<figure id="attachment_209726" aria-describedby="caption-attachment-209726" style="width: 4000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="00edbf94"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/10/aflo_170658368.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-209726" class="wp-caption-text">満身創痍の撮影から２年が経ち、これで最後という安堵感もあるのか、穏やかな表情のダニエル・クレイグ。９月28日にロンドンで行われたワールドプレミアにて。写真：AFP/アフロ</figcaption></figure>
<p>第25作目を数えるシリーズ最新作<span class="strongInContent">『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』</span>が、全世界で約３億1300万ドル（約352億5000万円※2021年10月11日現在のレートで換算）のヒットを叩き出している。</p>
<p>前作『007スペクター』から６年、やっとのことで公開に漕ぎ着けた今作の、苦難の道のりを辿ってみよう。</p>
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<h3>ダニエルボンドの最終作</h3>
<figure id="attachment_209727" aria-describedby="caption-attachment-209727" style="width: 3543px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="20315aff"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/10/aflo_112246169.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-209727" class="wp-caption-text">アストンマーティンとともにアクションシーンに挑むクレイグ。2019年９月撮影。写真：Splash/アフロ</figcaption></figure>
<p>今作は、俳優<span class="strongInContent">ダニエル・クレイグ</span>が演じる６代目ジェームズ・ボンド、“ダニエルボンド”の最後の作品だ。</p>
<p>シリーズ最長の15年間、ボンド役を演じたクレイグだが、2006年の『カジノ・ロワイヤル』のオファーを拒否していたのはあまりにも有名。</p>
<p>『スカイフォール』が公開された2012年には、<span class="strongInContent">「ボンドになった瞬間から辞めようとしてきたが、どうしても解放してもらえなくてね……」</span>とボヤき、2015年の『スペクター』直後には<span class="strongInContent">「（またボンド役を演じるくらいなら）目の前のグラスを割って手首を切ったほうがマシ。もうやらない。今はただ前に進みたい」</span>と発言。</p>
<p>第25作目の制作は2016年から水面下で動き出したが、クレイグが正式に契約を交わしたのはなんと2018年のこと。</p>
<p>続投に後ろ向きだったクレイグと、ダニエルボンドでもう１作撮りたい制作側との攻防戦は２年にも及んだのだった。</p>
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<h3>波乱の第25作目は降板劇からスタート</h3>
<p>第25作目は2019年の公開を目指し、『トレインスポッティング』（1996年）やロンドンオリンピック開会式の演出も務めた<span class="strongInContent">ダニー・ボイル</span>を監督に起用して本格始動した。</p>
<p>ところが、監督就任からわずか３カ月でダニー・ボイルの降板が発表され、次いで脚本家のジョン・ホッジも降板。</p>
<p>完成していた脚本が白紙に戻り、制作はいきなり頓挫することに。</p>
<h3>ようやく撮影が始まるも…</h3>
<figure id="attachment_209728" aria-describedby="caption-attachment-209728" style="width: 4000px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="bb34f60a"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/10/aflo_170660140_re.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-209728" class="wp-caption-text">左から、ノーミ役のラシャーナ・リンチ、クレイグ、『スペクター』から２作連続の出演となったマドレーヌ役のレア・セドゥ、キャリー・フクナガ監督。女性の主要キャストは今作からボンド“ウーマン”と呼ばれることとなった。写真：REX/アフロ</figcaption></figure>
<p>ダニー・ボイルに代わり、<span class="strongInContent">キャリー・ジョージ・フクナガ</span>が異例の大抜擢を受けて監督に就任したものの、スケジュールはすでに１カ月以上も遅れていた。<br>
ようやく2019年の春にクランクインするも、撮影中に転倒したクレイグが足首を負傷。</p>
<p>手術が必要な怪我で、回復まで６週間かかると告げられながらも、クレイグは２週間で現場に復帰したという。</p>
<p>怪我の影響でスケジュールが狂い、悪役を演じる<span class="strongInContent">ラミ・マレック</span>との共演シーンが危うく流れそうになったとのウワサも……。</p>
<p>ほかにも、スタジオで爆発事故が発生しスタッフ１名が軽傷を負い、セットの一部が損壊したり、スタジオの女性用トイレが盗撮被害に遭ったりと、同年10月25日に撮影が終了するまで様々なトラブルに見舞われた。</p>
<figure id="attachment_209729" aria-describedby="caption-attachment-209729" style="width: 3667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="36855fef"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/10/aflo_170657148.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-209729" class="wp-caption-text">CIA諜報員のパロマを演じたアナ・デ・アルマスは、本作でさらに人気が上昇中。写真：ロイター/アフロ</figcaption></figure>
<h3>パンデミックにより劇場公開が危ぶまれる</h3>
<figure id="attachment_209730" aria-describedby="caption-attachment-209730" style="width: 4307px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="2acc501f"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2021/10/aflo_170669534.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-209730" class="wp-caption-text">ワールドプレミアには、チャールズ皇太子（写真左）とカミラ夫人、ウィリアム王子とキャサリン妃と、ロイヤルファミリーも駆けつけた。写真：代表撮影/ロイター/アフロ</figcaption></figure>
<p>困難を経て2020年４月に公開されることとなった『ノー・タイム・トゥ・ダイ』だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて公開日の延期を決定。</p>
<p>半年後の2020年11月、その後に2021年４月と公開日程は延びに延び、最終的に今年2021年10月（イギリスは９月30日）へと改められた。</p>
<p>2016年に“Bond25”が企画された時点では、2019年11月８日の公開を目指していたというから、その遅れはトータルで約２年。前作からのブランクは７年に及んだ。</p>
<p>ずいぶん待たされたけれど、一時は動画配信サービス大手へ売却されるとのウワサもあったので、劇場公開に辿り着けたことは喜ばしい限り。</p>
<p>最後のダニエルボンドは、ぜひスクリーンで目に焼き付けて欲しい。</p>


海外セレブ情報誌を10年ほど編集・執筆。休刊後、フリーランスライターとして、セレブまわりなどを執筆中

原西香（はら　あきか）

007シリーズ最新作『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』が全世界でヒット中だ。ダニエル・クレイグがボンド役を務めるのは今作で最後。度重なる延期やトラブルの末に公開に漕ぎ着けた今作の、苦難の道のりを辿る

ダニエルボンド見納め！『007』新作公開までの多難すぎた道のり

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