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NYに向かう眞子さま&圭さんにはあらゆる自由が待っている

眞子さま&小室圭さんカップルの結婚によせて〜亀山早苗

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4年前の婚約会見で、幸せいっぱいのおふたり。幾久しく…と心から願うけれども、もしものときは多様な選択肢があるだろう 写真:代表撮影/ロイター/アフロ
4年前の婚約会見で、幸せいっぱいのおふたり。幾久しく…と心から願うけれども、もしものときは多様な選択肢があるだろう 写真:代表撮影/ロイター/アフロ

9月24日、ニューヨークの路上をスーツにノーネクタイ、イヤホンを差した小室圭氏が足早に歩いているところがテレビに映し出された。伸びた髪を後ろで束ねた“サムライヘア”である。一部では「かっこいい」と賞賛されているようだが、もちろん眉をひそめる人もいる。

いずれにしても、人の外見をとやかく言うのは今の時代、ハラスメントであろう。彼は追いすがる記者を一顧だにせず、完璧な無表情で歩き続けた。人が自分に話しかけているのに、迷惑そうな顔をするでもなく、「すみませんね、急いでいるもので」と適当に躱(かわ)すわけでもなく、これだけ完璧に無視できる胆力はなかなかのものである。

「だからああいう人が、プリンセスの夫になるなんて許せない」

件の友人はそう言い放った。日本中が小姑になっているのを、小室氏も知らないわけではあるまい。だが帰国3日前、彼はそんな姿を我々にさらしてくれた。

生まれて初めて「姓」をもつ眞子さま

その後、勤務先の弁護士事務所がわかったり、27日の帰国の際には「自宅に到着」と報道されたり…。メディアの狂騒曲がかまびすしい。

「生まれて初めて“姓”を持つことになる眞子内親王はワクワクしているのかしら」

別の友人はそう言った。確かに。内親王というのは複雑な立場なのではないだろうか。金の苦労はしないで育つ。奨学金を借りることもなく、望めば留学だってできる。ただ、大学の帰りにふらりと映画を観ることはおろか、ひとりでコンビニに行くことさえできない。国民は常に、「税金で食べているんでしょ」という目で見ている。

もちろん、公務をこなせば喜んでくれる人はいる。だが、たまたま皇族に生まれてしまったがために、「私より公を重視しろ」と強要されるのはたまったものではないだろう。しかもどれだけ滅私奉公をしても、自身は決して「天皇」にはなれないのだ。“家”から解き放たれるのは結婚したときだけ。それも天皇の裁可が必要だ。ときと場合によっては、弟が先に天皇になり、その弟から自分の結婚を裁可してもらうという事態だってあり得る。完璧な家父長制度が生きている家庭なのだ。

女性天皇が実現しない限り、日本から「家父長制度的なもの」はなくならないだろう。真の男女平等にはなり得ない。

結婚するときは男女、どちらの姓を名乗ってもいいことになっているのだが、2016年の厚労省の人口動態統計特殊報告「婚姻に関する統計」によれば、96パーセントのカップルが夫の姓を選択している。ごく少数だが妻の姓を選んでいるカップルもいるのだ。

だが、姓のない眞子内親王には選択の余地はない。「小室眞子」になるしかないのだ。万が一、彼女は離婚したらどうなるのか。そのまま小室を名乗ることも可能だし、あるいは紀子妃殿下の実家と養子縁組をして「川嶋」姓を名乗る方法もあるだろう。

結婚と離婚はセットである。結婚すれば離婚のリスクはつきまとう。もちろん、離婚するために結婚する人はいないが、結婚しなければ離婚もあり得ないのだから、結婚した限りは離婚のリスクもあると考えておいたほうがいいのではないだろうか。

結婚は、何度してもいい

そんなことを女友だちと話していたら、「それはないでしょ」と男性陣から異論が入った。

「あんなに大変な思いをして結婚したのに離婚するはずがない」と思い込んでいるようだ。「それは違う」と女性陣。

一般人でさえ育った環境の違いを実感するのは結婚してからだ。ましてや彼らの環境は大きく違う。降嫁したとはいえ、立場も違う。生活感覚、金銭感覚、さまざまなことへの価値観などがどれほど違うのか想像すらできない。

本人が望まなかったとしても、皇族は乳母日傘で育ってしまう。片やひとり親家庭で「母を守る」と決意し、向上心という名の野心をもって育った立場。うまくやっていくためのすりあわせができればいいが、「愛はすべてを越える」と思っているとしたら後悔するかもしれない。だからこそ、そのときは離婚という選択肢があるのだ。

結婚していく若い女性たちも、そのあたりは心得ている。誰かが離婚すると、人は「どうして?」と聞くが、結婚するとき「どうして結婚するの?」とは聞かないものだ。個人的には結婚を選択する人に興味があるので、「どうして結婚するの?」と必ず聞くのだが、以前だったら女性たちは「好きだから」「この人以外にいないと思ったから」と照れくさそうに言ったものだ。

だが最近多いのは「子どもがほしいから」だったり、「とりあえず結婚というものを経験しておきたかったから」という答えだ。そしてほとんどの場合、こう付け加える。

「ダメだったら離婚すればいいので」

そう、結婚はしたければ何度でもすればいいのだ。

とはいえ、現実として「離婚したいけどできない」と嘆く女性は多い。ひとえに経済的な問題である。フルタイムで共働きの夫婦も多いが、男女に賃金格差があるこの国では、女性が子どもを引き取って生活水準を保つのはむずかしい。ある会合で、もし3億円当たったらどうすると既婚女性に聞いたら、ほとんどが「離婚する」と答えたのには驚かされた。

一方で「離婚したいけどできない」という男性の声は聞いたことがない。よほど妻に瑕疵があれば別だが、基本的に男性は「離婚はしたくない」生き物なのではないだろうか。ひとつには、「生活」に関わることを妻任せにしているから、ひとりで日常生活を送るのが困難であること、もうひとつは習慣と惰性(悪い意味ではなく)によって日常生活は成り立っており、それが激変することを好まないから。

一般的に女性のほうが「変化に柔軟に対応する」傾向が強い。一方的に離婚を切り出され、裏切られて離婚せざるを得なくなった場合でさえ、女性はいつしか前を向いてすくっと自分の足で立つことができる。妻に先立たれた男性の余命より、夫に先立たれた女性のほうがその後、ずっと長く生きることからも、女性のほうが夫のいない生活に慣れるのが早いのだろう。

もちろん、それ以前の夫婦関係において、女性のほうがより抑圧を受けている可能性が高いせいもある。夫というものは、独身時代は女性を褒めそやしておいて、結婚すると急に「オレのもの」と考えたがるものなのだ。これは今後、大きく変わっていく可能性があると思うが、SNSなどを見ていると「夫のモラハラ、DV」に関する投稿が想像以上に多くて胸が痛むことがある。

「駆け落ち婚」だの「勘当婚」だのと言われている眞子内親王の結婚だが、そこにはひとりの女性の「自由に生きたい」「自分の意志で生きたい」という魂の叫びがある。

自由な「小室眞子」になって

少なくとも彼女は、制約のある人生であってもそれを甘受し、自分の役目を果たしてきた。そして大学は自由に選ぶことを許された。「どうせ皇室に残るわけではないのだから」、結婚するときはさらなる自由が待っていると思ったかもしれない。

それなのに結婚で、いきなり「ダメ出し」を食らった。自分の意志をもち、精神の自立を促されてきたのに、自分にとっていちばん重要な結婚を周囲に反対されたとき、彼女は両親のダブルスタンダードを実感したのではないだろうか。国民が許さないという風潮があるが、彼女のほうこそ、今さらダメ出しをする国民を許していないかもしれない。

何かあると、人は皇室をバッシングする。それだけ注目されている存在なのかもしれないが、その分、バッシングもきつい。すぐに「税金で…」と言う人もいるが、そんな人の口を封じるためにも、今後、皇室はイギリスの王室にならって自分たちで収入を得られるようにシステムを変えていくことを考えてもいいのではないか。そうすれば皇族の自由度も増すだろう。

さらにいえば、せっかくアメリカで暮らすのだから、小室眞子さんには、ぜひヘンリー&メーガンに会って話をしてほしい。3人の座談会をYoutubeに流し、本にしたら売れるに違いない。そう、「秋篠宮眞子」に自由はなくても、「小室眞子」にはあらゆる自由が待ち受けているのだ。

  • 取材・文亀山早苗写真代表撮影/ロイター/アフロ

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