ワクチンの仕組みをマンガで読み解く「コロナマンガ大賞」の舞台裏 | FRIDAYデジタル

ワクチンの仕組みをマンガで読み解く「コロナマンガ大賞」の舞台裏

医師監修の学習マンガが爆誕…!

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「新型コロナワクチンの接種が始まったころアメリカでは、スーパーヒーローが『マスクを付けて君もヒーローになろう!』という広告が出ました。SNSではワクチンを接種した筋肉質の男女が力こぶを作った画像が拡散されていました。アメリカ人の共感を呼ぶのがスーパーヒーローなのだとしたら、日本の場合はなんだろうと考えると、それはマンガしかない! と思いました」

こびナビが主催した「コロナマンガ大賞」の受賞作が決まった。アメリカでは「グラフィック・メディスン〜画像で医療情報を伝える」試みが盛んだという。ワクチンの知識を伝える新しいツールの誕生だ

そう語るのは、ハーバード大学で小児精神科医を務める内田舞医師だ。自身も妊娠中に新型コロナワクチンを打ち、自らの体験を公開した。一時、SNSでバッシングにさらされもしたが、今も情報発信を続けている。

新型コロナの情報を発信している医師グループ「こびナビ」が、「コロナマンガ大賞」を開催した。1カ月ほどの募集期間に、集まったのは99作品。審査員も兼ねた「こびナビ」副代表の木下喬弘医師は、こう語る。

「新型コロナの正しい知識、難解なmRNAワクチンの仕組みが理解されるのか、そしてそれがマンガにできるのか…不安もあったのですが、応募作の多くはワクチンのことをよく理解し表現していました。それがまずうれしかったですね。

大賞は「15(いちご)」さんによる、『【衝撃の真実】【漫画でわかる!】新型コロナウイルスワクチンの正体』に決まりました。

応募作の多くが、『mRNAは使われたらすぐに消えてしまうため、長期的な影響は考えにくい』『mRNAは核の中には入れない仕組みがあり、ヒトの遺伝子が書き換えられる心配はない』といった正しい情報を伝えています。

マンガという表現によって、理解が難しいような内容も、多くの人に伝えられるという実感があります。特に大賞作品は、科学的な正確さとわかりやすさ、マンガとしての面白さ、そしてワクチンを打つことの大切さを表現した、素晴らしい作品でした」

大賞作品は、審査員の全員一致で決まったという。多彩なメンバーが審査に参加した。

マンガのプロ、医療のプロ、マンガ好きなど多彩な審査員が審査にあたった

「スラスラ読めて頭の中に入ってくるだけでなく、感情も込められていて読者に伝わるんじゃないかと。最後にギャグが効いているのもよかったです」(審査委員長:漫画家 こしのりょうさん)


「まず、作画のレベルが高い。情報が伝わるよう工夫がこらされている上、物語としての展開も良いですね」(株式会社コルク代表 佐渡島庸平さん)


「マンガと医療の学びの部分のバランスが良いし、この作者は、これから医療マンガが書けますね」(実業家 堀江貴文さん)


「スマホでの読みやすさを配慮したコマ数が素晴らしい。描いている内容も率直に一番勉強になる作品でした」(株式会社サイバーコネクトツー代表取締役社長 松山洋さん)

審査のようすは、Youtubeで公開されている。

小学生からの応募も

フリーテーマ部門賞はchikuさんの『スマイル~コロナ禍の漫画展』が受賞した。小学校の給食から話が始まり、コロナ禍に開催された個展について描いた作品だ。

イラスト部門には小学生からの応募もあり、幅広い年齢層から作品が寄せられた。部門賞には、はーこさんの「コロナに勝ったよ!」が受賞した。小学生らしい素直なタッチで、審査員のなかでもとくに松山氏、ゆうこす氏の強い推薦があった。

「マスクに“グッバイコロナ”と書いてあって、かわいくデコレーションをしていて、普段から(コロナ)対策をかわいらしくしている姿が想像できました。 “コロナに勝ったよ!”と言い切っている感じが希望を持てて良いですね」(タレント ゆうこすさん)

情報の新ツール「グラフィック・メディスン」

マンガというメディアでワクチンについて解説することの意義を医師たちは期待している。

「ふだん文章や口頭で情報発信をしていますが、医療知識を伝えることの難しさを感じています。今回多くの応募作品を読み、医者では考えられなかった視点から、mRNAワクチンの仕組みや流行下における経験や感情が表現されているのを見て、医療コミュニケーションにおけるマンガの力を感じました。

近年、医療情報を伝えるためにイラストや漫画を使う『グラフィック・メディスン』が注目されています。医者が書いた小難しい文章の羅列よりも、一枚の絵、短い漫画のストーリーの方がはるかに多くの人の心に届くことがあります。医者がクリエーターと一緒に、社会をよくするために発信していけるのではないか、そんな希望を持った企画でした」(こびナビ幹事 安川康介医師)

ゆうこす賞の『Dr.リボソームの遺志』やノミネート作品の『コロナのワクチンのはたらきを見てみたよ』(油沼)などは、ワクチンや細胞を擬人化し、ファンタジーとして仕組みを説明した。

「私が思い入れがあるのは、もちろん私をモデルにオクラさんが描いて下さった『母からの贈り物』です。妊娠中にワクチン接種をすると、お母さんがワクチンに反応して作った抗体が胎盤を通って赤ちゃんに渡り、赤ちゃんをも守ってくれます。そんなお母さんからの贈り物を愛溢れる絵にして下さり、感激しました」(内田舞医師)

「ワクチン接種は個人の判断」といわれ、接種を迷う人も少なくない。そんなとき、なにより正しい知識が判断を助けることはいうまでもない。

受賞作品は無料で読むことができる。新型コロナ、ワクチンに関する正しい知識を得るために、「マンガで知識をえる」という新たなチャンネルができたといえるだろう。

【受賞作品はここで読めます】

https://covnavi.jp/manga/nominate.html

【審査のようすも公開中】

https://www.youtube.com/watch?v=5M-nPGN3lcY

  • 取材・文和久井香菜子

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