丸山ゴンザレスが切り込む…!ニッポンの「大麻産業最前線」の実態 | FRIDAYデジタル

丸山ゴンザレスが切り込む…!ニッポンの「大麻産業最前線」の実態

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人気番組「クレイジージャーニー」でおなじみの危険地帯ジャーナリスト・丸山ゴンザレス。今年5月に放送された同番組では、大麻が合法化されたアメリカ・カリフォルニア州の現状をルポし、その光と影に迫った。

その映像は日本列島に衝撃を与えたが、そんな丸山氏が「大麻産業のいま」についてさらに深く調査しようと次に向かったのは、名古屋だ。

名古屋に本社を構える「メイヂ食品株式会社」は、日本ではまだ珍しい、大麻由来成分「CBD」を使った食用油や軟膏を販売する会社だ。日本の「大麻産業の現在地」を知るため、丸山ゴンザレスが同社代表・高野泰年氏に話を聞いた!

タイがとんでもないことになっていた…!

丸山:コロナ禍でなかなか海外に取材に行くことが出来なくて、やきもきした日々を送ってるんですよ。でも、日本にいる時間が増えたことで、いまは日本の社会問題について改めて調べているところです。

高野:いつもご活躍を拝見していますよ。先日放送された「クレイジージャーニー」は衝撃的でした。やっぱり、直接現地で撮った映像は迫力が違いますよね。

丸山:そうなんです。ジャーナリストとして世界を飛び回って20年近くになりますが、近年、ある大きな変化を感じるようになりました。それは「大麻」をとりまく環境の変化です。その変化を見たくて、カリフォルニアを取材してきました。

これまではその酩酊効果から「危険な薬物」ととらえられる傾向が強かった大麻が、近年、大麻由来成分が持つリラックス効果や鎮痛作用などの治癒用途に注目が集まり、健康品や医療品への活用が積極的になされています。

たとえば欧米では、大麻由来成分を含んだオイルやクッキーなどの食品が普及していて、アメリカでは消費者の7人に1人がこうした製品を何らかの形で利用しているという調査結果もあります。またタイでは18年に大麻の医療目的での使用が合法化され、てんかんやパーキンソン病などの治療に応用されています。

世界的に見れば、「娯楽目的で酩酊成分の強い大麻」と「精神作用がほとんどなく、健康に有用な大麻製品」をわけようという考えが広まっているように思います。

海外での取材を進めるうちに日本の「大麻産業事情」に再び関心を持ち始めたという丸山ゴンザレス氏
海外での取材を進めるうちに日本の「大麻産業事情」に再び関心を持ち始めたという丸山ゴンザレス氏

高野:さすがに世界を飛び回っているだけあり、丸山さんはお詳しいですね。驚きました。

丸山:実はカリフォルニアだけでなく、タイの「大麻ビジネスのいま」を取材しようと計画を立てていたんですよ。タイは大麻関連産業を「経済の柱のひとつになる」と見ていて、1000億円市場が誕生するとも言われています。その実態を見てみたいなと。コロナで取材計画自体が消滅してしまいましたが(苦笑)。

高野:それは残念でしたね。ご承知かと思いますが、昨年12月に、国連がある画期的な決定を下しました。これまで大麻は国連麻薬委員会で「危険性が高く、医学的な価値がない薬物」という分類に置かれていたのですが、これが加盟国の投票の結果、「医学的有用性は認められるが、依存性が強く取り扱いに注意が必要な薬物」という分類に変更になったのです。

依存性の高さについては留意されているものの、国際機関で医学的な価値が認められたことは大きな変化です。こうした国際機関の認識の変化を背景に、各国で「大麻」に関する議論・研究が活発に行われるようになっています。

チケットショップを経営する一方で、大麻産業の可能性について研究・実践する高野社長
チケットショップを経営する一方で、大麻産業の可能性について研究・実践する高野社長

丸山:アメリカでは市場規模が兆円単位で拡大するとも予想されていて、有害性についての研究も含めて、産業・ビジネスとしての可能性についての議論が活発に行われている印象です。

一方で、世界が変わっていく状況を知れば知るほど、日本の現状はどうなっているのか。それを知りたくて、今日はお話を伺いに参りました。

高野:結論から言えば、日本の「大麻産業」は世界に置いて行かれています。

まず、「大麻」について詳しくない方のために基本的なことを説明させてください。

日本で「大麻」といえば、危険薬物、幻覚症状といったイメージが浮かぶ人が大半だと思います。実際日本では芸能人やアーティストが大麻所持で逮捕されてニュースになりますが、そういうニュースに接していると、「大麻=危険、違法」という理解をされるのは仕方ないと思います。

ただ、大麻といっても一口にはくくれない。大麻には大きく分けて酩酊作用のあるTHCと、酩酊作用がなく、リラックス効果があるCBDという二つの成分があります。

日本では酩酊作用のあるTHCを少しでも含んだ製品は、いっさい製造・販売ができませんが、リラックス効果があるCBD製品の販売・製造は可能です。

私たちが扱っているのは、CBD製品です。CBDを含んだ食用オイルや肌のトラブルに対処するバームなどを販売しています。念押ししますが、これらには幻覚成分がいっさい含まれていません。安心して使っていただけます。

弊社だけでなく、CBD由来の食品や化粧品などを取り扱った企業は日本でも少しずつ増えており、愛用してくださる方も着実に増えてはいます。しかし、後に述べますが、日本ではそもそも大麻草の栽培が厳しく制限されていることや、社会的に「大麻=危険なもの」というイメージが強いため、まだまだ普及しているとはいえない状況です。

産業としての可能性は秘めているし、効用も認められている。世界では活用の範囲が広がっているのに、日本は……。

ビジネスチャンスは無限大?

丸山:品質を維持・向上させるのが簡単ではない植物だから、その製品の普及はさらに難しいですよね。そんな環境のなか、高野社長はチケットショップの経営を行う一方で、2018年からCBDオイルの販売を始めたとのことですが、正直、日本で「大麻産業ビジネス」をはじめるのは大変な覚悟が必要だったんじゃないかと思うのですが、なぜ一念発起してCBD製品の販売を始めたのでしょうか?

高野:ビジネスとしての可能性を感じたから……といいたいところですが、現状、まだ儲かる段階にはきておりません(苦笑)。

このビジネスを始めた最も大きな理由は、まず、大麻草の歴史に魅力を感じたからです。のちに詳しくお話ししますが、大麻という植物は、歴史的に迫害を受けてきた植物だと思っています。デメリットばかりに焦点が当てられ、その効用が認められなかった。

ところが近年、科学の発展によりようやくその効用が裏付けられてきました。CBDはもちろん、THCにも医学的に高い効用があることがわかってきた。そこで、欧米を中心に「解放」の動きが出てきている。……こうした歴史的な視点から、大麻草に関わることに魅力を感じたのです。

先進国の中でも、日本はなぜか大麻についての議論が忌避され、CBD製品も広まっていない。効用があり、産業としての可能性もあるのだから、それを普及させなければいけないんじゃないか、挑戦する価値があるんじゃないか――。

そういう思いが強くありました。それに突き動かされて、このビジネスを始めたのです。

名古屋の中心部にあるアンテナショップ。一度利用すると、大麻関連製品のイメージがずいぶんと変わるのではないだろうか
名古屋の中心部にあるアンテナショップ。一度利用すると、大麻関連製品のイメージがずいぶんと変わるのではないだろうか

丸山:私の周りでもCBD成分の入った化粧品を使っている女性がいますし、徐々にTHCとCBDの違いについての理解も広がっている気がします。それでも日本では「大麻」という言葉に対するアレルギーが強すぎて、議論や理解が進んでいない感じを強く受けますね。

昨年取材で訪れた米・カリフォルニア州では、長年に及ぶ激論のはてに、ついに多くの国で禁じられている嗜好用マリファナ(酩酊作用のある大麻)を合法化するまでになりました。さすがに日本はそうはならないにしても、大麻産業の可能性についての議論さえ起こらない。こうした風潮が、今後変化していくと思いますか?

高野:実は今年はじめから、厚労省の委員会で大麻についての本格的な議論がようやく行われました。今年6月にまとめられた報告書の中では、てんかんなどの病気に効果があるのだから「日本でも医療用大麻を認めるべき」という提案がなされました。これはたいへん画期的で、医療現場で大麻成分由来の薬品が使われることで、世間の「大麻」という言葉へのイメージが変わるんじゃないかと期待しています。

それでも、イメージが変わるだけではまったく不十分です。医療現場で医療用大麻が使われるようになったとしても、また日本でCBD製品をもっと広く購入できるようになったとしても、日本で大麻の栽培ができるような環境が整わなければ、ただの「輸入製品」「一部の人の嗜好品」で終わってしまいます。現状、日本の大麻栽培は大変厳しい管理下に置かれていて、広がっていく見通しはありませんから。

高すぎる壁

丸山:日本は大麻の栽培に関しても、とてもネガティブでしたからね。

高野:戦前までの日本では、大麻は衣服の原材料として使われていたり、神事に用いられたりと生活に密着した植物だったので、大麻を育てる農家もたくさんいた。ところが戦後、薬物の蔓延を警戒したGHQが日本政府に大麻栽培の取り締まりを求めてから、大麻栽培は国の厳しい管理下に置かれることになりました。

現在も、神事などで大麻が欠かせないことから、いまも一部の農家には大麻栽培が認められていますが、戦前には数万人いた大麻農家は、現在30数名しかいないのです。

丸山:私も栃木で大麻栽培の研究に関わる人を取材したことがありますが、栽培を行うには何十枚もの書類を書いて届け出をしなければならないのはもちろん、盗難防止のための柵や監視カメラをもうけなければならない。そもそもの栽培が難しい作物であるうえに、様々な制約がもうけられている。これではコストに合うかどうかも分からないし、新たに始めようという人は現れませんよね。

高野:その通りです。少しずつですが、日本でもCBDについての理解は広まってきたと思います。リラックス効果や、美容にも効用があるということで、CBDの化粧品を使っているという方も増えてきました。でも、日本では制約があるから、製品のバリエーションにも限界があるんです。いずれは欧米のように、THCとCBDが混合した「本当の大麻油」を販売できるようにしたい。それが私の願いなんですが。

丸山:大麻を栽培する=「違法な薬物を栽培する」ととらえている人が多い現状では、なかなか難しいかもしれませんね。

今年9月、厚労省が畑への監視カメラやフェンスの設置といった厳しい規制について、各都道府県に「合理的な指導を超えた規制は緩和するように」という通達を出したとも聞きました。今後、農家と都道府県、厚労省の三者によって、大麻栽培のあり方について話し合われる見込みだというので、そこには注目していますが。

先日、大麻栽培に関わる人たちに送られた厚労省からの文書。「文化の存続」などの観点から、大麻栽培に関するルールの「見直し」について説明している
先日、大麻栽培に関わる人たちに送られた厚労省からの文書。「文化の存続」などの観点から、大麻栽培に関するルールの「見直し」について説明している

「最も健康的な国」だからこそ…

高野:私は、国がしっかりとした栽培・製品製造のルールや基準を設けて、「絶対に安全な仕組み」を考案すればいいと思うんです。そうすることで日本でも、行政の一定の管理のもとで大麻栽培が可能になり、THC成分が入った製品を取り扱えるようになればいい。これが私の本音であり理想です。

海外では利用が進み、産業としても大きく成長しているジャンルなのに、なぜ日本だけが「危険だから」という一面的な理由だけでこれを忌避しているのか、それが疑問なのです。

丸山:「大麻栽培が広まれば、必ず悪用する人が出てくる。闇ルートで危険な大麻が出回ってしまう」という懸念があるのでしょう。それも理解できますが、それこそしっかりとした生産管理体制を敷くことで、大麻が管理下を外れた流通をしない仕組みを作ることは可能じゃないか。こうした管理は日本の行政の得意分野ですから。

高野:せめて、まったく無害といっていい種からできる繊維用の大麻すら満足に栽培できない…この状況だけは何とかならないかと。そこは強く思います。

丸山:私自身も、国や行政はいま一度「産業としての大麻の可能性」について真剣に検討すべきではないかと思っています。

海外の大麻事情について現地を取材して驚くのは、栽培や流通がとてもシステマチックに整備されていて、農業ビジネスとして成立していることです。

ともすれば日本で「大麻栽培」と聞くと、ひと気のないところでこっそり行われているようなイメージが浮かぶかもしれませんが、海外の大麻生産業者は、工場みたいなところで、気温や湿度を調節できるような億単位の設備を導入して栽培をしている。

なぜこんなことができるかといえば、農作物としての大麻が儲かるからです。私が取材したある大麻農園の農園主は、『アイアンマン』の主人公のトニー・スタークが住む豪邸のようなところに住んでいました(笑)。それぐらい儲かっているということです。

高野:脱サラして大麻農家になったら大当たりした、といった話もよくあるようですよね。

丸山:CBD製品が普及している国では、大麻栽培には産業としての可能性がある、ということなんですよね。これは海外を取材すると、本当によくわかります。幻覚性のある大麻は別としても、CBD製品は日常に溶けこんでいてビジネスとして成り立っている。大麻繊維も同じで、高級車の材料にも使われていれば、有名ブランドのジーンズの素材としても使われていますからね。こうした流れは拡大傾向にあって、農家のなかには「IT革命以来の新産業だ」という人までいました。さすがにそれは大袈裟だと思いましたが(笑)。

ご存じの通り、日本は世界から「最も健康的な国」と思われています。もし純日本製のCBD製品や食品が一般的に製造されるようになれば、海外からの注文が多数来るなど、魅力的な輸出品となるかもしれない。

タイなどアジア諸国では、CBD製品の製造が本格化しています。また、中国も本格的にCBD市場への進出を検討しているという話も聞きます。これらの国では、CBD製品の輸出が産業の柱となる可能性だってある。アジア全体での「合法大麻市場」は1兆円はくだらないという予測もあるほどです。

その産業競争に、日本は取り残されてしまってもいいのか。日本の場合、どれくらいの経済効果があるのかのシミュレーションを行わなくてもいいのか。

違法な製品の製造・流通という問題には十分注意すべきですが、「日本の重要な産業になるかもしれない」という視点は、もう少し真剣に検討されても良いのではないでしょうか。

食品やオイルはもちろん、日本の「伝統行事」にも不可欠
食品やオイルはもちろん、日本の「伝統行事」にも不可欠

横綱を起用したメッセ―ジ

高野:まったく同感です。タイでは医療用大麻の活用も進んでおり、海外から治療を受けたい患者を呼び込んでいる状況です。

日本の場合、大麻に関する議論は厚労省を中心に行われていますが、たとえば経産省などが乗り出して、産業としての大麻の可能性について、研究を進めても良いのではないか。それらをもとに総合的に議論を進めてほしいのです。極端な話、そうした議論を尽くした上で「やはり日本での大麻栽培の緩和は難しい」と結論を出されたなら、仕方ない。しかし、いまはそうした議論すら起こっていない。

議論する材料はたくさんあるんです。実は海外の研究では、「有害性という意味では、大麻はビールやタバコよりも断然低い」という研究結果も出ているんですよ(注:国際NGO『薬物政策国際委員会』が19年に発表した、薬物や酒類などの有害性をランキング化したレポート。http://www.globalcommissionondrugs.org/wp-content/uploads/2019/06/2019Report_EN_web.pdf)。そうした研究やデータなどを全部提示したうえで、国民全体で議論すればいいじゃないですか。

丸山:少なくとも、このテーマについて日本人はもっと関心を持つべきだと思いますので、私はいちジャーナリストとして海外の事例や考え方を紹介するなどで、関心を呼び起こすことができればいいなと思っています。

高野:私だけでなく、日本でも大麻・CBD製品の可能性について真剣に考えてくださっている方はたくさんいらっしゃいます。

たとえば北海道では、THCを含まない大麻の栽培を特区で行う取り組みが進んでいます。北海道議会には、産業用大麻の可能性を研究する議員の会まであるほどで、こうしたムーブメントが知られ、広まっていくことには期待しています。

一方で、私自身もCBD製品の販売だけでなく、大麻産業について理解をしてもらうためのさまざまな取り組みを行っていきたい。

弊社の大麻油製品のCMに、荒磯親方(稀勢の里関)に出演していただいたのもその一環です。横綱の綱は日本の大麻草で作られていることをアピールするもので、これを観ていただき、日本の伝統と大麻が結びついていることを一人でも多くの人に知っていただきたいと思っています。

BGMに「君が代」を使ったのも、日本の神事と大麻が深く結びついていることを知ってほしかったからです。国民的な議論を呼び起こすきっかけになれば、と思うのですが。

新たな試み

丸山:荘厳なCMで驚きました。「大麻=危険なもの」という先入観を持っている人がみれば、相当イメージが変わるのではないでしょうか。

もうひとつ、高野さんは世間の関心を高めるために大麻草の「栽培地公開」を積極的に行く考えだと聞いています。これはどのような活動なんでしょうか?

高野:はい。私なりに、どうすれば一般の方々に「大麻栽培の可能性」と「安全性」を理解してもらえるだろうかを考えているのですが、その妨げのひとつが、「栽培地そのものの姿を知らない」ことにあるのではと考えました。

普通の野菜や植物の「栽培地」と言われれば、みなさん何らかのイメージは浮かぶと思いますが、では大麻の場合はどうでしょうか?浮かばない人がほとんどでしょう。

そこで、日本で栽培されている繊維用の大麻の栽培地を公開して、少しでも大麻栽培についての理解を進められないかと考えています。

メイヂのホームページで展開されている「栽培地公開運動」の一部
メイヂのホームページで展開されている「栽培地公開運動」の一部

丸山:大麻草は成長すると驚くほど大きくなりますよね。あれはインパクトがあるから一目見たら忘れません。

高野:実は大麻の栽培地は、盗難して悪用される可能性があることを主な理由に、原則公開が許されていないのです。

しかし、日本で栽培されている「繊維用大麻」には、ほとんどTHCは含まれていません。万一盗難されたとしても、酩酊作用がないので、悪用されることはないのです。だから、どこで栽培されているのか、どんな風に栽培されているのかを隠す必要はまったくないはず。いまは栽培地を見せないことで「大麻=悪」というイメージが強化されているのではないかと思っています。

決して違法なものではないわけですから、大麻の栽培地を公開してもいいのではないか。そう考えて、ユーチューブなどで栽培地を公開していきたいと思っています。

影響は微々たるものかもしれませんが、まずはタブーとされているものを一つでも取り除いていくことが、大麻についての議論を深めるためにも必要ではないかと考えています。

丸山:なるほど。興味深い取り組みですね。ただ、「刺激的すぎる」といやがる人もいるのでは?

高野:はい。そこが難しいところで、大麻産業を普及させたいという願いは一致していても、細かいところの考え方や手法で一致できないこともある…というのは正直なところです。私の考えに批判があることも知っています。栽培地を公開したことで、万一にもなんらかの盗難や侵入などの被害があった場合には、その補償も私たちが行うことまで考えています。もちろん、公開することで盗難や侵入などの被害が発生しないように、地元メディアや役所とも協力できないかといった折衝もしています。

とにかくこのままでは日本の大麻を取り巻く状況が何も変わらない。なにかしらアクションを起こさなくてはいけないという考えが根底にあることは、どうかご理解をいただきたいと思っています。

丸山:今日はとても刺激的なお話を伺いました。「完全に有害で無益なもの」であれば話は簡単ですが、大麻の場合、有益な成分も含まれており、海外ではその活用が進んでいて、大きなビジネスにもなっている。

デメリットを重く見て禁止・規制することに重きを置くのか、それともメリットを受け入れて管理しながら普及させる方向に舵を切るのか――。

少なくとも、日本ではまだその議論さえ真剣には行われていないことは間違いない。いずれの方向に向かうにせよ、その議論は行うべきだと思いますし、私も海外事情などを伝えることで、その議論の材料を提供できればという気持ちを新たにしました。

高野:丸山さんほどまでにはいかなくても、全体の状況を理解してくれる方を一人でも増やしていくことが大事だと思っています。大麻だけに、まさに「草の根の運動」を続けていくつもりです。

提供:メイヂ食品株式会社

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