身を発見したオゾンの姿を彷彿とさせる。アレックスはオゾンその人なのかもしれない。その他、TVドラマシリーズ『ル・シャレー 離された13人』(2018/Netflix)、『スクールズ・アウト』(2018)などに出演している。

ダヴィド役のバンジャマン・ヴォワザンは1996年生まれ。当初、アレックス役のオーディションを受けたが、オゾンによってダヴィド役に抜擢された。俳優だけでなく脚本家としても活動中。両性的な美しさと色気をもち、海辺で出会う女性ケイト(フィリッピーヌ・ヴェルジュ)をも魅了する。クラブでダヴィドがアレックスにヘッドフォンをセットするシーンがある。二人が違う曲で一緒に踊るさまは愛のすれ違いを示すかのようだ。

どこか冷たくも情熱的に誘引するその瞳は罪深い。今後の主演待機作にグザヴィエ・ジャノリ監督の『Comédie humaine(原題)』(2021)、その他女優としても活躍するメラニー・ロラン監督の『Le Bal des folles(原題)』(2021)がある。

『Summer of 85』での演技が高く評価され、第46回セザール賞ではフェリックス・ルフェーヴル、バンジャマンが揃って有望若手男優賞にノミネートされた。

■まだまだいる!世界が注目する「美しい若手俳優たち」

© Frenesy , La Cinefacture
© Frenesy , La Cinefacture

いまやひっぱりだこのティモシー・シャラメは1995年生まれ。子役としてCMやドラマに出演してきたが、『君の名前で僕を呼んで』(2017/ルカ・グァダニーノ監督)で90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた。タブー視されてきた同性同士が惹かれてゆく一夏の経験を、北イタリアを舞台にみずみずしく描く。ティモシー・シャラメ演じるエリオが相手役のアーミー・ハマーに扮するオリヴァー恋する姿には胸が熱くなり、繊細ななかにも大胆な演技に魅了される。長回しのラストシーンは涙なしには見られない。

この作品をきっかけにティモシー・シャラメのファンになったという人も多いはず。『レディ・バード』(2017)『ビューティフルボーイ』(2018)などでも存在感を示し、映画界に欠かせない存在となった。俳優としての実力をふんだんに見せつけてくれる。この秋には日本でも『DUNE/デューン 砂の惑星』の公開が決まっている。

© 2019 BIND & Willink B.V. / Ostlicht Filmproduktion GmbH
© 2019 BIND & Willink B.V. / Ostlicht Filmproduktion GmbH

続いて『恐竜が教えてくれたこと』(2019/ステフェン・ワウテルロウト監督)からソンニ・ファン・ウッテレン。この映画は、アンナ・ウォルツの児童文学『ぼくとテスの秘密の七日間』(野坂悦子訳・フレーベル館)が原作。家族とヴァカンスを過ごすために北オランダの島にやってきた少年サムを演じる。

「地球最後の恐竜は、自分が最後の恐竜だと知っていたのかな?」と疑問を持つ小さな哲学者は、ちょっと変わった少女テスや大人たちとの交流を通して、淡い恋心を抱いたり、思いやりの心を芽生えさせたりするなど成長し、生きる喜びを見つけていく。ソンニ・ファン・ウッテレンのあどけなさがなんとも愛らしく魅力的。第69回ベルリン国際映画祭ジェネレーションKplus部門国際審査員賞スペシャルメンション受賞。現在は17歳になり、少年からすっかり素敵な青年になっているソンニ・ファン・ウッテレン。オランダのテレビドラマで活躍し、モデルとしても活動している。オランダといえば世界一平均身長が高いことで有名な国。これから成長してどんな俳優になっていくのか、いまから目が離せない。

©︎ Manolo Pavón
©︎ Manolo Pavón

『おもかげ』(2019/ロドリゴ・ソロゴイェン監督)のジュール・ポリエは2001年生まれのフランス出身の俳優。2019年のアカデミー賞にノミネートされた緊迫感あふれるワンカットの短編作品の〈その先〉を描いた、誰も予測できないミステリアスな物語だ。南フランスのヴァカンスを舞台に、主人公エレナ(マルタ・ニエト)が、ジュール・ポリエ扮する行方不明になった息子の面影をもつ少年ジャンに魅了されていく様を描く。はにかんだ笑顔と揺れる金髪が印象的だ。ふいに胸の内側に入り込んでいるジュールから、いつの間にか目が離せなくなっている。

演劇経験を経て2017年にフランス映画『マルヴィン、あるいは素晴らしい教育』に出演したのがきっかけで映画界へ入り。『PLAY 25年分のラストシーン』(2018)などに出演している。俳優としてのみならず、監督になることも志しているというジュール・ポリエ。そう遠くない将来に彼が監督した作品を見ることもできるかもしれない。漫画『ワンピース』の愛読者でもある。

© 2017 Screen Australia, Screenwest and Breath Productions Pty Ltd
© 2017 Screen Australia, Screenwest and Breath Productions Pty Ltd

最後は『ブレス 波の彼方へ』で主人公パイクレットを演じたサムソン・コールターを紹介したい。オーストラリア出身の俳優でありプロサーファー。18歳でプロサーファーとなり、同年にこの映画の主演に抜擢された。それまで演技経験はなく、本作で本格的に俳優としてデビューしている。

60年代のオーストラリアが舞台。日本の直木賞にあたるオーストラリアで最も栄誉あるマイルズ・フランクリン文学賞を受賞したティム・ウィルソンによる自伝的小説『ブレス:呼吸』が原作。日本でも人気のドラマ『メンタリスト』の主演俳優のサイモン・ベイカーが主演兼初監督を務める。伝説的なサーファーと出会いを通して、おとなしい少年が果敢に波に挑んでゆくシーンはプロサーファーならではの圧巻の迫力。“普通のままでいるか、違う何者かになるか”。悩み深い瞳はまさに少年が大人になる瞬間の危うさをはらんでいる。エリザベス・デビッキ演じる美しい年上の人妻との真昼間の密会シーンも官能的で見逃せない。

『The Furance(原題)』や短編映画にも出演しているが、残念ながら、日本で公開されているのはいまのところ本作だけ。インスタグラムでサーフィン姿以外にも貴重なプライベートショットも公開中。今後に注目していきたい。

■作品情報

『Summer of 85』は8月20日より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、グランドシネマサンシャイン池袋ほか全国順次公開

監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:フェリックス・ルフェーヴル、バンジャマン・ヴォワザン、ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ、メルヴィル・プポー
配給:フラッグ、クロックワークス 公式サイト:summer85.jp 【PG-12】
原題:Ete 85/英題:Summer of 85/2020/フランス/101分/カラー/ビスタ/DCP/5.1ch/字幕翻訳:原田りえ
公式Twitter/Instagram:@summer85movie
© 2020-MANDARIN PRODUCTION-FOZ-France 2 CINÉMA–PLAYTIME PRODUCTION-SCOPE PICTURES

『君の名前で僕を呼んで』Blu-ray&DVD好評発売中(レンタルは TSUTAYAだけ)
DVD:3,900円(税込4,290円)
Blu-ray:4,800円(税込5,280円)
デジタル配信中
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ
セル発売元:ハピネット
© Frenesy , La Cinefacture
監督・脚本:ルカ・グァダニーノ
脚色:ジェームズ・アイボリー
出演:ティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー、マイケル・スタールバーグ、アミラ・カサール
原題:Call Me By Your Name
2017年/イタリア・フランス・ブラジル・アメリカ/132分

『恐竜が教えてくれたこと』DVD好評発売中
4,180円(税込)
販売元:TCエンタテインメント
© 2019 BIND & Willink B.V. / Ostlicht Filmproduktion GmbH

監督:ステフェン・ワウテルロウト 脚本:ラウラ・ファンダイク 原作:アンナ・ウォルツ「ぼくとテスの秘密の七日間」(野坂悦子訳、フレーベル館)
出演:ソンニ・ファンウッテレン、ヨセフィーン・アレンセンほか
2019年/オランダ/カラー/84分/
英題:My Extraordinary Summer with Tess

『おもかげ』DVD好評発売中
3,900円 (税抜)
発売元:株式会社ハピネットファントム・スタジオ
販売元:株式会社ハピネット・メディアマーケティング
©︎ Manolo Pavón
監督・脚本:ロドリゴ・ソロゴイェン
共同脚本:イサベル・ペーニャ
撮影:アレックス・デ・パブロ
製作:マリア・デル・プイ・アルバラド
出演:マルタ・ニエト、ジュール・ポリエ、アレックス・ブレンデミュール、アンヌ・コンシニ、フレデリック・ピエロ
2019年/スペイン・フランス /129分

『ブレス 波の彼方へ』絶賛配信中
© 2017 Screen Australia, Screenwest and Breath Productions Pty Ltd

原作:「ブレス」ティム・ウィントン
監督:サイモン・ベイカー 脚本:ジェラルド・リー、サイモン・ベイカー、ティム・ウィントン
音楽:ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ 撮影:マーデン・ディーン
出演:サイモン・ベイカー、エリザベス・デビッキ、サムソン・コールター、ベン・スペンス、リチャード・ロクスバーグ
2017年/オーストラリア/115分/原題:Breath

  • 取材・文睡蓮みどり

    女優・文筆家。1987年横浜市出身。早稲田大学在学中にグラビアアイドルとしてデビューしたのち、映画を中心に女優として活動。「キネマ旬報」の星取りレビューを担当するほか図書新聞で「シネマの吐息」連載中。著作は『渇愛的偏愛映画論 溺れた女』(彩流社)がある。

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