なぜ いつも同じ場所なの? ドラマのロケ地を巡る不毛な闘い

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品川シーズンテラスは『逃げ恥』の有名なハグシーンなど100作近いドラマに登場する。一般客の目に触れず、ロケ現場まで行ける動線も演者に好評だ

ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で知られる脚本家・野木亜紀子のツイートが話題になっている。

〈見学者が集まってしまうとご近所迷惑にもなるし撮影できない。逃げ恥の時もロケを飛ばして室内に変えざるをえないことがありました。撮影しにくい時代〉

と、彼女が現在、担当している『獣になれない私たち』(日本テレビ系)のロケに支障が出ていると、苦言を呈したのだ。

制作スタッフが溜息を漏らす。

「SNSの普及によって、撮影場所などがリアルタイムで拡散されるようになってしまいました。ジャニーズや旬の俳優が出演する作品のロケの場合、何百人と野次馬が集まってしまい、近隣住人からのクレームどころか、収拾がつかずに撮影がストップすることもある。かつて映画『新宿スワン』が浜松(静岡)でロケをした時、伊勢谷友介が頭を下げてお願いしたにもかかわらず、見学者からの野次が止まらず、撮影が中断されました」

 “聖地巡礼”と称する撮影地巡りがファンの間で定着しているが、一部のマナーの悪い人物のせいで撮影許可自体が下りないケースが増えているという。

「とくにジャニーズ系のタレントが主演する作品は許諾を取りづらい。ロケ地が飲食店の場合、店に侵入して写真だけ撮って帰ったり、立ち入り禁止エリアに入る輩(やから)がいたらしく、『営業に支障が出る』という理由で断られるのです。’15年に放送された相葉雅紀主演の『ようこそ、わが家へ』(フジテレビ系)は野次馬対策として本牧(ほんもく)(神奈川)の空き地に住宅街のセットを建てて撮影しました。念のため、セットの周囲に柵(さく)を巡らして外からは見えないようにしていたのに、なぜかファンが殺到。本物の住宅街で撮影していたら間違いなく大トラブルになっていた……」(フジテレビ関係者)

そのため、貸し切りにできるロケ地に人気が集中するのだが、複数のドラマで舞台が同じになる「ロケ地被り」という悲劇が生まれている。

「『逃げ恥』などで使用された大型複合ビル『品川シーズンテラス』は公園エリアのほか、早朝や週末ならばオフィスビル部分での撮影も可能。重宝しています。他にもスーパーなら足立区のB、料亭なら埼玉のTといったように、撮影に協力的な施設にどうしてもロケの申請が集中するのです」(キー局スタッフ)

ロケ地問題で唯一、明るい話題があるとすれば自治体とのタイアップだろう。昨年放送された『陸王』(TBS系)は行田市(埼玉)の協力を得て、大規模撮影を敢行。最終回で視聴率20%超えを果たしたドラマの人気もあって、経済効果は10億円を超えたと言われている。

「ただ、地方で長期ロケできるのは一部の話題作だけ。予算の少ない作品は都内近郊で安く収めるしかない。来年、フジテレビオンデマンドで配信予定の『夫のちんぽが入らない』はタイトルが刺激的すぎて撮影許可がなかなか取れず、苦戦していました」(前出・フジ関係者)

ロケ地を巡るドラマスタッフの不毛な闘いはまだまだ続きそうだ。

PHOTO:木村一樹

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