きなこもちみたい…「砂漠の妖精」グンディの驚くべき癒し力!
「きなこもち」みたいなモフモフしたフォルムがSNS上で大人気 日本では「埼玉県こども動物自然公園」でしか見られないレアアニマル
小さい前足に、モフモフの体毛、丸い耳が特徴的な「グンディ」という動物が、SNSで人気だ。
昨年8月、重なり合って寝そべる姿がアップされると「きなこもちみたいで可愛い!」と話題になり、今年6月には赤ちゃんの写真に6万件の「いいね!」がつくなど人気に火が付いた。頻繁にグンディのいる動物園に通う20代女性はメロメロな様子でその魅力を語ってくれた。

「1匹でもかわいいんですが、皆で重なってるのが尊(とうと)すぎますね。ぺったりと寝そべる姿はまさにきなこもち。会社に行く前には必ず眺めに来ちゃいます」
ここまで人々を魅了するグンディとは一体どんな動物なのだろうか。埼玉県こども動物自然公園(東松山市)の副園長兼診療所長の高木嘉彦氏がその生態を語る。
「大きさは、大体20〜30㎝。寿命は7〜8年ほどです。ヤマアラシの仲間で、野生では北アフリカの高温・乾燥地帯の砂漠の岩場に生息しています。住み処は岩場の隙間などで、昼行性。ざらざらしていれば垂直な壁も登れますし、ろっ骨を広げて身体を平たくできるので、少しの隙間にも潜り込めます。運動能力が高くて、パワフルなのもグンディの特徴です」
「砂漠の妖精」とも言うべきグンディだが、日本では埼玉県こども動物自然公園でしか見られない希少な動物だという。
「とにかく、個体同士の組み合わせが難しいんです。グンディは、数匹の群れで暮らしますが、体調を崩すなどした仲間は、足手まといになるとして群れから即排除されてしまう。ドイツの動物園が血統の管理をしていて、十分な飼育条件がそろっているかどうか、厳しく確認します。その上で譲渡を行っているので、世界でもヨーロッパの一部と当園だけでしか飼育されていません」(高木氏)
現在、同園では一つのつがいとその子供で形成される11匹ほどの群れを展示しており、3匹の子グンディが成長中だ。


「FRIDAY」2021年10月1日号より
写真:埼玉県こども動物自然公園