木村拓哉のタマホーム記事で思い出す「キムタクの家」都市伝説
木村拓哉が別荘を“贈呈”されていたことが話題になっている――。
『週刊文春』(8月12・19日号)が報じたところによれば、木村がCMキャラクターを務めていた住宅メーカー『タマホーム』が山梨県・鳴沢村にある別荘地の一角に木村のために別荘を建ててあげたというのだ。
『文春』の誌面に打たれたタイトルは、
《キムタクにバス釣り別荘を捧げたタマホーム社長》
実に微妙だ。“捧げる”とはどういうことなのだろうか。与える、差し上げるという意味もあるがこの言葉にはどことなく高尚なイメージが付きまとう。
なぜ“贈呈”ではなく“捧げる”だったのか。
「木村さんがCMに出演してくれたおかげで、タマホームの認知度が上がったことによって、感謝をしているという文脈で読ませる意図があったのかもしれませんが、タダ、つまり無償であげたという意味合いを薄くしたかったのではないでしょうか。
タマホームの関係者から情報提供があったものの、4000万円ほどと見られる建築費と備え付けられた家具の代金をタマホーム側が負担したかどうか、ウラが取れなかったんでしょうね」(週刊誌記者)
ジャニーズ事務所は、
《一般的で適正な金額として提示されたお見積もりに基づく対価をお支払いしており、不相応に高額な贈呈品を受けてきた事実もございません》
と同誌の取材に答えている。
『文春』の記事にもあったが、腕時計や洋服のCMに出演した芸能人が商品を寄与されることはよくある話。それが別荘となると確かにスケールが違うが…。
「別荘となれば一般的な車と比べ物にならないほど高額です。それをタダでもらったとなれば問題かもしれませんが、さすがに木村さんはそんなことはしないでしょう。彼はいろいろバッシングされることはあっても、法に触れる、あるいは倫理的に問題があると見られるようなことは絶対しない。
静香さんもそのあたりのことはしっかりしていて足元をすくわれないように神経を使っていますよ。今までそのような疑惑が報じられて叩かれたことは一度もないでしょ」(同・芸能プロ関係者)
そもそも『文春』が報じたかったのは、パワハラではないかと問題視されている『タマホーム』社長・玉木伸弥氏の行状。その取材の過程で出てきたのが木村の“別荘”だったようだ。
木村にとってもらい事故みたいなものだったために、この件に関して後追いするところはほとんどなく、代わりに再燃しているのが“キムタク都市伝説”だ。
キムタクの都市伝説といえば、「関東近県の20か所に別荘を持っている」と言われていた話。それは別荘にまつわる話だったために今回の報道と結びついたわけだ。今ではほとんど聞かれなくなったが、二人が結婚した後、最初の頃は別荘ではなく単に家を建てたという噂がたった。それは彼が妻・静香の実家に住んでいたため、そこを出て夫婦で住む新居を建てたということだった。
やがて“別荘購入”の噂が度々噴出。その場所は広範囲にわたっていた。ただどれも彼ら夫婦の趣味に関係した場所に限定されていた。
二人がサーフィンを楽しむのはほとんど千葉方面だったので、海岸にも近くゴルフ場も側にある別荘地にスペイン・コロニアル様式の家を建てたという情報を入手したことがあった。現地に行ってみると確かに赤い屋根に黄色い壁、白い窓枠という南欧風のモダンな建物があったのだが、所有者は有名なIT系の会社となっていて、しかもその会社は四国に本社があった。何となく怪しい気がしたがそれ以上のことはわからず、張り込んでいてもキムタク夫妻の姿を見ることはなかった。
同じようにバス釣りが趣味であることから、琵琶湖のほとりに立つ超高級マンションの最上階を購入したという噂も流れたことがある。これも調べてみると、所有者は某有名企業の会長。この件に関しては最初に琵琶湖でバス釣りをしている木村の目撃情報が頻発したからであるが、実はバス釣りのエキスパートである“キムタクのそっくりさん”が関西にいたというオチがついている。
また、関西の大物芸人が、自分の住むマンションに木村が出入りしているらしいという話をしたために、関西に別宅があるという噂が流れたこともある。
それ以外にも静岡県や沖縄県などでも、噂になったことがある。地方に取材に行くと、タクシーの運転手さんが、
「ここがキムタクが買った家(別荘)ですよ」
というのは、“芸能記者あるある”だ。また、関東近郊にタワーマンションが建つと、なぜか
「最上階をキムタクが買った」
という噂が立ったことは数知れない。そのたびに聞き込み取材や登記簿を閲覧するが、彼が所有したという物件にたどりついたことはないのだが…。
今回の報道で、実際に別荘が河口湖にあることが判明したが、これで都市伝説に終止符が打たれたのではつまらない。まだまだ何か所か、さらに海外にも…。そんな都市伝説が次々と出て来ること自体、キムタクがスーパースターである証なのだから――。
- 文:佐々木博之(芸能ジャーナリスト)
- 写真:原一平
芸能ジャーナリスト
宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。最近は、コメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中