菅義偉政権「敗北覚悟のブチ切れ解散」断念の舞台裏 | FRIDAYデジタル

菅義偉政権「敗北覚悟のブチ切れ解散」断念の舞台裏

横浜の惨敗でついに「キレた」…解散未遂の夜

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政権発足以降、支持率をぐんぐん下げ続けている菅義偉首相が、ついに「解散」を決めた…という情報が永田町を駆け回った。

史上最長だった安倍晋三による疑惑まみれの政権を引き継ぎ、「仕事をする叩き上げ」として誕生した菅政権。当初は「パンケーキおじさん」「苦労人」などと持ち上げられ前任の「世襲ブルジョワ」との対比もあって、けっこうな人気だった。わずか11ヶ月前のことだ。

ついに「ブチ切れ」た菅義偉首相。最後の手段「ブチ切れ解散」で、「菅下ろし」の沈静化を図るが…背景にうっすら見えるのは「次期総裁」候補の岸田文雄政調会長 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

新型コロナ対応の失敗にともなって、発信力の低さが取り沙汰された。内閣支持率が下がるなか、8月22日の横浜市長選挙で、菅首相が全面支援を打ち出した腹心・小此木八郎前国家公安委員長が大敗、ついに「ブチ切れ」た。「菅の顔では選挙を戦えない」という党内の声に抗うため、解散という伝家の宝刀を抜く…という話が聞こえてきたのだ。

五輪強行に続き「解散」恫喝を狙う

自民党有力幹部が言う。

「菅総裁と二階幹事長が、党本部で今後の政治日程を詰めることになりました。が、その中身は総裁選飛ばしのための解散総選挙。その時期を話し合うことになります。安倍、麻生、二階のトロイカが必死に『菅下ろし』の声を封じ込めようとしているのですが、国会議員383票、党員383票が菅首相に向かず、どのような投票行動になるのか、今やまったく読めない。このことに執行部はかなり慌てているんです」

党内ガバナンスの回復と、立憲民主党と共産党の選挙協力を阻止するため、9月の早い段階に臨時国会を開き解散を宣言することで、菅首相が自民党を掌握する…そんな強硬手段に打って出るのでは、というのである。

総理の椅子にしがみつくために、この国難の時期に解散とは。

「こんな身勝手な解散宣言を国民が許すわけありません」(自民党関係者)

早期解散作戦を封じられ命脈が尽きた

「今解散をしたら、新型コロナの政府対策に不満が爆発して『菅拒否票』が吹き出した横浜ショックの二の舞だ。しかも、緊急事態宣言地域を拡大した直後では、感染症対策を政府が放棄したと捉えられる。『勝てない勝負』になるのは、火を見るより明らか」(自民党閣僚経験者)

コロナ禍の総選挙、自民党は圧倒的に分が悪いと予想されている。早くから「自公で過半数維持」とハードルを下げていたが、いまやその程度ですむ状況ではない。東京、神奈川、千葉、埼玉の首都圏だけで40議席減、全国では60以上の議席を失うという絶望的な選挙予測になっている。

「自民党始まって以来、最大級の逆風選挙になりますね。安倍チルドレンをはじめとする3回生がバタバタ落ちていきますよ。ベテランだって、落選の可能性があります。今、解散をちらつかせるのは策略です。『選挙前に総裁選を行い、新政権を発足させて選挙に挑みたい』という中堅、若手議員の意見を封じ込めようとする策略でした。

けれどもそれも通らなかった。24日夜、菅首相は党内世論に抗し切れず、早期解散を断念させられることになった」(自民若手議員)

起死回生の「ブチ切れ解散」を封じられた菅首相。解散はあっけなく撤回させられた。菅首相の「最後の手段」は未遂に終わった。

10月総選挙でも有権者は忘れない

「苛立つと周囲を怒鳴りつけ、キレると手がつけられない」とも言われる菅首相。

「いまや、菅首相の唯一の話し相手で知恵袋といわれた和泉洋人首相補佐官とでさえ、会話が途切れています。菅シンパの議員からは、電話やメールで様々なサゼスチョンがありますが、こうした連絡も遮断し、返信していません。ここまで頑なになってしまったら、アンコントロールから滝壺に落ちていく最悪の事態を招くことになってしまいます」(官邸スタッフ)

感染の拡大が止まず、まもなく小中高校の夏休みが明ける。懸念される「子ども感染」のリスクが大きくなる。昨年春からキャンパスに通えていない大学生、店を開けられない飲食店…。なにより、医療に結びつけず、自宅で療養している国民も多い。

「衆院総選挙を10月に先延ばししたのは、ワクチン効果によって事態が好転しているだろうと期待しているからです」(自民関係者)

これが、菅首相が考え抜いた「政権延命の唯一の道」だったのだ。しかし、菅・二階の狡猾は有権者に見抜かれている。

「今ごろになってようやく、酸素ステーションを設置しました。感染症法に基づく民間医療機関への協力要請などは半年前にやっておくべき施策です。安倍・菅の自民政権がコロナ禍に行った国民軽視の政府対策を、有権者が忘れることないでしょう…」(公明幹部)

「ブチ切れ解散」もできず、延命のために選挙を弄する。総選挙がいつであれ、菅首相は強制退場させられることになるかもしれない。

  • 取材・文岩城周太郎写真代表撮影/ロイター/アフロ

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