引退・日ハム斎藤佑樹が語っていた「批判への思い、結婚観」
甲子園をわかせたハンカチ王子が引退する。
日本ハムの斎藤佑樹(32)は10月1日、球団を通じて次のようなコメントを発表した。
「今シーズン限りでの引退を決断いたしました。ご期待に沿うような成績を残すことができませんでしたが、最後まで応援してくださったファンの方々、本当にありがとうございました。約11年間、北海道日本ハムファイターズで最高の仲間とプレーすることができて幸せでした」
プロ1年目こそ6勝6敗の結果を残したが、以後は相次ぐケガの影響で成績は下降線。18年以降は1軍での白星はなく、通算成績は15勝26敗、防御率4.34だった。
涼しい表情を崩さずハンカチで汗を拭う仕草が、女性を中心にしたファンを魅了。早稲田実業時代から人気者だった。その一方で伸び悩む成績から、バッシングを受けることも。『FRIDAYデジタル』は、19年8月に斎藤を1時間にわたりインタビュー。批判や野球観について、率直に語っていた。発言を抜粋して、再掲載したい。
――ここ数年結果を残せていない。それでも一軍で投げられるのは、甲子園のスターへの「特別扱い」という声もありますが……。
「それは栗山(英樹)監督の判断ですから。ボクが言う立場にありません」
――報道やネットでは、いろいろと辛らつな批判もあります。
「報道やネットで、いろいろと批判されているのは知っています。ただ、批判があるということはボクがまだ注目されている証拠でしょう。なるべくポジティブに考えるようにしているんです。愛情があるからこそ、叱ってくれるんだと思います」
――前向きですね。
「いやいや。『ポジティブ』じゃないッスよ。『ポジティブに考えよう』と意識しているだけです。高校時代は、マスコミに書きたてられるのがホントにイヤだった。ただ大学(早大)の監督やOBの方に、『変なコト書かれても世の中の人はほとんど気にしていないゾ』と言われたんです。それからは、ある程度聞き流すようにしています」
――落ち込むことはないんですか。
「ありますよ~。(19年)8月6日のオリックス戦で、3回4失点で降板した時はムチャクチャ悔しかった。ただ、落ち込んでいるだけでは進歩がない。この試合も、最初の2回は無失点に抑えられました。失点はすべて3イニング目。だから3回の投球だけ反省し、ショートイニングなら通用するんだとポジティブに考えるようにしました」
イメージする「10年後の自分」
――自分に足りないモノはなんだと思いますか。
「う~ん……。速球の威力ですね。変化球には自信があります。ただ、ストレートが速くないので変化球をいかせていない。もしボクに150kmの剛速球があれば、もっと変化球を効果的に使えます。30歳を超えても、ストレートの速度を上げることは可能だと思いますよ」
――野球以外では何をしているんですか。
「本はよく読みますね。最近読んだのは、『メジャーリーグの現場に学ぶビジネス戦略』。おカネの流れなど、野球ができるバックグラウンドを知ろうと思ったんです」
――では10年後のイメージは?
「難しいなぁ。もちろん現役でいたいですが、そうでなくても野球に携わっていたい。例えば甲子園で1000球投げた球児が、なぜ肩を壊さなかったのか研究をするとか……」
――もう31歳(当時)。そろそろ結婚の予定は?
「ボク、結婚願望が強いんです。子どもも大好き。ただ今は、朝から晩まで野球のことばかり考えているので……。イイ出会いはないですかねぇ」
斎藤は19年末に、一般女性との結婚を発表している。10年後も「野球に携わっていたい」と答えていた斎藤。引退後もクレバーな頭脳と高い人気で、野球界に貢献してくれるだろう。
- 撮影:山崎高資