ビートたけし襲撃事件で注目を浴び始めた「メーカー純正防弾車両」 | FRIDAYデジタル

ビートたけし襲撃事件で注目を浴び始めた「メーカー純正防弾車両」

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車両で移動中に襲撃にあったビートたけし。特別な防犯・防弾仕様車のニーズがいま、高まっているという

《ビートたけしが襲撃された》

突然のニュースに芸能界のみならず、社会全体に衝撃が走ったが、幸い本人にケガはなく犯人もその場で逮捕された。

たけしが襲撃されたこと自体も驚きだが、犯人が使った凶器が“つるはし”ということに驚いた人も多いのではないか。犯人はそのつるはしをたけしの乗った車のフロントガラスに叩きつけたというから、運転手もたけしもさぞかし恐怖を感じたことだろう。

たけしや運転手が大ケガをせずに済んだのは、たけしの乗っていた車が堅固な作り、防弾仕様になっていたからだという噂が出た。このニュースがきっかけとなっているわけではないだろうが、いま、防弾仕様車の需要が高まっている。

『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)でたけしとタッグを組んでいる安住紳一郎アナウンサーが自身のラジオ番組の中で語ったところによれば、

「たけしさんの乗る車は普段、町中で見かけるような車ではなくて、一国の大統領が乗るようなVIP仕様なので、びくともしなかったようですけれど…」

とのことだ。一国の大統領が……と聞いて頭に浮かぶのは、アメリカ合衆国の大統領専用車。専用機のエアフォースワンに倣って“キャデラック・ワン”、あるいは“ビースト”と呼ばれているリムジンだ。

サミットなどで合衆国大統領が来日した際に一緒に“来日”し、国内の道路を走ったこともあるので、実物を目にした人は多いだろう。見た目はGM社のキャデラックをストレッチしたリムジンだが、中身は全く違うものになっている。

車体のサイズは全長5m超、全高1.8m、なんと車両総重量は8tもあるという。国産大型セダンのゆうに3倍の重さだが、なぜこんなに重くなっているのかというと、この車には車内にいる人を守るための様々な装備が施されているからなのだ。

車体はチタンやセラミックなど特殊鋼材でできていて、装甲の厚さは5インチというから、戦車や装甲車などの軍用車両と同じだ。この時点で市販車とは大きく異なる。ドアの厚さは20cm超、窓ガラスの厚さは12㎝以上だという。拳銃やライフルの弾丸ではドアや窓を打ち抜くことはできない。それどころかロケット弾や爆弾にもびくともしないという。

たけしの乗っていた車はさすがにそこまでではないだろうが、何らかの防犯仕様が施されていたようだ。

そんな防弾仕様車の需要が世界的に増えているというのはカー雑誌の編集者。

「防弾仕様の車というのはずいぶん昔から作られています。要人はもちろんですが、暗殺や襲撃にあう危険性があるギャングたちが市販車を改造して自前の“ビースト”を作っていました。

その後、需要が見込まれたので市販車をベースに防弾仕様車を作る専門の会社ができたりしましたが、最近は大手メーカーが自社製の純正防弾車両を製造・販売しています」

その背景には、国際社会全体で不安定な情勢が続いていて、テロの被害に遭う国が増えたことがあるという。自分が直接の標的にならなくても近くで爆弾が爆発したり、銃撃の流れ弾が飛んできたり、テロに巻き込まれる危険性が増えたということなのだろう。

90年以上前から防弾仕様の車両を製造・販売していたメルセデス・ベンツでは、’80年以降はフラッグシップのSクラスにもこの防弾仕様車が用意され、各国元首などに使用されてきたという。

そして今月、その新型となる『S680 GUARD 4MATIC』が登場した。この車はドイツの検査機関で武器・弾薬・安全技術の検査を受け、民間保護クラス最高レベルの基準を満たしており、ボディとウインドウは自動小銃の銃撃にも耐えうるという。

この車にはさらに自動消火システムが供えられ、また煙や毒ガスから乗員を守るため室内は完全密閉されるという。そのため新鮮な空気を供給するエマージェンシーフレッシュエアシステムが用意されている。タイヤはもちろんランフラットタイヤ。パンクしても30kmはそのまま走行が可能だ。

価格はオプションなしのベース車両で45万7100ユーロというから、日本円で約6000万円。まさに最強のベンツといえるだろう。各国のVIPが愛してやまないベンツだからこそ防弾仕様が望まれるのも納得だ。

ほかにも40年前から防弾車両を販売しているBMWは昨年、X5をベースにした防弾仕様のSUV『VR6』を発表している。そしてVIPの車のイメージはあまりないボルボにもフラッグシップSUV「XC90」を防弾車仕様にした『XC90アーマード』がある。

前出のカー雑誌編集者によると、需要が増えていることから、これからはメーカー純正の、しかも大型ではなく中型車や小型車の防弾仕様車が販売される見込みだという。そして国内に関しては、

「御料車と呼ばれる天皇陛下が乗る車で、現在はトヨタのセンチュリーをベースに作られています。ビーストのような“装甲車両”ではありませんが、無論防弾仕様になっております。また、総理大臣専用車も防弾仕様になっています。

市販車ではまだ出ておりませんが、海外では専門業者で改造されたトヨタ・レクサスの防弾仕様車が人気を集めています。国内でも現金輸送車など特殊車両を作っている会社で市販車をベースにした防弾仕様車を作っているところもあり、年に1〜2台くらいの注文が入ると聞きました」

事件当日、たけしの乗っていた車はロールス・ロイスのファントム。元々VIPや王族専用の車で、確かに“一国の大統領”が乗るような堅牢なイメージがあるが、つるはしの攻撃で一部ガラスが割れたそうだから、銃弾も通さないという防弾仕様にはなっていなかったのだろう。

たけしはカーマニアとしても名高い。もはやコレクターだが、彼のコレクションの1台で思い出深いのがポルシェ・959だ。‘86年に発売が開始されたこの車は、おそらくたけしが所有した最初のスーパーカーだったと記憶している。

‘86年といえば、その年の12月にあの『たけし事件』が起きている。当時、彼が所属していた事務所の近くでシルバーの959を何度か目撃したことがある。

運転していたのは軍団のつまみ枝豆だったが、世界で238台、都内にはおそらく1台か2台しかなかったと思われる稀少な車はどこにいても目立つ存在だった。その後、売却されて最終的にビル・ゲイツが所有することになった。

ほかにも“暴れ馬”に“コマネチ”のポーズをとらせたエンブレムを付けたフェラーリや、“キタノブルー”という言葉があるように、たけしが好きなブルーのランボルギーニ・ガヤルド、2億円のブガッティ・ヴェイロンなどスーパーカーを所有していたが、普段の足として、また仕事で移動するときはほとんどロールス・ロイスだった。

ハイスピードで逃げられるなら別だが、停まっている状態のスーパーカーでは暴漢を防ぐことは不可能だろう。今後また、完全装甲の防弾車両が新たにたけしのコレクションに加わるのだろうか――。

  • 取材・文佐々木博之

    宮城県仙台市出身。31歳の時にFRIDAYの取材記者になる。FRIDAY時代には数々のスクープを報じ、その後も週刊誌を中心に活躍。現在はコメンテーターとしてもテレビやラジオに出演中

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