大ベテラン衆院議員 次期選挙不出馬の裏に「セクハラ疑惑怪文書」
はんこ議連会長なのにIT担当相に就任して批判を浴びたあの人
「9月の中旬頃でしょうか。突然、大阪府内の自民党市議のもとに匿名の市民からメールが届いたんです。衝撃的な内容だっただけに、すぐさま関係者の間で共有という名の拡散がされ、大阪の自民党内は上を下への大騒ぎになっています」(大阪15区の自民党関係者)
8月27日、自民党の竹本直一衆議院議員が次期衆院選への不出馬を表明した。80歳と高齢ゆえに引退は既定路線かと思いきや、実は理由は年齢だけではないという。

「’19年にはんこ議連の会長でありながらIT担当相に就任して批判を浴びた竹本議員ですが、それより前から地元での評判は芳(かんば)しくありませんでした。地方議員の声をまったく顧(かえり)みないやり方が、反感を買っていたんです。今年7月には、地元である大阪15区の8地域支部のうち6支部が『引退勧告』を決議した。それでも本人は『死ぬまでやる』と逆ギレ。しかし翌月になると、いきなり引退を表明したうえで娘婿を後継に指名したのです」(同前)
そんな状況のなか、竹本議員にはさらなる疑惑が浮上している。下の「怪文書」がそれだ。
〈私は一松原市民です〉
から始まるその文書には、
〈竹本は3年前の松原市議会議員選挙で立候補した「〇〇」(原文では実名)が落選後、「〇〇」をホテルの一室に呼び出し、「秘書にする」と言いながら関係を迫りました(中略)その時の音声もあるそうです〉
と、書かれている。
これだけなら悪質なイタズラともとれる。だが、松原市議選候補と見られる女性の太ももに手を這(は)わせている写真も添付されているだけに、「怪文書」を見た地元の自民党関係者もおいそれと捨て置けないようだ。
「『怪文書』には〈現職である間に「制裁」を下してください〉とある。そのため、強引に娘婿を後継者に指名した竹本議員への不満を抱える自民党関係者によるものでは、とも言われています」(同前)
「怪文書」に書かれた松原市議選に出馬した女性は、有望な若手候補として注目されたが惜しくも落選。FRIDAYは真相を確かめるべく、現在は一般企業で働く彼女にも直接取材を試みたが、
「関わりたくない」
と、口を閉ざすのみだった。
「怪文書」に書かれた「セクハラ疑惑」は事実なのか。竹本議員は本誌の質問書に次のように回答した。
「(怪文書の)文章の内容は、事実ではありません」
11月に予定されている衆院選を前に、さまざまな思惑が蠢(うごめ)いている。

「FRIDAY」2021年10月15日号より
写真:共同通信社(1枚目)