「総裁選の結果次第で分裂も」自民良識派議員が予見する最悪の危機 | FRIDAYデジタル

「総裁選の結果次第で分裂も」自民良識派議員が予見する最悪の危機

当選11回、議員歴35年のベテラン・村上誠一郎が語る「日本のこれから」

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〈自民党は「総裁選」のまっただ中にある。さまざまな思惑が渦巻く今、党内で何が起き、日本はどこに向かおうとしているのか。1986年の初当選以来、愛媛2区、自民党一筋で11回連続当選中、「自民党ひとり良識派」といわれる村上誠一郎代議士に聞いた〉

議員歴35年のベテラン・村上誠一郎代議士は「もう自民党の理屈は通らない」と覚悟する。「学びを軽視してはいけない」という良識派の思いをきいた

派閥に属さず、体制に批判的な立場も辞さない村上誠一郎元内閣府特命担当大臣の政治モットーは、宮沢賢治の言葉「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」。総裁選まであと1ヶ月の今、自民議員として、政治家として、国民に伝えたいことがある、という。

もう「自民党の理屈」は通らない

「これまでの自民党の理屈は、もう通らなくなりました。

新型コロナウイルスの世界的な流行が、世の中を大きく変えたんです。これまで経験したことがない社会、政治情勢に我々は直面しています。その結果、これまでの政治、これまでの自民党ではいけない。変わるために、今こそ総裁選をやらないわけにいかない、やるべきなんです」

――続投を目指す菅首相の総裁選出馬をどう見ますか。

「ワクチン接種が間に合わず、未曾有の感染拡大となった責任は取らなければならないと思います。予防のためのワクチン確保が、他の先進国に比べ数ヶ月遅れたことは首相も会見で認めておられる。そして感染された方が病院に拒否される、自宅で亡くなるといった問題が起きている。社会保障制度の崩壊はあってはならない。医療崩壊を招いた政府の責任について、国会議員、党員·党友に信任を問われてしかるべきと考えます」

――国民の声が、菅政権には届いていないという批判があります。

「菅政権発足後、北海道、広島、長野の3つの補選、都議会議員選挙、横浜市長選挙と大きな選挙すべてに負けています。有権者は、菅政権ではダメだと態度表明しているのですから、リアルな声として真摯に受け止めなければならない。緊急事態を宣言しても感染症が拡大し、宣言地域はなお拡大と期間延長になった。政府対策は失敗したことを潔く認め、政権を退くことが政治家の責任の取り方だと、率直に思う」

疫病のあとに独裁国家が生まれる

では、次の自民党の総裁、つまり政権を担うのに望ましい人材は。

「岸田文雄さんが政調会長、私が総務会のメンバーだったころから、彼とは膝詰めで話し合っています。

コロナ後の日本、ポストコロナに向けてもっとも重要なのは財政金融の立て直しです。歴史を振り返ればわかることです。過去に起きた戦争の背景には必ず、未曾有の経済危機があります。経済不況になると経済弱者、つまり多くの人は、決定の意思をあまりにあっけなく『誰か』に委ねてしまう。生活に余裕がないからです。ヒトラーが台頭したのも、そのような経済不況があったから。

そういう歴史から学ぶことが大切です。大きな世界観、小手先ではない政治の視点を深く理解しているのは今、岸田さんしかいないと私は見ています」

――二階幹事長、安倍晋三前首相、麻生太郎副総理は、多数派工作によって国会議員の300票を固めているといいます。そうなると菅政権続投の可能性が高いのでは。

「総裁選の後すぐに、総選挙を控えています。地元に戻った議員たちは、私を含めみんな必ず『あんたは総裁選で誰に一票を投じたのか』と聞かれるでしょう。

そのとき、菅支持か岸田支持かで有権者の評価は大きく分かれるはずです。二階幹事長、安倍前首相、麻生副総理各派が安易に『菅続投』で一本化できないのも、同じ理由です。このことをどのように見るか。わたしは、党員·党友の過半数は岸田さんに投票すると確信しています」

「新党」結成の可能性すら視野に

――これまでの自民党は、執行部の絶大な権力に押し切られてきました。

「自民党は今、かつてない危機に直面しています。それは、議員全員、自覚しています。このまま旧態依然としたことをやっているのであれば、たいへんなことになる。総裁選の結果しだいでは、党が分裂して『新党』が誕生することもあり得ると私は見ています」

「誰よりも自民党を愛している」という党の重鎮、村上誠一郎氏のこの大胆な発言を、党幹部はどう受け止めるだろう。自民党が今、最大の危機であることは誰の目にも明らかだ。では、誰に、あるいはどの党にこの国を任せられるのか。

選択肢は、既存の党派だけではない。そのことは大きな希望にも見える。走り出した総裁選。自民党の見識と良心が試されることになりそうだ。

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