ピカソや平山郁夫…ニセ版画で口座6億円の悪徳画商「夜の黒い噂」 | FRIDAYデジタル

ピカソや平山郁夫…ニセ版画で口座6億円の悪徳画商「夜の黒い噂」

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有名作家の偽作を大量に売っていた疑いのある加藤容疑者。10年以上にわたり犯行におよんでいたと思われる

警視庁生活経済課の捜査員は、押収した版画を見て驚愕した。平山郁夫、東山魁夷、さらにはピカソにシャガール……。国内外の有名画家の作品ばかりなのだ。だが、すべて偽物。その数は80点にのぼった――。

著名画家の偽版画を作製したとして9月27日、著作権法違反容疑で画廊「かとう美術」元代表・加藤雄三(53)と版画作家・北畑雅史(67)の両容疑者が逮捕された。二人が知り合ったのは08年ごろ。加藤容疑者が「絶対に迷惑をかけないから」と北畑容疑者を説得し、画家や遺族の許可なく偽作を作り始めたという。

「本物をスキャナーで取り込み、画像編集ソフト『フォトショップ』で加工。有名画家の全作品が収録された専門美術書『カタログ・レゾネ』を見て、色合いやサインの位置などをマネしていたようです。水と油が反発する『リトグラフ』という、専門の手法を駆使していたとか。

加藤容疑者は本物と偽り、百貨店や自身の画廊、専門オークションなどで販売していました。有名画家の作品となれば、通常1点100万~300万円の価格になります。偽作販売で得たカネを、両容疑者は二人で山分けしていたようです」(全国紙社会部記者)

捜査開始前に処分し隠蔽か

事件は、思わぬ形で発覚する。昨春、画商の業界団体「日本現代版画商協同組合」の組合員が、同じ版画が多数流通していることに疑念を抱いた。作品の色合いや画家のサインの場所を緻密な作業で確認した結果、本物と違うことがわかったのだ。

「流通経路から特定されたのが、加藤容疑者です。加藤容疑者は『サインは自分で書いた』と認め、昨年12月に組合を除名されます。同時期に、依頼を受けた警察が捜査を開始。両容疑者の逮捕にいたり、多数の偽作が見つかったんです。北畑容疑者は『カネに困っていた。(加藤容疑者が)許諾を取っていると思っていた』と供述しています」(同前)

だが、偽作は発見された約80点にとどまりそうにない。警察の捜査で、問題が発覚した昨春から警視庁が捜査に乗り出す12月までに、加藤容疑者が北畑容疑者に「工房にある偽物を処分してほしい」と頼んでいたことがわかったのだ。北畑容疑者は「少なくとも800点の偽作を作った」とも話しているといわれ、被害総額は計り知れない。

「加藤容疑者の会社名義の口座には、約6億2000万円の大金が残っていました。警察には『偽の版画を売って得たカネが含まれている』と、話しているそうです。

加藤容疑者は20代の頃に、大阪府にある実家の古本屋を手伝いながら画廊を立ち上げています。ただ美術には、それほど興味がなさそうだったとか。画商はカネもうけの手段とわりきり、ブローカーに徹していたのでしょう。ヨーロッパなど頻繁に海外へ渡航。東京・銀座や大阪・ミナミなど夜の繁華街で豪遊する姿が、たびたび目撃されていたとそうです」(別の全国紙記者)

日本には、「本物の版画」を証明する鑑定機関や鑑定書がない。精巧な偽作なら、専門家でも見極めるのが困難。人気作を安く仕入れてくると評判だった悪徳画商は、美術界の盲点につけこみカネもうけをしていたようだ。

  • 撮影蓮尾真司

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