1軍復帰…中田翔「阿部に長嶋までマンツーマン指導」の特殊背景 | FRIDAYデジタル

1軍復帰…中田翔「阿部に長嶋までマンツーマン指導」の特殊背景

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室内練習場で中田を熱血指導するミスター。マンツーマンレッスンは1時間近くにおよんだ(画像:時事通信社、提供:読売巨人)
室内練習場で中田を熱血指導するミスター。マンツーマンレッスンは1時間近くにおよんだ(画像:時事通信社、提供:読売巨人)

「そうじゃないだろう!」

ジャイアンツ球場(神奈川県川崎市)に、巨人・阿部慎之助2軍監督の厳しい声が響く。指導を受けているのは、9月11日に1軍から降格した中田翔(32)だ。暴行事件を起こし日本ハムから電撃移籍しながら、打率.150、1本塁打と低迷。ファームでは連日、阿部監督の厳しい個別指導を受けていた。

中田が9月21日から1軍復帰することが決まった。降格から、わずか10日ほどでの再昇格。背景には、巨人重鎮たちの並々ならぬサポートがあったーー。

「中田は真剣な表情で、阿部監督の言葉に耳をかたむけていました。厳しい指導が、功を奏したようです。日ハム時代は、コーチ兼任で40歳の鶴岡慎也をのぞけば最年長野手でした。『お山の大将』で、暴行事件を起こすまでは誰も奔放な言動を注意する人間がいませんでしたからね。阿部監督が厳しく接することで、目の色が変わったように見えます。

阿部監督も、単に怒鳴っているだけでありません。長年、日ハムで4番を務めた中田のプライドも尊重していました。9月16日の楽天戦では、中田が打席に入る前に『1球も振るな。見てこい』と指示。『オマエほどの打者なら2軍投手はビビってカウントが有利になる。ボールをよく見ろ』という意味でしょう。中田の自尊心をくすぐったんですよ」(巨人球団関係者)

実際に中田は、2軍で圧倒的な成績を残した。6試合で打率.500、4本塁打、13打点(成績は9月20日現在)。阿部監督は、こう評価している。

「もともと持っている力が、ちょっとよみがえってきたかな、という感じです」

背番号「10」の意味

2軍には伸ばすべき選手が、他にも大勢いる。なぜ阿部監督は、中田を重点的に指導したのだろうか。

「1軍の原辰徳監督の任期は、今季までです。『次』は阿部監督というのが、既定路線になっています。一度は引退まで噂された中田を再生させれば、1軍監督就任に向け指導者として大きな実績になりますからね。中田の背番号は『10』です。阿部監督が現役時代につけていた番号と一緒。当然、事前に原監督から伝えられ了承したはずです。中田への思い入れの強さが伝わってきます」(同前)

中田をマンツーマン指導したのは、阿部監督だけではない。「ミスター」こと、長嶋茂雄・終身名誉監督もその一人。9月13日にジャイアンツ球場を訪れると、1時間近くにわたり身振り手振りをまじえ熱の入ったレッスンをしたのだ。

「ミスターは、巨人移籍直後の8月22日にも東京ドームを訪れ中田を激励しています。2度も直接指導するとは異例です。中田は『ボクのために時間を作っていただき感謝の気持ちでいっぱいです』と、恐縮しきりでした。

ミスターも、中田の状態に満足したのでしょう。13日の指導後には、こう話しています。『結果が出ていない姿を見て心配してかけつけたが、大丈夫だね。しっかりとイイ姿勢で構えることと、腰を強く回す意識を伝えました。きっと近いうちに、東京ドームで中田選手の特大ホームランが見られると思いますよ』と」(スポーツ紙担当記者)

阿部監督がファーム の責任者として、批判覚悟で獲得しながら低迷する「問題児」中田を再生させようとしたのはわかる。だがミスターの思い入れの強さは、どこから来るのだろうか。

「ミスターが好むのは、ホームランで打ち勝つ豪快な野球です。自身が監督の時は松井秀喜を育て、清原和博、広澤克実、落合博満、石井浩郎など他球団の4番打者を多く獲得しました。中田には、ミスターが望む野球を引き継いでもらいたいと考えているのでしょう」(同前)

阿部監督の徹底指導に、ミスター直々の激励ーー。これだけ手厚いサポートがあれば、中田の昇格も当然だろう。

一方で、不安要素もあるという。

「中田は日ハム時代『大将』と呼ばれ豪快なイメージがありますが、性格はとても繊細です。大幹部たちの期待をプレッシャーに感じ、1軍で萎縮してしまう可能性もあります。今までパ・リーグでのびのびやってきましたが、ここまで注目されるのは初めての経験ですからね。

大人しく練習に励んでいても、強いストレスを感じているでしょう。中田は子ども好きで知られますが、札幌にいる家族と離れホテルで単身生活を強いられている。新型コロナウイルスの影響で、気晴らしに飲みに行くこともできない。気を張り詰め通しで、パンクしてしまわないか心配になります」(同前)

中田は、1軍に復帰しスグにスタメン出場するともみられる。ファンと重鎮たちの並々ならぬ期待に応えるため、経験したことのない強いプレッシャーを乗り越えなければならない。

  • 写真画像:時事通信社、提供:読売巨人

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