埼玉県・熊谷市 27歳女性殺害事件に残された「3つの疑問」
なぜ衣服の乱れも物色した形跡もなかったのか、彼女が警察に相談していたトラブルとは何か、 被害者宅から聞こえた「外国語で話す男性の声」とは……
「中学のとき、卓球部に所属していたことは覚えていますが、あまり目立つタイプではありませんでした。最近は彼女が何をしていたのか、同級生は誰も知らなかったのではないでしょうか。地元の熊谷に住んでいたと知って驚きました」
そう語るのは、9月6日に埼玉県熊谷市のアパートの一室で遺体で発見された、宮崎英美さん(27)の同級生だ。宮崎さんと連絡が取れないことを不審に思った知人男性が自宅を訪れたことで発覚した今回の事件。宮崎さんは首を絞められ、何者かに殺害されたことはわかっているが、いまだ容疑者は捕まっていない(9月14日時点)。この事件には捜査の長期化を招いている「3つの疑問」がある。
1 遺体には衣服の乱れがなく、部屋にも物色された形跡がなかった。
つまり性的暴行や窃盗が目的ではなかった可能性が高い。犯行の動機がはっきりしていないのである。
2 彼女が警察に相談していたトラブルとは何か?
「’17年~’19年にかけて、宮崎さんが複数回、警察に相談をしていたことがわかっています。相談していた内容の詳細は不明ですが、異性関係のトラブルではないかとみられています」(全国紙記者)
3 被害者宅から聞こえた「外国語で話す男性の声」とは?
住民から「宮崎さんの部屋から外国語で話す男性の声が聞こえた」という話が出ている。近隣には外国籍の住民は少なくないが、宮崎さんがそうした男性と交際していた情報はない。その男性が何らかの事情を知っている可能性がある。
元千葉県警捜査第一課で犯罪評論家の田野重徳氏が語る。
「着衣の乱れや部屋が荒らされた形跡もなく、首の圧迫痕以外は目立った外傷もない。これは顔見知り、または少なくとも一回は会ったことがある人間による犯行の可能性が高い。被害者の交友関係が少ないとなると、SNSなどで知り合った相手という可能性もあるでしょう」
異性関係のもつれによる惨劇か、はたまたSNSが発端となった犯行か。一刻も早い解決が待たれている。

『FRIDAY』2021年10月1日号より
写真:蓮尾真司