ストリートピアノから武道館へ!ハラミちゃんが語る「夢の軌跡」 | FRIDAYデジタル

ストリートピアノから武道館へ!ハラミちゃんが語る「夢の軌跡」

YouTubeチャンネルの登録者数181万人 総再生回数4億回 J-POPを超絶技巧で弾く人気ピアニスト ’22年1月4日ワンマンコンサート

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「彗星の如く現れた——」とは、まさに彼女のような人を言うのだろう。
ハラミちゃん——。自称ポップスピアニスト。

2019年、YouTubeで密かにデビューした彼女は、駅や街角に設置されたストリートピアノで、主にJ—POPを中心にピアノ演奏を披露し、その動画をYouTubeに投稿、瞬く間に再生回数を伸ばし、チャンネル登録者数を増やしていった。

そして、わずか2年でチャンネル登録者数181万人、総再生回数4億400万回超という驚異的な記録を叩き出した。それどころか、来年の1月4日には、あの日本武道館でワンマンコンサートを開催するという、とびきりの快挙を手にしたのである。

音大卒業後、’19年より活動開始。人気番組『芸能界特技王決定戦 TEPPEN』(フジテレビ系)のピアノ対決で2連覇し一躍人気に

実は本誌デジタルは、今から1年半前にハラミちゃんを取材していた。

その時でも、チャンネル登録者数は30万人と、デビュー1年目にしては尋常ではない人気である。独特のキャラクター、音楽的なすごさ、人気急上昇の勢いの面白さで取材をしたのだが、それから1年半後には登録者数はなんと6倍にまでなってしまった。

当時のインタビューで次の目標を聞いた時、ハラミちゃんはこんなことを呟いていた。

「夢だと笑われるかもしれないけど、いつか武道館でワンマンライブをやってみたいですね……」

彼女は、そんな「まさか」の夢を実現させることになったのである——。
本誌としては、夢が叶った実感を是非とも本人の口から聞いてみたかった。

東京都内の某音楽スタジオに、ハラミちゃんは現れた。

金髪にジーンズのオーバーオールとキャップ、ショルダーバッグといういつもの「ハラミちゃん」スタイル。「あ、ハラミちゃん大きいんですね」

彼女の背が高いことにカメラマンが驚いた。

YouTubeでピアノを前にした彼女の姿しか知らない人は、「小柄な女性に違いない」と思いこんでいるかもしれない。しかし実際の彼女は、実は長身なのである。

撮影のためにピアノを弾いてもらう。

彼女が鍵盤に白い指を落とした瞬間、煌びやかで繊細な旋律が板張りのスタジオに渦巻いた——。生で聴くハラミちゃんのピアノは、本当に美しい。まるでコミックかアニメのように彼女の周りをピアノの音色が踊っている光景を想像してしまう。

気を取り直して、武道館ワンマンコンサートについて聞いてみた。

「びっくりですよね(笑)。これまでもライブはやって来ていました。すごく大きな会場というのが、無観客での『中野サンプラザ』。そのあとで全国ツアーをやって、今年の7月に『パシフィコ横浜』でライブをやったんですが、チケットの申し込みが想像以上にあって、「武道館にチャレンジしてみる?」と打診をいただいたんです。「いやあ、どうなんだろ?」と不安もあったけど、まあこんなチャンスはないなと思って、チャレンジしてみようと。

今、まさにステージのアイデアを出しているところなんです。コンセプトとしてはストリートピアノをはじめて武道館までの日数が947日間なので、その2年半の活動の軌跡をちゃんと追えるようなプログラム、曲目にしようと話し合っています」

彼女は、年齢、本名非公開。4歳からピアノを弾き、音大に入学したもののあまりの厳しさにピアニストの道を断念し、普通の会社員に。しかし真面目な性格ゆえに働き過ぎから体調を壊してしまう。

休養している時に友人に誘われて新宿都庁にあるストリートピアノで演奏してみた。その時に弾いた『RADWIMPS』の『前前前世』をYouTubeにアップしたところ、177万回も再生された。それをきっかけにYouTubeにストリートピアノの動画を投稿するようになったのだ。さらに、やはり都庁で弾いた『X JAPAN』の『紅』が400万回再生とバズった。そこから着々と登録者数と再生回数を増やしていったのだ。

そしてテレビも彼女のキャラクターとポテンシャルに目をつけた。

多くの番組がゲストとして彼女を招き、さらに昨年、芸能界特技王決定戦『TEPPEN』(フジテレビ系)で優勝、翌年の第2弾で驚きの2連覇を達成。また、広瀬香美、大塚愛などの人気アーチストがこぞってハラミちゃんとのコラボを望み、彼らがコラボ映像をYouTubeへ動画をアップ。さらに多くのファンを獲得していったのである。

最近では、『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)で『UNISON SQUARE GARDEN』の斎藤宏介とコラボし、バンドとのアンサンブルでも楽しそうにピアノを演奏する彼女の姿が見られた。

「『TEPPEN』の反響は凄かったですね。私が出た日は、登録者が全チャンネルで一気に3~4万人くらい増えてトップになったみたいです。

でも、テレビの影響は大きいのだけど、やっぱり定期的に動画がバズらないと登録者数は伸びない。テレビからの流入というのはあまりないみたい。やっぱりテレビを観る人とYouTubeを観る人とは全然違う。ちゃんとYouTubeの視聴者に響かないと再生回数は増えない。実際バズった動画が出ると登録者は増えているんですね。

他のアーチストとのコラボは、いつもはバラードとかゆったりした曲をやることが多いんです。でも『Mステ』では、珍しく激しい曲のアンサンブルができました。もともと学生時代はサークルでバンドやっていて、すごい好きなんですね、ドラム、ベースギターと合わせるのが。今後は、そういうコラボやライブの活動もやっていきたいですね」

「武道館公演が夢だった」と語るハラミちゃん。わずか2年半で夢が現実に。自身の半生を綴ったエッセイ本や楽譜集も刊行している

世代を超えたファンたち

ハラミちゃんのファンは、「お米さん」と呼ばれる。ちなみにハラミの由来は、彼女の大好物が焼き肉のハラミだから。その相性の良いのがお米というわけだ。ハラミちゃんを支持するお米さんたちは、驚くほど多岐に渡っている。

そして、ストリートピアノ演奏に集まる観客たちに共通するのは、皆一様にスマホを構えていることだ。

「そんな様子を見ると、『あ、みんな私を知ってくださっているんだな』と感じます。実際に見に来てくれる観客の皆さんもYouTubeの視聴者さんも、きれいに全年代がいるんですよ。本当にちっちゃい幼稚園児からおじいさん、おばあさんで。女子高生もいるし、小学生も主婦も、おじさまたちもいて、すっごい幅広くなっちゃったなと思いますね。

生配信で『昭和の名曲しばり』シリーズなどもやっています。そこでは、曲名は聞いたことはあるけど……みたいな曲も多い。そういうのを耳コピして、またいつできたのか、誰が歌ったのか、エピソードを勉強したりして調べたりして、アレンジを考えて生配信で提供するようにしています。そこでの反響で意外なことがわかったり、またコメントですごく盛り上がったりしますよね。

例えば、山口百恵さんの『プレイバックPart2』とか、すごい盛り上がりました。あと中森明菜さんとか松田聖子ちゃんとか、やっぱそのあたりを支持してる方が多いんだなと思いましたね。

面白いのは、私の演奏を聴いて、小学校6年生の娘が昭和の曲『異邦人』(79年 久保田早紀)を練習し始めたとか、私を通して昔の曲が伝わっているらしいんですね。それを聞くとすごく嬉しい。その子はきっと、私が弾かなかったら『異邦人』という曲なんて知りもしなかったと思うんですね。あとピアノの先生からも「ハラミちゃんの動画を見てからストリートピアノで弾きたい、という憧れを持った子がいます」とかね……。けっこうちっちゃい子への影響というのを感じていますね。

最近はコロナの影響でストリートピアノを弾きに行けないのが本当に残念。まだ行ってない街のピアノはいっぱいありますからね。ストリートピアノには、いろんな出会いがある。そして自分も元気がもらえるのが一番の魅力なんですね。だから早くストリートピアノやりたいという気持ちでいっぱいです」

みんなで武道館にたどり着く

ハラミちゃんの演奏能力の高さは、『TEPPEN』での2連覇からも明らかだが、彼女のすごさはそれだけではない。もはや流行語にもなっている「耳コピ」。それは、演奏をしたことのない初見の曲でも、スマホで一度聴いたらその場ですぐ演奏できる、という特殊能力である。

「絶対音感があるからということもあるんですが、この絶対音感って、生まれつき持っている人と後から身につけた人の2種類がある。私は地道なトレーニングで身につけた後者のタイプ。

不思議なのは、何百回もいろんな曲の耳コピを重ねていると、だんだん曲の「作り」がわかってくるんですね。だから耳コピといっても実際は知識でカバーしている部分も大きい。理論とかルールとか、特にコード進行なんかはだいたいわかっちゃう」

日本武道館公演『STREET PIANO in 日本武道館 〜ハラミちゃん947日目のキセキ〜』は、来年1月4日開催予定

「テレビは観ないけどYouTubeは普通に観る」という常識、誰もが自分の意見を言えるSNSの浸透、そこにハラミちゃんが登場してきた……。このどれが欠けてもこの奇跡は起こらなかったに違いない。ハラミちゃん自身も、「ストリートピアノから武道館へ」という奇跡は、自分の力だけではないと言う。

「ピアニストの道を諦めて会社員になった女の子が、ひょんなことからストリートピアノに出会って、街で弾いてただけだっただけなんです。それが2年後に武道館に立てるなんて、すごい奇跡の重なり合いですよね。

自分は、何も血の滲むような努力をしたわけじゃない。お米さんたちが私のストーリーに共感してくれて、私がアレンジした曲に涙してくれたり、感動してくれたり……。

本当に周りのみんなとのシナジー(相乗作用)でそこにたどり着けたと思っています。

この活動をしていて、一番気分が上がる瞬間って、嬉しい報告をリスナーさんやファンの方にできる時なんですよ。例えば「CM決まったよ」「登録者が30万人超えたよ」とか「今度ライブやります!」とか、そういう一個一個の報告にコメントをもらったら嬉しくなる。一緒に活動をしていて、それがどんどん大きくなって、それがリアルタイムで喜びを共有しているのがたまらなく楽しい。

私が先頭を歩いていたのではなくて、みんな横一列になって武道館までたどり着いたような感覚があるんですね。

そういう活動のスタイルをこれからも見守っていただきたいですね。そして武道館に生の音を聞きに来ていただければもっと嬉しいな(笑)」

正直に告白しよう。おそらくハラミちゃんの存在とテレビ『関ジャム』がなければ、筆者はこれほどJ—POPに関心を抱くことはなかっただろう。改めてありがとうと言いたい————。

本誌未掲載カット ハラミちゃんが語った ストリートピアノから武道館へ!「夢の軌跡」
本誌未掲載カット ハラミちゃんが語った ストリートピアノから武道館へ!「夢の軌跡」
本誌未掲載カット ハラミちゃんが語った ストリートピアノから武道館へ!「夢の軌跡」
  • 取材・文小泉カツミPHOTO足立百合

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