刑務所の「元同僚」が明かすリアルナンパアカデミー塾生の衝撃素顔 | FRIDAYデジタル
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刑務所の「元同僚」が明かすリアルナンパアカデミー塾生の衝撃素顔

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羽生容疑者は取り調べに対して「女性を100回ほど部屋に連れ込んだ」と自供(写真:本人のSNSより)
羽生容疑者は取り調べに対して「女性を100回ほど部屋に連れ込んだ」と自供(写真:本人のSNSより)

8月6日、小田急小田原線の車両内において、乗客10人が刃物で切りつけられるなどして重軽傷を負った無差別刺傷事件。殺人未遂容疑で逮捕された対馬悠介容疑者(36)は「約6年前から、幸せそうな人間、主に女性を殺してやりたいという感情が芽生えた」と女性への身勝手な恨みを供述しているが、いっぽうで“ナンパ師”だったという過去も掘り起こされている。

そんなナンパ師を育成する塾『リアルナンパアカデミー(RNA)』を運営していた塾長の渡部泰介被告は、ナンパした女性を酩酊させ抗拒不能状態にしたうえ性的暴行を加えたとして2018年に逮捕され、のちに20代の女性3人に対する準強制性交等罪で起訴された。

渡部被告は否認していたが、一審・東京地裁は暴行を認定し、懲役13年の判決を言い渡している。被告側が控訴するも、今年6月、東京高裁は一審判決を支持し控訴を棄却。現在、最高裁に上告している。

そのRNA塾生の一人で、2人の女性に対する準強制性交等罪と集団準強姦罪に問われ、2018年に懲役7年の判決を言い渡された元会社員の羽生卓矢(当時33)は、現在、関東地方の刑務所で服役している。

同房で過ごしていたという出所者・Aさんが羽生の衝撃の素顔を赤裸々に語った――。

エリート意識

羽生受刑者は逮捕されるまでコンサルタント会社の社員として稼働していた。そのエリート意識のせいか、刑務所でも「自分より下の人を攻撃する」傾向があったとAさんは語る。

「彼の一番すさまじいところは、弱いものに対しての攻撃性ですね。高齢受刑者とか、自分より弱いやつだと分かった瞬間にすごい攻撃するんです。彼がやった事件は女性が被害者でしたよね。力で見れば自分より弱かったりするじゃないですか。そこと共通するところがあるし、弱いものに対する攻撃性は治ってないですね」(Aさん)

2018年当時は渡部被告だけでなく、同塾にてナンパ術を学んでいた塾生ら10数名が立て続けに逮捕され、のち起訴されたものは実刑判決を受けた。彼らの公判で明かされたRNAの手口は共通していた。繁華街で女性をナンパし、店で飲んだのち、近隣のホテルや、RNA所有の通称“ハウス”と呼ばれる部屋に女性を連れ込む。ダーツゲームやカードゲームをを持ちかけ、負けるとウオツカやイエーガーなど度数の高い酒を飲むルールで女性を酩酊させたのち、性行為に及ぶのである。

ある被害女性は、ダーツに勝ち続けたため、塾生らは急遽、カードゲームに移行し、共犯と手札をメールで教えあうなどして女性を負けに追い込んだ。さらに性行為を動画などで記録し、その後それをRNAのグループラインに送信していたことも明らかになっている。これは『和姦の証拠を残す』という塾長の教えによるものである。ハウスは東京・新宿区だけでなく大阪にもあった。

女性との性交は「ゲット」、またナンパしてその日に性交する場合「即」と言われ、RNAは「即」の「ゲット数」を競わせていた。そのために確立されたメソッドが、女性を酩酊させ抗拒不能にさせたのちに性交に及ぶという犯罪行為だ。

こうした手口で女性と性交を行っていた羽生受刑者は、女性がナンパに“応じた”という意識を持っているのか「来る女だって遊びたいんだから」と女性を軽視する発言も聞かれた。

犯した罪についてAさんが話を振ることもあったというが、その際、羽生受刑者はこう言ったのだという。

「あれは犯罪だったんですかね。犯罪だって分かってたらそんな馬鹿げたことやんなかったんですけどね。いろんなことは勉強してても、そこはちょっと勉強不足でしたぁ」

それを聞いたAさんは驚きながらも、刑務所でどう過ごしていくのか尋ねたところ羽生受刑者は「いや〜もう来ちゃったからしょうがない、資格取ろうかと。まあいい勉強時間だと思いますよ」と悪びれた様子もなく笑いながら答えたそうだ。

「来て早々『簿記取りますから』とか頭いいアピールしてましたよ。勉強しなくてもこんなの取れますから、とか言ってました。あとは中でお菓子を食べることが僕のモチベーションです!とか話してたんで、自分に甘いんだなと。これで受刑生活送って、何かが変わると思いますか? でもこういう人がいっぱい世に放たれるんですよ。だからそれを自分はどうにもできないですけど、それが現実だってことを知って欲しいなと」(Aさん)

被告人から受刑者になり、身柄が拘置所から刑務所に移る際、性犯罪を犯したものたちには、ある傾向があったとも、Aさんは言う。拘置所で購入または差し入れしてもらっていた「エロ本」を、刑務所にも持ってくるのだ。

「これは100パーセントでそうでした。全員エロ本を持ってきます。ちなみに羽生は制服ものでしたね。若い子好きでしたね。あとキャバ嬢みたいのが好きみたい。変わってねえんだなやっぱり、って思いましたよ」(同)

羽生受刑者は元コンサルというキャリアを刑務所でも活かすことがあった。受刑者が食堂に集まっている際に、皆に向かって説明する係に任命されることがあったという。

「10分で終わりにしろって言うとピッタリ10分で終わらせるんですよ。コンサルとかやってたからプレゼンは得意なんでしょうね。そういう姿を見せるときは羽生先生って呼ばれてました」とAさんは振り返るが、

「塾の講師が生徒に説明するように説明するんです。口調もモロにそんな感じで、すごい高圧的になるんです。特に弱い人たちに冷たいというか『自分のことできなかったらじっとしてればいいんだよ、おめえなんか』とか言うんですよね」

と、やはり受刑者を見下す態度を取る様子を見てきたのだという。

「外部交通が許されている家族にまめに手紙を書いていました。字がすごく小さくて均一で印象に残ってますね。ただ見てきた限り、やってることが悪いっていう意識がない。あとはたぶん、我慢ができないのかな。怒ることに対しても我慢しない。ヒステリックだったり、ちょっと何かあるとキッて顔が変わったり、攻撃したりとか。多分そこが治らない限り、またなにかやる可能性があるでしょうね」(Aさん)

Aさんの予言が当たらないよう、羽生受刑者には服役中に自分の犯した罪の大きさを知って欲しいと願わずにいられない。

  • 取材・文高橋ユキ

    傍聴人。フリーライター。『つけびの村 噂が5人を殺したのか?』(晶文社)、『暴走老人・犯罪劇場』(洋泉社新書)、『木嶋佳苗 危険な愛の奥義』(徳間書店)、『木嶋佳苗劇場』(宝島社)、古くは『霞っ子クラブ 娘たちの裁判傍聴記』(新潮社)など殺人事件の取材や公判傍聴などを元にした著作多数。

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