金正恩の激ヤセ要因説も…北朝鮮が海外ワクチンを拒否する驚愕理由 | FRIDAYデジタル

金正恩の激ヤセ要因説も…北朝鮮が海外ワクチンを拒否する驚愕理由

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9月29日、最高人民会議に出席した金正恩氏。確かに以前と比べると、かなりスリムになった(画像:KNS/KCNA/AFP/アフロ)
9月29日、最高人民会議に出席した金正恩氏。確かに以前と比べると、かなりスリムになった(画像:KNS/KCNA/AFP/アフロ)

北朝鮮によれば、新型コロナウイルスの国内感染者はいまだにゼロ。海外からのワクチン供給も拒否している。その背景には、同国ならではの特殊な事情があったーー。

ワクチンの公平な国際的配分を目指す「COVAX(コバックス)」の要請を、北朝鮮は辞退し続けている。主導する国連児童基金(ユニセフ)に、割り当てられた約297万回分のワクチンを、新型コロナに苦しむ他の国に譲渡してかまわないと伝達。外国の支援を受けようとしない姿勢を、崩していない。

「米国のメディア『ボイス・オブ・アメリカ』によると、北東部・咸鏡北道(ハムギョンブクト)の羅南製薬工場が独自にワクチン開発に成功したとされます。『我が国ならではの素晴らしい成果』と賞賛され、研究員は中央医学研究所の所長に昇格。最高幹部並の厚遇を受けているそうです。ただ北朝鮮は、過去にもエビデンス(効果の根拠となる検証結果)のない医薬品を開発してきました。ワクチンを開発できたとしても、有効性には疑問が残ります。

指導者の金正恩氏をはじめ、一部の幹部たちはすでにワクチンを接種しているという情報もある。9月9日の建国記念日では、閲兵した金氏の激ヤセした姿が話題になりました。一説にはワクチンの副反応が強く、高熱や嘔吐で1ヵ月ほど苦しみ、体重が10~20kg減ったと噂されているんです」(韓国紙記者)

アストラゼネカやファイザー社など、国外で開発されたワクチンは、ある程度の効果が実証済みだ。北朝鮮の新型コロナ感染者が本当にゼロだとしても、いつ蔓延、拡大するかわからない。国民の健康を考えれば、「COVAX」からの供給を受け入れ庶民への接種を急ぐべきだろう。

「敵どものプロパガンダ」

なぜ北朝鮮は拒否し続けるのだろうか。朝鮮半島情勢に詳しい『デイリーNKジャパン』編集長・高英起氏が語る。

「朝鮮人民軍の内部情報筋によると、9月20日から北部・慈江道(チャガンド)の国境警備隊で教養事業(思想教育)が行われているそうです。中央非常防疫指揮部から3ページの衛生宣伝資料が配布されたとか。そこには、次のような内容が書かれています。『敵どもの甘い虚偽のプロパガンダを信じて我が国の防疫規則をいい加減に扱う現象がみられる』と。ワクチン供給をしようとする国際社会の動きを、『敵どものプロパガンダ』と決めつけているんです。

資料には、こうも記されています。『変異ウイルスが治療薬研究、生産の速度よりさらに速く拡散し、全世界が恐怖に包まれている。これに対して早期の国境封鎖措置で我が(北朝鮮の)軍民を守り抜いた元帥様(金正恩氏)に、世界中が驚嘆と賛辞を惜しまずにいる』。感染者ゼロの北朝鮮を、海外の国々が賞賛している。対策は万全だから、安心しろと言いたいのでしょう」

当然、北朝鮮の新型コロナ対策を褒め讃える国など皆無だろう。同国が海外のワクチンを敵視し、自分たちの対応を自画自賛する背景には、当局の思惑がある。高氏が続ける。

「軍では、こんな話も出ているそうです。『ワクチンを輸入、接種すれば、人民軍の中に外国勢力への依存思想が拡散。チュチェ(主体)性、革命性、階級的な思想に、多少であってもヒビが入りうる』と。

北朝鮮ではワクチンであれ、車やテレビなどの商品であれ、欧米社会に依存することはタブーです。敵対する国々の考えやモノが流入すれば、国民が影響を受け、体制の維持が困難になると考えられているんですよ。金正恩氏や幹部たちは、猛威を振るう新型コロナに対しても海外に頼らず、独自の開発力と革命精神で乗り越えなければならないという考えに執着しているんです」

国民の命よりも、体制を守ることを優先する北朝鮮の指導者たち。当局のエゴにより、せっかく用意されたワクチンが無駄になろうとしている。

  • 写真KNS/KCNA/AFP/アフロ

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