海老蔵、綾野剛、玉木宏…ヒゲの似合う名優の「ダンディな瞬間」
今年夏の夕暮れ、都内のジム前で出くわしたのは市川海老蔵(43)――だったのだが、少しヘンだ。よく見ると、トレードマークの坊主頭ではなく短髪で、アゴや口の周りにはヒゲが生えている。
「手にしたタブレットに貼られたステッカーは、『B-SIDE LABEL』という人気クリエーター集団が販売しているもの。5000種以上もバリエーションがありますが『両足で股間を隠す女の子』などデザインがヤンチャで、ITエンジニアの間で大流行しています」(中堅SE)
サングラス&無精ヒゲの海老蔵は決まっている。ひところ流行った「ちょいワルおやじ」のようだ。
「自身のYouTubeでも告知していましたが、海老蔵は3ヵ月かけて髪を伸ばすという”ミッション”の真っ最中なんですよ。髪の4割近くが白髪だそうで、伸ばすと目立ってイヤだから丸坊主にしていたんだとか。ただ、それも飽きたんでしょうね。髪を伸ばしてから、染める計画だそうです」(テレビ局関係者)
名俳優には、ヒゲがよく似合う。ワイルドに、そしてダンディにーー。街で目撃したヒゲを生やした名優からは、圧倒的な存在感が伝わってくる。秘蔵写真で魅力を紹介したい。
白ブリーフ1枚で熱演
19年10月、車に乗り込んだ知人を見送る男性からは、異様なオーラが伝わってくる。肩まで伸びた長髪に、真っ黒なヒゲを生やした俳優の山田孝之(37)だ。
「山田は映画『全裸監督』で、役者として一皮むけました。同作は、作家・本橋信宏氏の著作『全裸監督 村西とおる伝』が原作です。80年代のバブル期を舞台に、AV界に君臨した村西とおると仲間達の熱狂ぶりを描いた物語。AVの撮影場面を始め、地上波では絶対に放送できない内容を映像化して世界190ヵ国で配信しています。
シーズン1は全8話。1話あたり数億円とも言われる潤沢な予算で、喧騒に満ちた新宿歌舞伎町を再現しています。ハワイロケも敢行するなど、日本のテレビ・映画界では考えられないスケールで描いた壮大な群像劇です」(テレビ誌記者)
山田は白ブリーフ1枚の姿で、村西とおる監督役を熱演。ヒゲだらけの表情からは、その余熱が伝わってくるようだ。
薄ヒゲにサングラスのド迫力
玉木宏(41)を神奈川県横浜市内で目撃したのは、20年10月のこと。撮影に臨む彼は、薄ヒゲにサングラスと迫力満点のビジュアルだ。傍らには川口春奈がいたが、待ち時間も2人は私語を交わすことなく演技に集中している。
「20年秋のクールに放送された、ドラマ『極主夫道』(日本テレビ系)のロケですよ。玉木演じる元極道で専業主夫の主人公が、さまざまなトラブルを解決していくコメディです。同名コミックの原作を意識し、髪形、ヒゲなど玉木は細部まで役作りにこだわったそうですよ。その甲斐あって原作の主人公にソックリだと評判でした」(日本テレビ社員)
名優は「極道姿」も様になる。
高級ブティックで買い物1時間
おしゃれなブティックが立ち並ぶ東京・南青山。20年1月の正午前、超高級ブティック『R』に入っていく薄ヒゲ姿のイケメンが。綾野剛(39)だ。
「『R』は、フランス発のブランド。非対称やあえて重心を下げたデザインなど、個性的なモードファッションを展開しています。ブラッド・ピットなどハリウッドセレブのファンも多い。Tシャツが4万円、靴下が2万円するなど、値段もセレブ級です」(ファッション誌編集者)
送迎車を路上駐車したまま、運転手とともに約1時間買い物を楽しんだ綾野は、笑顔をのぞかせ小さな紙袋を手に店を後にした。『R』は、レディースも展開しているだけに、誰かへの贈り物か。それとも、直後に誕生日を迎えた自分へのプレゼントだったりして。
役柄のため、自身のイメチェンのためーー。俳優たちがヒゲを生やす理由はまちまちだろう。だが、一様に似合っているのはさすがと言うほかない。
撮影:榎原優美 等々力純生 西 圭介 近藤裕介写真:アフロ 西村尚己/アフロ つのだよしお/アフロ