綾野剛、小栗旬…秋ドラマに「塩顔男子が席巻」驚きの背景 | FRIDAYデジタル

綾野剛、小栗旬…秋ドラマに「塩顔男子が席巻」驚きの背景

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今年放送されたドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)のロケで石原さとみと談笑する綾野剛。21年4月撮影
今年放送されたドラマ『恋はDeepに』(日本テレビ系)のロケで石原さとみと談笑する綾野剛。21年4月撮影

長くキラキラの王子様顔を強みとしてきたジャニーズ事務所。しかし、今期の秋ドラマの男性キャスティングは、その終焉を予感させるようなラインナップだ。

恋愛ものから医療もの、小松左京のロングヒット小説を原作とした社会派SFまで、良作揃いと言われる秋ドラマたち。しかしそれ以上に目が行ってしまうのは、メインとなる男性出演者たちの圧倒的なまでの塩顔ぞろいぶりだ。

塩顔ブームを巻き起こした元祖塩顔男子でもある『結婚届に判を捺しただけですが』(TBS系)の坂口健太郎を筆頭に、『アバランチ』(カンテレ・フジテレビ系)の綾野剛、『恋です!~ヤンキー君と白杖ガール~』(日本テレビ系)の杉野遥亮、『日本沈没―希望の人―』(TBS系)の小栗旬etc. ともに『最愛』(TBS系)に出演している松下洸平と井浦新に至っては、もはや塩ぶりが似すぎていて困惑するほどだ。

月9『ラジエーションハウスⅡ』(フジテレビ系)の窪田正孝も、塩顔とは言えないものの、塩顔の派生系といわれる爬虫類顔男子として人気を博している。民放ゴールデンタイムドラマにおける完全なる非・塩顔男子といえば、『二月の勝者 絶対合格の教室』(日本テレビ系)の柳楽優弥ぐらいだろう。

塩顔の「塩」の意味

あらためて説明すると、塩顔というのは“塩”という調味料名が示すように、シンプルであっさりした味わいの顔を指す。分かりやすく言うと、目が一重で全体に造作が小さく、くどさを感じさせない顔だ。悪く言えば地味ということでもあり、かつてはむしろ冴えない顔とされ、主演クラスに上がってくることは滅多になかった。

対して、これまでドラマや映画で活躍してきた主演級男性俳優は、圧倒的に濃いめの顔が多かった。キムタク、竹野内豊、織田裕二、反町隆史、妻夫木聡etc. 大きな二重の目にハッキリした造作……、どちらかというと欧米人に近い顔立ちと言えるだろう。その筆頭がジャニーズ顔であった。そのため一時は、毎日と言っていいほどジャニーズアイドルの主演ドラマを見る、というくらい俳優としても引っ張りだこだった。

ところが今期の秋ドラマでは、民放ゴールデン滞でジャニーズが主演を務めているドラマは1本もない。ジワジワとその勢力図を広げていた塩顔俳優たちだが、ここへきて、完全にドラマ市場を乗っ取ってしまった印象だ。

この背景には、当然だが女性たちの、男性の顔に対する好みの変化がある。ではなぜ、ここまで塩顔が支持を得るようになったのか。キラキラの王子顔は後塵を拝するようになってしまったのか。芸能事情に詳しい人たちに話を聞いていったところ、多かった分析は次の3つであった。

1.欧米コンプレックスがなくなった

「かつては欧米文化への憧れから、顔も、パッチリ二重の甘い顔がイケメンとされていました。が、本来人は自分に近い顔を好むもの。コンプレックスが邪魔しなくなったことで、自分たちが本当に好きな顔を素直に認識するようになったのではないでしょうか。それを象徴しているのが、究極の塩顔とも言える韓流男子ブームだと思います」(芸能ライター)

2.女性が強くなった

「濃い顔というのは、男らしい顔でもあります。それは、かつては強さをイメージさせるものでもあったと思います。でも今の女性たちは、男性に守ってもらうことをそこまで求めていないのでは。それよりも癒してくれる相手、または友達のように対等に過ごせる相手を求めている。そうなると、『俺についてこい』というイメージがある濃い顔より、中性的な塩顔が人気になってくるのは必然だと思います」(テレビ局社員)

3.顔よりオシャレさ

「日本はオシャレ大国です。昨今の女子は、彼氏をファッションセンスで選ぶほど“オシャレさ”を重視しています。となると、こってりとした王子顔より、スッキリした塩顔のほうが圧倒的に洋服が似合い、有利なんです。だから最近のドラマに出てくる男性は、塩顔なだけでなく、体型も華奢で肌も綺麗なオシャレ系男子が多いですよね。イケメンでなくても努力で勝負できる良い時代になった、とも言えるかもしれません(笑)」(ファッション誌編集者)

他にも、こんな面白い意見が聞かれたので紹介しておきたい。

「今はネットから大量の情報が日々入ってくる時代。皆、常に情報の海に浸かっているので、愛でる男性の顔くらいはあっさりしたものがいいのでは? 今や濃い王子様顔は、若干、情報過多で疲れるんだと思います」(芸能記者)

「イケメンといえば、キラキラの王子様顔。そこはライバルが多いので、競争を避けるためにあっさりした塩顔に好みをシフトしたら、同じことを考えた女子が意外と多かったようです(笑)」(カルチャー系ライター)

いずれにしても、塩顔の勢いが今後さらに増していくことは間違いないだろう。

  • 取材・文奈々子

    愛媛県出身。放送局勤務を経てフリーライターに。タレントのインタビュー、流行事象の分析記事を専門としており、連ドラ、話題の邦画のチェックは欠かさない。雑誌業界では有名な美人ライター

  • 撮影近藤裕介

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