2億円流出疑惑…日大のドンを追い詰める「側近の背任容疑」の行方 | FRIDAYデジタル

2億円流出疑惑…日大のドンを追い詰める「側近の背任容疑」の行方

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18年7月。アメフト部の危険タックル事件発覚直後、夫人が切り盛りする「ちゃんこ料理たなか」から姿を現した田中理事長

曇天の東京・杉並区の住宅街。東京地検特捜部の係員が、押収資料の入った段ボール箱を次々と運び出す。捜索を受けたのは、日本最大の教育機関、日本大学のトップ・田中英寿理事長(74)の自宅だーー。

9月8日、特捜部が家宅捜索したのは日大本部(東京・千代田区)や田中理事長宅など3ヵ所。日大医学部付属板橋病院(東京・板橋区、以下「板橋病院」)の建設費用をめぐり、不透明なカネの流れが判明。大学に2億円を超える損害を与えたとして、背任の疑いが浮上している。

「日大は19年に創立130周年を迎えた記念事業として、板橋病院の建て替え工事を計画していました。建設から50年以上がたち、老朽化が進んでいましたからね。大学は昨年、20億円ほどで都内の業者に工事の設計などを発注。その内2億円超が、不正に流出し大学へ損害を与えたとみられているんです」(全国紙社会部記者)

業者との契約にたずさわったのが、「日本大学事業部」(以下「事業部」)という日大が100%出身する関連会社だ。公式ホームページによると、同社は10年1月に設立された。大学のグッズ販売、保険代理事業、不動産など、さまざまな業務を展開。社員は47人で、日大の常務理事など取締役には同大の幹部が多数名を連ねている。

「設立当初の売り上げは数億円ほどでしたが、昨年は約68億円と急成長しています。学内の飲料水の調達や、美容院の経営、冠婚葬祭業にまでたずさわっているんです。大学の事務方からは『すべての物品購入は事業部を通して』と、強く言われています。ほぼ事業を独占しているため、費用が高くつくんですが……」(日大関係者)

ドンの「懐刀」

特捜部が注視しているのが、日大理事で事業部の取締役を務めるA氏だ。A氏は板橋病院の建て替えで、業者との契約に深く関与しているとみられる。特捜部は背任容疑の関係先として9月9日、兵庫県芦屋市にあるA氏の自宅や東京・杉並区にある親族宅を家宅捜索した。

「A氏は、『日大のドン』と呼ばれる田中理事長の側近です。事業部の売り上げを急伸させたことで信頼をえ、学内では田中理事長の『懐刀』と言われています。事業部のプロジェクトには、ほぼすべてにA氏が関係している。18年5月に起きたアメリカンフットボール部の危険タックル事件で理事を辞任しましたが、昨年9月に再選出されています」(同前)

側近の不正疑惑となれば、「日大のドン」が知らないわけがないーー。特捜部はそう考え、田中理事長の自宅を捜索したのだろう。

田中理事長は日大在学中、相撲部に在籍。3度アマチュア横綱になるなど34のタイトルを獲得し、卒業後の83年に相撲部の監督に就任している。以後、常務理事、校友会会長などを歴任し、08年にトップである理事長になった。

「田中さんは、スポーツ界を中心にとにかく顔が広い。学内の権力は絶大です。ただ『黒い噂』が報じられたこともあった。田中さんの行動は、国会でも問題視されました。13年2月に『読売新聞』が、大学の工事受注者から約500万円を受け取ったと報じたんです。詳しい報告を求めた文部科学省に対し、大学側は事実無根と説明しましたが、国会での議論の対象になっています」(同前)

側近により不正流出した疑いのある2億円は、どこに行ってしまったのだろうか。18年のアメフト部のタックル事件でホームページに謝罪文を掲載して以来、沈黙する「日大のドン」。今回は特捜部の捜査が、自身におよびつつある。

  • 撮影蓮尾真司

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