76歳妻が83歳夫を「ノコギリで殺害」した悲痛な背景 | FRIDAYデジタル

76歳妻が83歳夫を「ノコギリで殺害」した悲痛な背景

「謎だらけ」事件の深層

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神奈川県・茅ヶ崎市
夫は17年にわたって自宅に引きこもり、「子どもに面倒をみさせるわけにはいかない」と殺害を決意。
裁判長に「後悔していますか」と聞かれると首を横に振り……

丸洋子被告と壽雄さんが住んでいた自宅。洋子被告が試し切りしたようで、庭の樹木はすべて伐採されていた

「当日9時頃から夫を殺すことにしました。夫は自分の部屋で寝ていて、私はノコギリを取り、夫のお腹のあたりに乗りました。両手でノコギリの柄を持って夫の喉を切ろうとすると、夫が抵抗し、揉み合いになりました。しばらくすると、フッと夫の力が抜ける瞬間があり、そのときに両手でノコギリを引くと、夫の喉が切れました。それから夫の動きが止まるまで、そのままの姿勢でいました」

9月9日、横浜地裁の403号法廷で検察官が丸洋子被告(76)の供述調書を読み上げると、法廷内は水を打ったように静まりかえった。今年3月に神奈川県茅ヶ崎市で発生した、洋子被告が夫の壽雄(としお)さん(83)の首をノコギリで切りつけて殺害した事件の初公判での一幕である。

洋子被告と壽雄さんが結婚したのは’70年のこと。結婚当初から壽雄さんは給料を渡さない、酒を飲んで暴力を振るうといった行為を繰り返してきた。’98年に二人は離婚したが、アルコール依存の壽雄さんを引き取る施設がなく、’05年に再婚。それから17年間、壽雄さんは自宅に引きこもり、洋子被告が面倒をみ続けた。

’20年12月、洋子被告の肺に影が見つかった。二人には一男一女がいるが、娘は結婚しており、息子には精神疾患の持病があった。洋子被告は自分が死んだあとのことを考え、「子どもに面倒をみさせるわけにはいかない」と犯行を決意。夫の殺害を決めたあと、庭の樹木で試し切りをした痕跡だと思われるのが、上の写真である。

そうして、洋子被告は3月5日に犯行に及んだ。被告は犯行後、普段から記していたノートに「3月5日 壽雄殺せた バンザイ」と書いている。

「裁判中、洋子被告は裁判長などから話しかけられても『できない』『わからない』といった返答ばかりでした。ただ、裁判長から『(犯行を)後悔していますか』と聞かれた際は首を横に振っていました」(全国紙司法担当記者)

検察は犯行には計画性があったとして懲役12年を求刑。弁護側は酌量の余地があるとして、懲役3年、執行猶予5年が妥当だと主張した。

「家族の問題を抱えて、つい『死んでくれれば楽なのに』と考えてしまう人は決して珍しくないと思います。子どもに迷惑をかけたくないと思い、同様の事件を起こしてしまう高齢者は今後増えるでしょう」(犯罪ジャーナリスト・小川泰平氏)

誰にとっても他人事ではない。

『FRIDAY』2021年10月1日号より

  • 撮影結束武郎

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