’21年ドラフト会議プロ野球の未来を担う「金の卵」14人の実力 | FRIDAYデジタル

’21年ドラフト会議プロ野球の未来を担う「金の卵」14人の実力

運命の10月11日 「高校BIG3」「大学ナンバー1スラッガー」を獲得するのはどこか――

  • Facebook シェアボタン
  • Twitter シェアボタン
  • LINE シェアボタン
  • はてなブックマーク シェアボタン

一昨年のドラフト会議で4球団の競合となった佐々木朗希(ろうき)(千葉ロッテ)や、昨年の早川隆久(楽天)、佐藤輝明(阪神)のような大物はいない。それでも逸材が揃(そろ)い、将来を見据えたスカウトの慧眼(けいがん)が試されるのが、今年のドラフトだ。

小園健太(投手 市立和歌山高)1位指名は間違いなし!「高校BIG3」の筆頭格

最速152km 3年夏の甲子園は逃したが、巨人や阪神など豊かな将来性を持つエース候補を求めている球団が熱視線を送る。第一回1位指名で競合する可能性が高い。185cm90kg

高校生では小園健太(市立和歌山)、中学時代に150キロを記録した森木大智(高知)、世代最速となるMAX157キロの風間球打(きゅうた)(ノースアジア大明桜)の『高校BIG3』が競合の可能性を秘める。

小園は、最後の夏は甲子園を制した智弁和歌山に敗れて聖地にたどり着けなかった。だが、最速152キロの直球にスライダー、ツーシーム、カットと変化球も多彩で剛柔自在の投手だ。3人の中で完成度では抜きん出ている。高校野球の公式戦で浴びた本塁打はわずか1本である。

「悔しい夏を経験した分、それを糧(かて)として晴らしたい。自分はもっと成長できる。今はまだ『かわすピッチング』をしてしまう時がある。圧倒的な真っ直(す)ぐ。それを追求したい。プロでは先発ローテーションに入り、二桁勝利を挙げられる、チームに欠かせない投手になりたい」

小園が中学時代からバッテリーを組む強肩・強打の大型捕手・松川虎生(こう)(市立和歌山)とともに、プロでの飛躍を誓う。

今年の高校生世代で誰よりも早く注目を集めていたのが森木だった。しかし、県内のライバル・明徳義塾の牙城を崩せず、甲子園には一度も出場できなかった。

「プロの舞台では勝てるピッチャーになりたいし、日本を代表する、ファンに愛される選手になりたい。将来的には、メジャーにも挑戦したいです。その気持ちは、(球団との面談などで)伝えさせてもらっています」

昨年の春、筆者は東北を代表する名門・仙台育英と明桜の練習試合に足を運んだ。プロ志望届を提出するような140キロを超える好投手が幾人もいた昨年の明桜で、風間は2試合目に先発した。視察に訪れていた多くのスカウトは、控え選手中心の2試合目まで居残り、スピードガンをマウンドに向けた。つまり、彼らの目当ては当時2年生の風間だったのだ。

真上から投げ下ろす投球フォームで、角度のある直球が最大の武器。指にかかった時の威力は高校生のレベルになく、ストレートと分かっていても捉えきれない。一方、今夏の甲子園では変化球がほとんど決まらず、制球の不安を露呈した。

「真っ直ぐだけでは勝てない。変化球でもストライクや空振りが取れるように成長していきたい」

風間と同じく将来のメジャー挑戦を口にしたことがある193cm右腕の達(たつ)孝太(天理)もまた有力なドラフト上位候補だ。

風間球打(投手 明桜高)

風間球打(投手 明桜高)

最速157km
高校生投手の1位指名を検討する球団は、BIG3の誰を狙うかで頭を悩ませている。なかでも楽天は、同じ東北の秋田・明桜高の風間の指名が有力。183cm81kg

森木大智(投手 高知高)

森木大智(投手 高知高)

最速154km
甲子園には未出場だが、能力の高さは小園や風間と肩を並べる。メジャー志望や二刀流への意欲を公言しているだけに、日ハムとの相性が良さそうだ。184cm82kg

達 孝太(投手 天理高)

達 孝太(投手 天理高)

最速148km
長身を生かしたスケールの大きなピッチングが魅力。「一本釣り」狙いの1位指名は十分考えられる。193cm86kg

前川右京(外野手 智弁学園高)

前川右京(外野手 智弁学園高)

高校通算37本塁打
世代屈指の長打力を誇る左の強打者。日ハムが上位指名候補としてリストアップしたと報じられた。177cm90kg

松川虎生(捕手 市立和歌山高)

松川虎生(捕手 市立和歌山高)

高校通算43本塁打
小園とバッテリーを組む、貴重な「打てる捕手」。若手捕手が手薄な西武などの上位指名が予想される。178cm98kg

即戦力の大学生

右の豪腕が揃う高校生に対し、大学生には左の好投手がズラリ。市立仙台高校から「4年後、ドラフト1位でプロに」という目標を掲げて筑波大に進学したのが佐藤隼輔(しゅんすけ)だ。国立大出身のドラフト1位投手となれば、史上二人目である。

「公立高校や育成出身の選手がプロでも活躍しています。どのようなルートであっても、プロで活躍できることを国立大出身の自分も証明したい。マウンドで投げる変化球はスライダーとチェンジアップだけです。他の球種を投げることで、この2球種が劣化することもある。このボールを磨いていきたいと思います」

東日本を代表する左腕が佐藤なら、西日本では西日本工業大学の隅田知一郎(ちひろ)が1位候補。アマチュア野球ファンでも馴染みのない地方大学に在学中だが、長崎・波佐見高校時代には甲子園も経験した。力の籠もった直球から30㌔以上も遅いカーブ、スライダーで緩急をつけ、打者を手玉にとるのがスタイルだ。

また智弁和歌山OBで、関西学院大の黒原拓未も上位候補。黒原の最速は151キロ。稀少な左腕投手であっても、150キロがドラフト上位の目安となってきているのは一昔前なら考えられないことだろう。

野手に目を向けると、高校生では奈良・智弁学園の前川右京が上位指名もあり得る左のスラッガーだが、大学生なら慶應の外野手・正木智也の名が真っ先に挙がる。中学時代は中学硬式野球の名門・世田谷西リトルシニアに所属し、高校、大学と慶應に進んだ野球エリートだ。この春は六大学野球で打点と本塁打の2冠に輝き、大学選手権でも頂点に立った。最後のリーグ戦は打率でもトップを目指し、「三冠王」を目標に掲げている。

「打率を残しながら長打を打つというのは、ずっと自分が求めて努力してきたこと。4番としての仕事が果たせているかどうかが、打点に表れます。右の大砲候補は、同世代を見渡しても少ない。ドラフトが近づいていますけど、ここまで来たら、評価に変化はないと思う。今はリーグ戦に集中するようにしています」

野球を始めたのは小学2年生だったが、それ以前からプロ野球選手になるという夢を思い描き、人生設計をしていった。

「幼稚園の頃から野球が好きで、プロになると思っていましたね。中学時代に早慶戦を観戦して、慶應大で野球をやりたかった。その近道となるのは、高校から慶應に入ることですよね。甲子園を目標にしていましたが、あと一歩届かなかった。高校時代に果たせなかった夢は、『大学日本一』に変わって、4年間を過ごしてきました」

大学生活で最後となる秋のリーグ戦、そして神宮大会を制し、慶應大として「春秋4冠」も実現してプロ入りに弾みをつけたいところだ。

正木智也(外野手 慶應大)

正木智也(外野手 慶應大)

高校通算50本塁打
野手では唯一、1位指名の可能性がある。安定した長打力を持つ「右の大砲」。野手補強を優先する中日や広島、ソフトバンク、楽天などが注目している。182cm90kg

佐藤隼輔(投手 筑波大)

佐藤隼輔(投手 筑波大)

最速152km
秋季リーグで右脇腹を故障したことが不安材料だが、完成度が高いサウスポー。左腕不足の阪神、ロッテ、西武が1位に指名してもおかしくない。182cm82kg

隅田知一郎(投手 西日本工大)

隅田知一郎(投手 西日本工大)

最速150km
150キロ超えの直球に加えて、6種の変化球を操る。巨人、ヤクルトなどが即戦力の1位候補としてリストアップ。指名が競合することもありえる。176cm76kg

黒原拓未(投手 関西学院大)

黒原拓未(投手 関西学院大)

最速151km
智弁和歌山高出身。春の関西学生リーグMVPを獲得した左腕。阪神が上位候補でリストアップしている。173cm72kg

捕手も逸材

4年前の夏、清宮幸太郎(北海道日本ハム)、安田尚憲、藤原恭大(共に千葉ロッテ)らとともにU−18侍ジャパンに選出され、W杯を戦ったのが早稲田大の徳山壮磨だ。高校時代は大阪桐蔭のエースとして、’17年春の選抜で全国制覇を達成。早稲田で3年間をともにした1年先輩の早川がプロ1年目から先発ローテーションを守り、現時点で9勝を挙げているのは良い物差しとなるだろう。

「早川さんの背中をずっと追いかけて来ました。まだまだ早川さんには力及ばないですけど、確かにバロメーターにはなるかもしれません。(先にプロ入りした大阪桐蔭の後輩達の苦労を見て)厳しい世界ですよね。一軍と二軍の差もある。ただ『行きたい』と思っているだけではダメで、プロで活躍するために、僕はこの4年間を過ごしてきた。自分はスピードよりもボールのキレで勝負するタイプ。プロに飛び込んで、勝負してみたい」

また、U−18日本代表で徳山のボールを受けたのが、中央大の古賀悠斗。今年のドラフト候補の捕手では松川と双璧をなす存在だ。

「肩には自信があります。二塁送球は1.8秒ぐらいになりました。盗塁阻止は投手との共同作業ですが、自分がベストのプレーを心がければ走者にプレッシャーをかけられると思っています」

この古賀が福岡大大濠高時代にバッテリーを組んだ三浦銀二(法政大)もドラフト候補の右腕だ。

「高校を卒業する時、銀二とは『二人で4年後、プロに行こう』と約束した。お互いに大学で身体も心も知識も成長していると思います」(古賀)

佐藤、隅田、徳山に社会人野球の三菱自動車倉敷オーシャンズの廣畑敦也を加えたあたりが、即戦力として期待を集める投手だろう。ドラフト時点では「不作の年」と揶揄(やゆ)されても、数年後には「豊作」という評価に激変していることもある。今年の候補選手たちは、それが期待できるダイヤの原石ばかりである。

古賀悠斗(捕手 中央大)

古賀悠斗(捕手 中央大)

高校通算52本塁打
スローイングをはじめ、攻守がハイレベルで、大学No.1捕手の呼び声が高い。複数球団が2〜3位候補としてリストアップしていると思われる。173cm85kg

徳山壮磨(投手 早稲田大)

徳山壮磨(投手 早稲田大)

最速151km
大阪桐蔭で全国制覇を成し遂げた甲子園優勝投手であり、小宮山悟監督の信頼が厚い早稲田大のエース。投手不足の球団からの指名は確実だろう。183cm82kg

三浦銀二(投手 法政大)

三浦銀二(投手 法政大)

最速150km
法政大のエースとして評価が高い即戦力投手。「外れ1位」として各球団が狙うことが想定されている。175cm84kg

廣畑敦也(投手 三菱自動車倉敷オーシャンズ)

廣畑敦也(投手 三菱自動車倉敷オーシャンズ)

最速154km
社会人ではトップの本格派右腕。本人はヤクルトの熱心なファンで、同球団からの指名が濃厚か。177cm75kg

『FRIDAY』2021年10月22・29日号より

  • 取材・文柳川悠二(ノンフィクションライター)PHOTO加藤慶 柳川悠二 小松寛之 濱﨑慎治 産経新聞社 AFLO

Photo Gallery14

Photo Selection

あなたへのおすすめ記事を写真から

関連記事