ドリカム新曲CDセールス「超低迷」のウラでジャニーズの独り勝ち
「DREAMS COME TRUE(ドリカム)」の中村正人の異例の訴えが話題になっている。
ドリカムは9月22日にニューシングル『次のせ~の!で―ON THE GREEN HILL―』をリリース。ところが、これが全くといっていいほど売れなかったようだ。
10月4日付オリコン週間ランキング(9月20日~9月26日)で20位に初登場。翌週のランキングでは35位に順位を下げた。発売当日の動きを示すデイリーシングルランキングでも初登場11位だった。
これを受け、中村は5日のブログで「PS 必死のパッチ・マサからのお願い」として
《NEWシングルのCD、ご購入をお考えのベイビーズはなる早のご購入をお勧めします》
と呼びかけ。続けて
《ドリカムのCDを取り巻く状況は厳しくCDショップから返品となる前に是非。なんせワースト記録更新なもので(大粒の涙)》
と赤裸々につづった。
ドリカムと言えば、‘92年11月発売のアルバム『The Swinging Star』が322万枚のトリプルミリオンを達成。シングルCDでも‘95年7月発売の『LOVE LOVE LOVE』が250万枚を売り上げるなど、数多くのヒット曲を誇る。
まさかの惨状にネット上では「まさかドリカムが…」「ショック」「返品という言葉が生々しい」など驚きの声。時代の流れとはいえ、切ないニュースだ。
「90年代は小室哲哉さん全盛でCDが主流だった。人気アーティストだったら、言葉は悪いが『出せば売れる時代』だった。レコード会社はホクホクで、六本木で派手に散財する音楽関連会社の社員も多かった。
しかし今は配信リリースや、サブスク(サブスクリプション)にとってかわられ、CDは全く売れない。業界関係者の中には『いずれCDはなくなる』と断言する人もいるほどです」(音楽関係者)
大量情報化社会となり、音楽も“消費”される時代となった。スマホに音源データを落とせばいつでもすぐに聴ける。音質も日々向上している。
「コロナ禍によって生活様式が変わったことも大きい。コンサート自体が中止となり、ナマの音楽に触れ合う機会が減った。
“おうち時間”が増えたことで、わざわざCDショップに買いに行く人も激減。『ネットで何でも揃う』ことに多くの人が気付いてしまった」(レコ―ド会社関係者)
CDは手元に“現物”を残しておきたいファンや、特典狙いで購入する人のためのモノになってしまった。
そんな“CD冬の時代”でも、一人勝ちを続けるのがジャニーズ事務所だ。
例えば「King&Prince」の新曲『恋降る月夜に君想ふ』は10月6日付オリコンデイリーシングルランキングでぶっちぎりの1位。どれほど違うかと言えば、キンプリが推定6万2180枚売り上げたのに対し、2位の「R3BIRTH」の『MONSTER GIRLS』は1822枚だ。
さらに凄いのが先月29日にリリースされた「Snow Man」の初アルバム『Snow ManiaS1』。発売初週で84・1万枚を売り上げ、男性アーティストのファーストアルバム初週売り上げで、‘01年11月のCHEMISTRY「The Way We Are」(114・3万枚)に続く歴代2位を記録した。前出のレコ―ド会社関係者は、
「ジャニーズさんは本当に別格。この時代に“CD文化”が根付いているんですよ。ファンはまずCDを買って、それからデジタル版もダウンロードする。販促の部分でアナログ的手法にこだわっていたジャニー喜多川さんやメリー喜多川さんの功績も大きいように思います」
と分析する。
ドリカムに話を戻すと、中村の叫びにファンが呼応。新曲を複数枚買ったり、他人に購入を呼び掛ける動きが巻き起こった。中村は6日のブログで
《その気持ちにこれまた大粒の涙。ありがとうね。もう買っちゃだめだよ》
と感謝した。デジタル時代とはいえ、結局最後はアナログが物事を動かすのかもしれない――。
- 写真:共同通信