コロナ禍タクシー業界 生き残った運転手と廃業運転手の決定的な差 | FRIDAYデジタル

コロナ禍タクシー業界 生き残った運転手と廃業運転手の決定的な差

個人で顧客を抱えた運転手は勝ち組に 駅や会社の前で客待ちしていた運転手は大打撃

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン
年収1000万円超のスーパードライバー吉田さん。珍しいアルファードの個人タクシーで顧客の人気を集める

コロナ禍で最も影響を受けた業界の一つが、タクシーだろう。ドライバーの’20年の平均年収推計額(東京都)は338万円で、前年から約150万円の大幅減という壊滅的な状況だ。だが、そんな危機的状況下でも安定して稼ぎをあげ、コロナ禍を生き抜いている〝凄腕〟も存在する。

大手タクシー会社に勤務する中山靖さん(仮名・50代)は、コロナ前は年収1000万円を超えるトップドライバーだった。コロナ禍で年収は約3割減となったが、それでも未だ高い水準を保っている。

「稼げているのは、〝太客〟のおかげです。つまり、私を指名して乗車してくれるお客様ですね。私個人で約200名の〝太客〟を抱えています」

中山さんは富裕層の多い港区と中央区を主なエリアとしている。9割以上の客に名刺をわたして営業をするという。

「100人に声をかけて、お客さんになってくれるのが3人くらいかな。タクシーで一番難しいのは、定期的に利用する良い顧客を見つけること。ただ判別はできないから、結局は数撃つしかないんです。そういう地道な活動の積み重ねが数字に表れるのが、タクシーという仕事です」

個人タクシーの吉田正男さん(仮名・60代)も、太客を抱えることで高収入を維持している。コロナ禍によって、客の乗車目的も変わってきていると語る。

「明確に増えたのが、通院での利用です。鎌倉や千葉の方が慶應病院など都内の大病院へ行くときに私を呼んでくれる、ということも多々ある。また、大企業の通勤需要も伸びました。いまのご時世、大企業といえども会社の送迎車がつくのは役員クラスだけ。送迎車はないが電車に乗って感染リスクを負いたくない部課長クラスからの指名は、コロナ禍によってはっきりと増えています」

吉田さんのタクシーはアルファード。配車アプリでは車種の指定ができないケースも多いため、ゆったりと乗車したい顧客に重宝されているという。それ以外にも、凄腕ドライバーたちは客の好みに合わせて新聞や雑誌を置いておくなど、〝太客〟獲得のための努力を惜しまない。

一方、厳しい現実にさらされているのが、流しや駅などでの付け待ちが主戦場だったドライバーだ。法人タクシーは大幅に稼働台数を減らし、廃業を余儀なくされたドライバーも多い。

コロナ禍という未曾有の危機を乗り越えられるかどうか――。その分かれ目は、ドライバー個人の営業努力なのかもしれない。

恵比寿駅前で客待ちをするタクシーの列。コロナ禍によって、売り上げが半減したタクシー会社もある

『FRIDAY』2021年10月1日号より

  • 取材・文栗田シメイ(『コロナ禍を生き抜く タクシー業界サバイバル』著者)

Photo Gallery2

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事